2019年03月31日

海自のシステム艦第1号 (1)


一般に “国産初のシステム艦” と言われる 「はつゆき」 型ですが (実態は既にお話ししたように違うのですが)、その国産の前の “海上自衛隊初のシステム艦” と呼ばれるのが今はなき 「たちかぜ」 (DDG-168) であり、姉妹艦の 「あさかぜ」 (DDG-169)です。

DDG-168_photo_01_m.jpg
( 公試運転における 「たちかぜ」 )

この 「たちかぜ」 型2隻が就役当初に装備したのが WES と名付けられた米海軍製のデジタル・コンピューター・システムでした。

これはターター・ウェポン・システム (Tartar Weapon System)、あるいは単にターター・システム (Tartar System) と呼ばれるものの指揮管制を掌るメインのシステムです。

(注1) : ターター・ミサイル・システム と言った場合は、ミサイル、発射機 Mk-13、射撃指揮装置 Mk-74 及びそのコンピューターである Mk-152 を中心にその関連・付属機器などを合わせたもののことで、ターター・ウェポン・システム というと、これに WDS 、三次元レーダーなどを組み合わせたものの総称になります。

Tartar_MSL_Sys_config_01_m.jpg
( ターター・ミサイル・システムの構成図 )

WEP_SYS_Cofig_01_m.jpg
( ターター・ウェポン・システムの構成略図 )

(注2) : ターター ( 及びタロス、テリアの “3T” ) ミサイル・システムの詳細についてはまた別にご紹介する機会もあろうかと思いますので、ここでは省略いたします。

さてその WES、Weapon Entry System の略で、開発を行った米国 RCA 社によって名付けられたものですが、これ、その名のとおり、正確に言えば現在の艦艇戦闘指揮システム (CDS、Combat Direction System) やそれ以前では米海軍で NTDS (Naval Tactical Data System) と呼ばれたような、いわゆる 艦艇戦闘情報処理システム ではなく、ターター・システムの WDS (Weapon Direction System) と言われるものと同じ 武器管制装置の一種 なのです。

では何故この武器管制装置である WES を搭載した 「たちかぜ」 型を海上自衛隊はわざわざ “システム艦” と呼んだのでしょうか?

これにはちゃんとした訳があったのですが、実は海上自衛隊の者でさえその多くはこれの真意を正しく理解できず (理解せず)、そしてそのまま今日までズルズルと来ているのが実態と言えます。

そのことを今回少しお話ししたいと思います。

(注) : 海上自衛隊には “システム艦” という用語の定義そのものはありませんが、艦艇戦闘指揮システム (CDS、Combat Direction System) を搭載した艦艇を一般的にそのように呼んできております。

その CDS の定義ですが、例えば 『海上自衛隊電子計算機情報処理用語集』 では次のとおりとされています。

CDS_Def_01_m.JPG

まあ、実に大ざっぱな定義ですので、これを広義に解釈すればデジタル・コンピューターを使用するシステムを搭載すれば何でもかんでも “システム艦” と言い得ることになります。

実際、海上自衛隊はそれで通してきたのですが。


(この項続く)
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次 : 海自のシステム艦第1号 (2)

posted by 桜と錨 at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと

2019年03月28日

今日は一人で


ぎっくり腰も大分良くなってきましたので、今日は家内のサポート無しに一人で車を運転して市中まで。

で、昼食はお気に入りのラーメンの一つ 「呉らぁめん」 を。

Lunch_h310328_01.JPG

魚介の出汁で鶏ガラを煮たスープに、牡蠣醤油とレモン汁を合わせたものです。 早い話、レモン・ラーメンと言った方がむしろ通りが良いのではと思ったりします。

レモンの酸っぱさが適度で、なかなか面白い味です。 ただ難点は他のメニューの豚骨などよりは少々高いこと (^_^)

でも、この当たりの他の有名どころのラーメン店のものよりは、私的にはこれの方が好みですね。

あっ、ただし酔っぱらった後の〆としての名物屋台のものは別ですが。

posted by 桜と錨 at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2019年03月27日

どうなったのか? 北朝鮮小型船 (下)


韓国海軍の駆逐艦 「クァンゲト・デワン」 が哨戒中の海自 P-1 に対して、あろうことか FC レーダーを照射したこと、及びその指摘に対する韓国の反応、対応振りは常軌を逸したとんでもないこと、ではあります。

がしかし、その事以上に、我が国の安全保障にとって重要であるのは、我が国 EEZ 内のあの海域で韓国艦艇2隻と北朝鮮小型船が何をしていたのか、ということの解明 でしょう。

韓国側の主張は遭難した北朝鮮小型船に対する “人道的” 救助活動であったと言うものです。 実際のところ、確かに当該小型船が故障、あるいは燃料切れなどによる航行不能の状態で “あったのかも” しれません。

しかしながら、この小型船が “単なる一般漁船ではない” ことは P-1 が撮影した現場の状況からも一目瞭然でしょう。

NK_Small_Boat_07_mod.jpg
( 昨年12月28日防衛省公開の映像より )

ではその小型船は一体どの様な船で、元々何をしていたのか?

それを 解明する重要なポイントの一つが、あの照射事件の後の韓国艦艇2隻と北朝鮮小型船の動向 でしょう。 それは一体どうだったのか?

韓国側の報道では、韓国艦艇は現場において小型船から生存者3名と遺体1体を収容したとし、そして2日後には早くも板門店においてそれらを北朝鮮側に引き渡したとしています。

( 何とも手際の良いことで、もし本当であるならば、生存者の健康状況などは十分にチェックせず、また遭難に至る状況なども十分に聴取しなかったということです。 そして海難救助では考えられない、夜間に海に落ちたかも知れない乗組員やまだ浮いている可能性もある遺体の捜索などは全くせずに。)

その一方で、当該北朝鮮小型船そのものについてのその後は、次の4つのうちのいずれか以外には考えられないでしょう。

  1.そのまま無人でやりっ放した。
  2.その場で海没処分とした。
  3.韓国艦艇のどちらかが揚収又は曳航して (韓国又は北朝鮮指定の海域まで)
   運んだ。
  4.他にまだ生存者が何名かおり、そのまま解放して北朝鮮又は元の任務へ向か
   わせた。

NK_Small_Boat_08_mod.jpg
( 韓国反論映像より )

当然、当該 P-1 は距離を取りつつこれの監視を継続していたでしょうし、またそのための能力も十分備わっています。 そして上級司令部は状況を把握していたはずですので、監視の応援又は交代の哨戒機を出すなどしていた “はず” です。

では、北朝鮮小型船のその後は上記の4つのうちのどれであったのか? そして、何故それがいまだに公表もされず、説明もないのでしょうか?

このことは極めておかしく、かつ不自然なことと思うのは私だけでしょうか?

まさかではありますが、もしかすると当該 P-1 は FC レーダーの照射を受けて 「大変だ、大変だ」 と言って逃げ帰り、上級司令部もその後の対応は何もしていなかったのでしょうか?

万が一そうであるならば、海自は 本来の任務を放棄した “大失態” であると言わざるを得ないことになりますが、ただ公表されていないだけで、実際はキチンと実施されていたはず、とは思います ・・・・

では 何故この様な重要なことが防衛省・海上自衛隊からも、そして政府からも、いまだに説明がなされない のでしょうか?

このことをキチンと公表することは、我が国の安全保障についての国民に対する義務であり、責任である と言えます。

“看過できない” という言葉は、本来この様なことについて使うべきものですがねえ (^_^;

そして、マスコミも何故この我が国の安全保障にとって重要なことに繋がる本件を言わないのでしょうか? 不思議なことです。

(本項終わり)

posted by 桜と錨 at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと

どうなったのか? 北朝鮮小型船 (上)


昨年末に生起した韓国駆逐艦 「クァンゲト・デワン」 による哨戒中の海自 P-1 に対する FC レーダー照射事件に関連して、いささか旧聞に属する事ではありますが、とは言え韓国側はもちろんのこと、防衛省・海上自衛隊側からも全く出てこず、しかも日本政府やマスコミも取り上げない大きな問題が残され、いまだにそのままになっていることがあります。

それは、あの事件の後、肝心な北朝鮮小型船はどうなったのか? という事です。

確かに、他国の航空機に対して (それも我が国の EEZ 内において) FC レーダーを照射するなどは言語道断のことであり、しかもそれに対する韓国の反応、対応は異常と言えるものですが、それはそれとして、その一方で、我が国の安全保障にとって極めて重要なこの問題が言及されないのは極めておかしなことと言えるのですが、さて ?


ご承知のとおり、今年1月21日に防衛省は本事案について 「最終見解」 なるものを公表しました。 これについての私の所見は、既に Facebook の計8回の連載も含めて何度も、そして海人社編集部さんの求めに応じて 『世界の艦船』 4月号の記事でも述べてきたところです。

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その 論点は2つ です。

1つ目 が当然ながら FC レーダー照射事件そのものについてで、結果として、防衛省が公表したものは 当該時点における 「最終見解」 としては何の意味も価値もない もの、ということです。

内容は単なる事件の経過概要の説明だけに過ぎず、もしこれが昨年末に公開した P-1 が撮影した映像と機内交話音声を編集したものと同時であったならば、その補足説明としてそれなりの意味はあったでしょう。

しかも最終見解で一緒に公開された2種類のレーダーの可聴音データも、海自OBがマスコミで言ったような 「聞く人が聞けば分かる」 というのは、単に2つの形式の違いが分かる、というだけのことで、決してこれだけをもってこの音源が当該 FC レーダーのものであるなどと分析できるものではありません。

これを要するに、「最終見解」 として示すべきは

間違いなく、昨年12月20日のあの時に、当該 P-1 が韓国海軍駆逐艦 「クァンゲト・デワン」 から STIR-180 の FC レーダー波を照射された

という確たる証拠でなければならなかった のです。

もちろん、この 「最終見解」 の時点をもって韓国との実務者協議を打ち切るというのは、それでよいでしょう。

韓国政府、国防部は勿論、マスコミや国民の対応振りは言語道断であり、実務者協議も予想通り展開で (と言うより、いとも簡単に前言を翻して嘘に嘘を重ねる、更には逆に威嚇飛行されたと言って謝罪を要求するなど、あまりにも酷いですが)、やっても無駄であると初めから私も主張した通りとなりました。

確かにここで協議を打ち切るとしたのは、世論及び国際社会に対して韓国が常識外れのまともに相手に出来ない国家、国民であることをハッキリさせたことでは肯定できます。

しかし問題なのは、協議打ち切りと同時に、この事件そのものについても終わりにしようとしていることです。 日本としては、国際社会に対し更なる理解を得るよう努力を継続するべきですが、それが見えません。

当該事件は国際常識を外れ、明確に規定されたCUESに違反する “武力行使” であり、当該 P-1 とその搭乗員にとっては危険極まりないものであることは間違いありません。

がしかし忘れてはならないのは、海自でもどの国の軍でも、平時の監視飛行においてはこの様な突発的事態があり得ない訳ではない、ということです。 それが “任務” であり “遊覧飛行” では無い のですから。


そして もう一つの論点 は、我が国の安全保障上からは当該照射事件そのものよりももっと重要なことで、何故かこれまでの段階で全く出てこないことがある、ということです。

いや、現在に至るままの状況では、むしろ防衛省・海上自衛隊は 「最終見解」 の公表をもって実務者協議協議を打ち切るとすると共に、本事件そのものについても終わりとし、その 肝心なことを有耶無耶にしようとしているとしか 見えません。

まさに “看過できない” ことであるといえます。

(続く)

posted by 桜と錨 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと

今日のランチ


ギックリ腰はあともう一歩というところまで回復しましたが、やはりどこへ行くにも用心をして家内の送り迎え付きです。

でまあ、タクシー代と思ってお昼のランチは (家内にすれば当然のごとく) 私のおごりで (^_^)

今日は近くの居酒屋さんで。

Lunch_h310327_01.JPG

ここのランチは定食ものがメインですが、メニューは色々ある中でこのお昼御前が一番CPも良くて時々利用します。

とはいっても、我が家から近くはお店の選択肢が少ないんですよね〜 住みやすい土地柄ではありますが、それがちょっと難点ですね (^_^;

posted by 桜と錨 at 15:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2019年03月24日

『丸』 5月号


潮書房さんから最新刊の 『丸』 5月号が届きました。 特集は 「最後の戦艦 アイオワ級のすべて」 です。

Maru_h3105_cover_s.JPG

私も一文を書かせていただきました。 題して

「 米高速戦艦搭載16インチ主砲&射撃システム 」

このアイオワ級の50口径16インチ砲及びその射撃システムは、これまでにいくつかの記事を書かせていただきましたが、今回の 『丸』 では更にハード・ウェアについて充実したものといたしました。

ただ残念なのは、紙幅の関係で Mk-38 方位盤射撃指揮システム、特にその内の射撃用レーダー Mk-13 及びこれによる射撃能力については省かざるを得ませんでした。

これについては、これまでに他の記事でもその概略を説明してきておりますが、機会があればその内もう少し詳しくお話ししたいと思っております。

( 潮書房さん、書かせてくれるかな ・・・・ でもちょっとマニアックになってしまうけど (^_^) )


posted by 桜と錨 at 21:56| Comment(5) | TrackBack(0) | 砲術の話し

パガン航空基地


先週の本家サイトの更新はちょっと欲張って 『旧海軍の基地』 コーナーでマーシャル諸島所在の海軍航空基地の残り全てを一応網羅いたしましたので、今週はマリアナ諸島の 「パガン基地」 1つの追加です (^_^;


AB_Pagan_photo_1943_01_m_mod.jpg
( 1943年の米潜水艦による偵察写真より )

パガンてどこにあるの? パガンな〜い。

というダジャレが出てきそうなくらい、同コーナーのリストではこのパガンの上にあるテニアンやトラックに比べると遙かにマイナーですが、逆にこういう基地のご紹介も珍しくてよいかと。

とは言っても、この基地、元々が戦前に不時着陸兼中継基地用として建設され、また大戦中もその様に運用されたこともあり、詳細はよく判りません。 このため、ちょっと図・写真などは少ないものとなりました。


なお併せて、本家サイトの掲示板で HN 「かず」 さんからお尋ねのあった串良基地について、折角の機会ですので地図及び写真について追加更新しました。

AB_Kushira_map_1945_01_m_mod.jpg

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posted by 桜と錨 at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2019年03月19日

「朝雲新聞」 2018年縮刷版


朝雲新聞社さんより同社の 「朝雲新聞」 の2018年縮刷版が届きました。

Asagumo_2018_All_cover_m.jpg

本ブログでもご紹介しているとおり、私は同紙の 「世界の新兵器」 コーナーで艦艇編を年間4回書かせていただいているだけですが、今年もまたこうして縮刷版までいただきました。

これ、縮刷版ですのでちょっと文字が小さいのですが、それこそやはり専門紙、その年の防衛省・3自衛隊について出来事や人事など何かの時に確認をするのに大変重宝します。

朝雲新聞社さん、ありがとうございます。

posted by 桜と錨 at 14:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと

2019年03月18日

マーシャル諸島所在の旧海軍航空基地


今週の本家サイトの更新用ページをちょっと欲張って作っていたのですが、持病のギックリ腰のためもあってなかなか思うように進まず、日付が変わってこの時間になってしまいました (^_^;

本家サイトの 『旧海軍の基地』 コーナーで 「ウオッゼ」 と 「ヤルート」 ページを作成し公開しましたので、今週の更新は、折角ですのでこれを機会に残りのマーシャル諸島所在の旧海軍の航空基地を追加することにしました。

「ミレ」 「メジュロ」 「マロエラップ」 「ロンゴラップ」 とケゼリン環礁の 「ケゼリン」 「エビジエ」 「ルオット(ロイ)」 の7基地です。

Marshall_sat_h31_01_mod.jpg


これにてマーシャル諸島は一応全て網羅しました。

ただし、「メジュロ」 と 「ロンゴラップ」 は現在のところ日本側及び米側の史料ともに航空基地データが全く見当たりませんので取り敢えずの “暫定版” です。

その他の基地についてもまだまだ荒削りですので、今後時間を見ては修正していく予定にしています。

なお、併せて既に公開している 「エニウェタック」 について修正を加えております。

これらの航空基地について、特に 「メジュロ」 と 「ロンゴラップ」 について、情報をお持ちの方がおられましたら、是非ともご教示いただけるようお願いいたします m(_ _)m


それにしても不思議なのは、ケゼリン環礁の 「エビジエ」 と 「ルオット」 は戦前に開設されたのですが、何故か旧海軍の航空基地リストにありません。

また、昭和12年及び14年に行われた内南洋の航空基地適地調査でも調査そのものは行われたはずなんですが、この2つの基地についてはその調査結果では採り上げられなかったんです。

う〜ん。

posted by 桜と錨 at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2019年03月16日

独り言

歳をとってくると呟きが多くなりますね (^_^)

艤装員というのは、旧海軍時代と現在の海上自衛隊とでは、基本的というか、根本的なところに大きな違いがありますね。

したがって、艤装員が何をするのかの前に、その点を明確にしないと。

う〜ん、旧海軍と海上自衛隊では艦船の建造 (=調達) の方法が異なりますので、したがって艤装員の権限が異なります。 この点を踏まえなければ ・・・・

あっ、独り言です。

posted by 桜と錨 at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに