2018年01月16日

12月21日付 『朝雲新聞』


ちょっと遅くなり年を越してしまいましたが、私が担当させていただいている同紙での 『世界の新兵器』 コーナーの艦艇編の第5回目です。

『 「クイーン・エリザベス」 級空母 』

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ご存じのように、その建造には紆余曲折があり、難産の末に去る12月7日ポーツマスにおいて女王陛下ご臨席の下に就役式が行われました。

これはテレビやネットで全世界に同時配信されましたのでご覧になった方もおられると思います。 私も一部始終を実況で見ていましたが、なかなか興味深いものがありました。

この 「クイーン・エリザベス」 については平成27年4月に既に当該紙で私の前任者により紹介記事が掲載されておりますが、この度実際に就役の運びとなり、年が明けた今年からはその目玉の一つである F-35B の艦上運用試験も始まります。

そして2年後には実戦配備される予定になっており、同時に2番艦の 「プリンス・オブ・ウェールズ」 が就役する予定で、当面は2隻とも維持されることになっていることから、英海軍は久々に充実した艦隊航空兵力を手にすることになります。

この度の 「クイーン・エリザベス」 の就役にあたり、技術サイドのみならず用兵サイドの目からしても、本級について改めて記事にする価値は十分にあると考えましたので、編集部さんにお願いして掲載していただきました。

海自も 「いずも」 型を F-35B が搭載可能なように改装する話しも聞こえて来ますが、本当にそのような中途半端なもので良いのかどうかも含めて、本級は良い研究対象の一つになるでしょう。

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2018年01月14日

『海軍武官進級令』 など公開


先日海軍士官などの進級についてのお話をしましたが、そこで出ましたものなど関連する根拠法規を本家サイトの 『海軍法規類集』 コーナーにて公開しました。


今回追加公開したのは次の7つです。

   海軍武官官階
   同 昭和20年5月改正分
   海軍兵職階
   海軍武官任用令
   海軍武官進級令
   海軍武官任用進級取扱規則
   海軍兵進級規則


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( 「海軍武官官階」 別表 (部分) )

海軍武官官階の改正分を除き、いずれも昭和20年2月段階でのものです。

これらについては、総て既にアジ歴などでも公開されておりますが、綺麗なPDF版として各法令ごとのファイルとしております。

関心のある方々にとってはご覧になるのに選択肢は多い方が良いと思います。 皆様のご都合のよろしいものを選んでご覧いただければよろしいでしょう。

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2018年01月07日

『呉海軍工廠造兵部史料集成 中巻』 公開!


本家サイトの新年初の更新として、「史料展示室」 コーナーにおいて昨年末にご来訪 「555555」 のぞろ目達成記念として公開を始めた山田太郎氏編著 『呉海軍工廠造兵部史料集成』 の中巻全ページをPDF版にて追加公開しました。

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ご覧いただいてお判りいただけるように、この全3巻は大変にすばらしい史料集で、この方面に興味のある方々の根拠とするに足る大変に貴重なものです。

このような大作を当方のサイトにて公開させていただけることは大変に光栄で嬉しいことと思っております。

残りはあと下巻となりました。 これも準備でき次第公開いたしますが、この下巻は350ページ強ありますので少々お時間を頂戴することになると思います。

なお、公開のPDF版は印刷・加工付加の設定としておりますので、もし元の紙媒体のもの、あるいは当サイトの印刷可能バージョンなどを必要とされる方がおられましたら、まずは山田氏にコンタクトをとっていただけるようお願いいたします。

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2018年01月04日

旧海軍の昇任規定


ネットで旧海軍の昇任についてのことが話題になっていました。 次のような質問についてです。

日本海軍の昇進に関する規定はどうなっていたか?
この階級になるには何年間勤務していないといけない、こういう役職を経験していなければならない、という決まりはあったのか?
あったとすればどういうものか?

色々回答がついていたようですが、まあ某所はそういうところですので、それはそれで構いませんし、何より質問した人がそれで納得してしまいました ・・・・ ですが、結局のところ最も肝心なことは出てきませんでした。


旧海軍における (と言っても別に旧海軍だけのことではありませんが) 昇任については次の2つに分けて考える必要があります。

 1.昇任選考の前提となる候補者名簿の作成
 2.名簿に基づく人事上の選考作業

上記の元々の質問は、この内の1.がどうなっていたのかということでしょう (多分)。

これについては昭和期の旧海軍では次の規則類が基本となっています。

  「海軍武官進級令」 (大正9年 勅令58号)
  「海軍武官任用進級取扱規則」 (大正8年 達133号)
  「海軍兵進級規則」 (大正9年 達80号)

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( 「海軍諸例則」 第14版より進級令の1頁目 )

これには別に色々な特例事項等がありますが、ともかくこの規則類に従って候補者名簿に載らない限り選考の土俵に上がりません。

ただしハッキリしているのはここまでであり、後は具体的な各個人の昇任履歴を見る以外にはありません。


そこで、2.の候補者名簿に基づき進級会議において選考が行われるわけですが、ではどの様な要素によってこの名簿上の順番が決まって来るのかということになります。

海軍士官の場合は海軍省の人事局第1課における各担当者の作業になります。 当然ながら事務的な要素、例えば現階級経過年数、任用別・期別、経歴、勤務成績、賞罰・功績など様々な事項が考慮されて名簿の順番が決まってきます。 HN 「hush」 氏の回答でも出てきた 「海軍人事取扱内規」 はこの昇任を含む人事担当者の作業要領です。

そして重要なことは、進級会議においてこの候補者名簿に基づいて選考されますが、その際に単純に名簿順に沿って決まってくるわけではありません。 しかも、その時その時の会議でどの様にこの名簿の中から選ばれたかについては決して表に出ることはない、と言うことです。

これは海軍士官の場合、例えば昇任すべき上位階級での職の要求といものがあります。 いくら人事担当者による作成名簿の上位にあっても、空きのある昇任後の配置に適さないことも当然あり得るわけです。

そして肝心なことは、選考者達の個人としての意見が入ることです。 これには選考者個人によるいわゆる “引き” があります。 また旧海軍における人事上の人脈、即ち “閥” が含まれており、被選考者は自分が知らず知らずの間にこの閥の中に組み込まれて行くことになります。 特に上位階級になるほどこれが大きく影響してきます。 このことは昇任だけではなく、補職についても同様です。


以上の全てのことにより実際の進級者がその進級順位と共に決定されますが、先にも申し上げましたとおり、最初の候補者名簿作成以外のことは、昇任選考理由などが表に出ることはありません。

悪い言い方をすれば、要するに人事担当者と選考者それぞれによる胸先三寸 (胸三寸+舌先三寸) ということでもあるわけです。

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2017年12月10日

旧海軍の爆雷投射機など


本家サイトの今週の更新として、先に公開した旧海軍の爆雷データに関連して、その投射機、投下装置や爆雷信管などのページを追加しました。

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爆雷に関連するとはいえ、いずれもマイナーな内容のものばかりですが、こういうデータは文献やネットなどでも意外とありそうでないものです。

旧海軍史料に基づくキチンとしたものを纏めて残しておくことは、私の本家サイトの目的の一つでもあり、また意義のあることと思っております。


『世界の艦船』 12月号増刊 『日本海軍護衛艦艇史』 の拙稿内容の補足としてではありますが、次は水中探信儀などに進めると良いのですが・・・・


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2017年11月28日

「丸」 新年1月号


もう書店に並んでいるかもしれません。 月刊誌 「丸」 の1月号の特集は 「艦隊防空の主役」 です。

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この中で私も記事を一つ担当させていただきました。

    『タスクフォースの守護神 米防空艦三代記』

「アトランタ」 級、「ウースター」 級、そして 「タイコンデロガ」 級の3つについてです。

ただ割り当ては6ページでしたのであまり兵器などの細部には突っ込めませんで、各クラスの概要になってしまいました。

それでも当初の原稿は約1千字もオーバーしてしまい、編集部さんから怒られてしまいましたが (^_^;

防空艦の特集ですから、私などからすると図や写真なども含めてもう少し防空兵装のメカ的な部分があると面白いと思いますが、月刊誌の特集記事としてはなかなか難しいところがあるかと。

友人の藤田氏の新連載 『昭和陸軍の戦場』 も始まりましたので、店頭で見かけられたときには、是非手にとってご覧下さい。


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2017年11月26日

旧海軍の爆雷データ


今週の本家サイトの更新として 『水雷講堂』 の 『水雷兵器解説』 コーナー中の 「防備・対潜」 兵器において旧海軍が開発した爆雷の詳細データをUPしました。


先にご紹介したとおり、月刊誌 『世界の艦船』 の12月号増刊 『日本海軍護衛艦艇史』 で大戦中を中心とした護衛艦艇の兵装についての記事を担当させていただきましたが、紙幅の関係もあり各兵器の詳細についてまでは触れることができませんでした。

砲熕武器などについては他のものでも色々ありますが、特に対潜関係については当該号の旧版も含めてあまり触れられたものがありません。

そこで、当該記事に予定していた図なども含め、旧海軍が開発した対潜兵器関係についてその詳細データをご紹介するものです。

取り敢えず今回の更新では、試製のみで終わったものも含めた全爆雷のデータです。

三式爆雷の構造略図や、九五式及び二式爆雷の米軍資料による写真やイラストなどは珍しいものと思いますので、この方面に関心のある方は興味を持っていただけるのではと。

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( 三式爆雷一型の構造略図 )

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2017年11月24日

『呉海軍工廠造兵部史料集成』 公開開始!


お陰様で本家サイトの方はご来訪 「555555」 のぞろ目を達成することができました。

つきましてはその記念企画として、先ほど本家サイトの 『史料展示室』 コーナーにおいて山田太郎氏編纂の 『呉海軍工廠造兵部史料集成』 をPDF版にて公開いたしました。

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     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/tenji_main.html
     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/48_Kure_NSY_Wep-Dep.html

この史料集成は、明治期の創設から今次大戦期に至る同造兵部に関する史料を網羅した全3巻の大作です。

しかしながら、自費出版で一般の流通経路に乗らないこともあって、まさに知る人ぞ知る大変貴重なものであり、かつ旧海軍研究者にとっては必須となってるものです。

この度山田氏のご厚意により、本史料を後世に伝えるべくディジタル化の上、その全文を当サイトにて公開させていただけることになりました。

とは言っても大変なページ数ですので、今回は取り敢えずその上巻全頁と中巻、下巻の目次からです。 残りも今後準備でき次第順次公開いたします。

どうかこのすばらしい史料集成をお楽しみいただきたいと存じます。

なお、山田氏からは 『呉海軍工廠製鋼部史料集成』 全2巻の公開のご承諾もいただいておりますので、この造兵部史料集成が終わりましたらディジタル化にかかる予定にしております。

山田氏にはこの様な貴重な大作を公開させていただけることを心より感謝し、この場にて改めてお礼申し上げる次第です。


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2017年11月17日

『世界の艦船』 12月号増刊


そろそろ書店に並ぶと思います。 『世界の艦船』 の12月号増刊は 『日本海軍護衛艦艇史』 です。

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平成8年の2月号増刊として出された同名の号のリニューアル版になりますが、元々が時期的にも、また艦種的にも残された良い写真はあまり多くはありませんので、旧版の写真ページを全面的に入れ替えることができないのは致し方ないところでしょう。

それでも印刷の関係もあって写真が綺麗になり、かつ新しい写真になったものが結構あります。

本文記事の中では、私も次の項を新たに担当させていただきました。

   「日本海軍の護衛艦艇戦備を考える
        B 戦時護衛艦艇の対空・対潜兵装」


割り当ての紙幅は4ページで、旧版の6頁からは少なくなっておりますが、旧版には機雷兵装や掃海兵装が含まれておりましたので、これら港湾防備兵器は省略させていただき、護衛任務に関係する砲熕、電測、水測、爆雷兵装に絞らせていただきました。

そして、いつもどおり私らしく、旧版には無かった内容を採り入れております。 もちろん残念ながら概論のみで、それぞれ武器の詳細までとはいきませんので、これらの詳細については機会を捉えて本ブログや本家サイトの方でご紹介したいと思います。

書店で見かけられたときには是非手にとってご覧下さい。

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2017年10月22日

内令兵制定以前の兵器関係規定


本家サイトで公開している内令兵一覧を先週少し修正したところですが、やはりこれもなければ、ということで、明治41年の内令兵制定以前の兵器に関する規定一覧をリスト・アップして追加しました。


とは言え、旧海軍の明治期の法規はとてもフォローしきれていませんので、取り敢えずは現在できたところまでの暫定版で、今後判明次第追加修正していく予定です。

しかしながらつくづく思うのは、旧海軍における兵器採用一つとっても、それが何時だったのかはっきりしないものが色々とあるんですよね〜 (^_^;

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2017年10月15日

旧海軍の内令兵一覧を修正中


ちょっと所要があって旧海軍の内令を調べていますが、残された史料を色々漁ってみるものの、明治期から昭和20年までのリストはまだまだ多くのところが歯抜け状態です。

取り敢えず現在までに判明しているところを追加修正して、本家サイトの 『海軍法規類集』 コーナー中の
『内令兵一覧』 にUPし直しました。

昭和16年〜昭和20年 :
     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/naireihei_list.html
明治41年〜昭和15年 :
     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/naireihei_list_2.html

こういうリストもあるようで意外とないもので、一度キチンと調べておく必要があると思っているのですが、なかなか思うように進みません。

残っているところは一つ一つ丹念に探して埋めていくしかないようです (^_^;

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2017年09月24日

『世界の艦船』 11月号 (通巻868号)


海人社さんから最新の 『世界の艦船』 11月号が届きました。 今月の特集は 『艦載ミサイルのすべて』 です。

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この中で、私も特集冒頭の記事を担当させていただきました。

『 艦載ミサイル発達史 』

ご承知の通り、一言で艦載ミサイルと言っても幾つもの色々な種別がありますし、また各国ごとの違いもあります。

編集部さんから頂きました6頁の紙幅にこれら全ての艦載ミサイルについて、今次大戦前後からの発達史を盛り込むことになりましたので結局あれもこれもとなってしまい、私自身ちょっと纏まりがつかなかったかな〜、っと (^_^;

とは言え、現用のものは各種別ごとそれぞれの方々が担当されましたので、何とかそれに繋がるようにはなっているのではと思います。

私としては元々の専門の一つですので現用のものの頁も書きたかったのですが、詳細について “知らない” (=言えない) とは言えませんし、公表されているデータを使用するのではそれを追認する形になりますので、と思いましたので、残念ながら諦めました (^_^;

それでもいつもどおり、読者の方々に興味を持っていただけるであろう内容や図などをいくつか入れております。

書店で見かけられた時には是非手にとってご覧下さい。


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2017年09月12日

軍艦利根資料館


今日は車でグルッと回って江田島へ。 「能美海上ロッジ」 (老朽化のため閉鎖済み) の脇にある 「軍艦利根資料館」 へ行ってきました。

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ご存じの通り、重巡 「利根」 は昭和20年7月になって空襲を避けるために呉から江田内の湾内、ここのすぐ目の前に避泊しましたが、そのすぐ直後に米軍機の攻撃を受け大破着底しました。

そして昭和40年にこの地に慰霊碑を建立、昭和62年に隣接して現在の資料館が建設されました。

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敷地は地権者の寄付により現在は市の土地となっておりますが、慰霊碑と資料館は保存会が所有しております。

現在資料館の入口は9時〜17時で開けてある時もありますが、閉まっていれば誰でもが隣の 「シーサイド温泉のうみ」 のフロントに預けてある鍵を借り出して入ることができるようになっています。 つまり資料館内は無人ということです。

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とは行っても、市役所のホームページにも掲載されているように、江田島の一つの見所(悪く言えば観光地)であり、しかも参観無料であることもあって年間それなりの方々が全国から訪れていることも事実です。


現在の資料館の実際の管理は元々が 「利根」 とは縁もゆかりも無い方がボランティアとして行ってくれています。 しかしながら、その方も既にご高齢でありかつ地元ではありません。 また保存会とは言っても現在となってはほとんど有名無実に近いかと。

「資料館」の建家と展示物の維持管理、それに慰霊碑のある利根公園も合わせた周囲の清掃や草刈り、などなど結構手間暇を要します。

もちろんこれらを市がやってくれるわけではありません。 全ては管理をしてくれている方を中心とするボランティアです。

これらのことがあって、慰霊碑はともかく、この 「資料館」 の今後の運営が大きな課題になっているところです。

で、今日は管理を任されている方を含めてその問題について少し話し合いの場を持ちました。 私も何かあればアドバイスをと言うことで声がかかりましたので、出かけた次第です。

幸いにして今日の話し合いの中で、江田島と広島市在住の若いお二人から今後運営と維持管理に積極的に関わっていきたいとの申し出がありました。 期待できるかもしれません。


う〜ん、でも管理者の高齢化に伴う後継のことはここだけでは無く全国に多数あり、それぞれに問題を抱えているんですよね。

私からすれば、それこそ こういう事にこそ公益財団法人 「水交会」 が積極的に関わっていくべき事柄では と思います。

会の設立目的の一つに高々 と 「慰霊顕彰」 を掲げ、しかも現在の理事長挨拶の中に

先の戦争での戦没者、海上自衛隊での殉職者の慰霊顕彰のために、靖国神社への月例参拝を実施すると共に、全国11の支部が中心となって海軍墓地や顕彰碑の清掃、各地で行われる慰霊祭等を主催・共催するなどの活動 を行っております。

と謳っているのですから。

靖国神社月例参拝や各地の慰霊祭など、水交会の名前が売れることばかりではなく、この 「軍艦利根資料館」 の維持運営に関するような地道なことも大切であり、それこそ 「水交会」 の本来あるべき活動の姿と思うのですが ・・・・


おまけです。

天候があまり良くありませんが、今朝の雲のかかった古鷹山と海自第1術科学校

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津久茂瀬戸と津久茂山

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2017年09月09日

加藤友三郎元帥研究会セミナー


昨夕は呉のクレイトンベイ・ホテルにて、私も賛同人の一人として加えていただいている 「加藤友三郎元帥研究会」 が主催するセミナーでした。

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今回はその分野でも活躍されている笹幸恵氏による 『遺骨帰還事業の現状と課題』 と題するお話でした。

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ご存じの通り、海外の戦地で亡くなられた日本兵の遺骨収集については、昨年 『戦没者の遺骨収集の推進に関する法律』 が施行され、やっと国家事業として始まりましたが、笹氏のお話はそれまでの民間ボランティアによる活動と法律施行後の現状についてです。

当事者ご本人のお話だけに、有意義で興味深い1時間半でした。

その後の懇親会でも笹氏と同じテーブルで隣どうしの席でしたので、色々お話ができまして大変楽しいひとときが持てました。

そして講演及び懇親会とも、なかなかの盛会であったと思います。

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このセミナー、一見すると “加藤友三郎とは関係ないのでは?” と思われる方もおられるかもしれませんが、昨年から始まったこの研究会、ともかくまずは多くの方々に知っていただくことと、横の繋がりを広げていくことは重要なことの一つでしょう。

今回の笹氏のお話のこともそうですが、この研究会も “人々の自発的な尽力” があって初めて成り立っていくものですから。
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2017年09月01日

8月31日付 『朝雲新聞』


私が昨年から担当させていただいている同紙での 『世界の新兵器』 コーナーの艦艇編の第4回目 です。

『 沿岸域戦闘艦 「インディペンデンス」 級 』

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前回ご紹介した 「フリーダム」 級と並行して現在米海軍が建造を進めている LCS で、現在5隻が就役、残り8隻が建造中または計画中です。

この LCS、構想は面白く、実際の2種のプロトタイプとも大変にユニークですが、新機軸盛り沢山だけに、いわゆる初期故障の問題であれこれ悩まされているようです。

また元々が戦闘艦艇としての汎用性・多様性を諦め、かつ省人化・自動化を強く打ち出しましたので、建造が進むにつれてあれもこれもで建造費はますます高騰してきました。

これに加えて LCS の基本構想からして結局数が揃わないと比較実証もままならないことは明らかですので、まだプロトタイプであるにも関わらず建造隻数と搭載するミッション・パッケージ数が増え、プロジェクト全体の予算も膨大になってきました。

このため米海軍内で元の計画にある次の本格的 LCS に進むよりは在来型に近い DDG や FFG の建造を求める声も強くなってきていますし、また既に全艦予備役にある FFG オリバー・ハザード・ペリー級の再就役の要求もあります。

そしてこの度の度重なる艦船事故はダメージ・コントロール (つまり乗員の数) の見直しにも影響してくるものと思われます。

さて、今後どうなるのか、米海軍艦艇の今後のあり方も含めて興味の尽きないところです。


ところで、同紙面で順調にいけば30DDとなるであろう海自の新護衛艦のイメージ図が掲載されましたが ・・・・ う〜ん。 なんかドイツの Meko 型とフランスの 「ラファイエット」 級を足して2で割ったような、あまり新鮮みのないスタイルで ・・・・

いずれにしても、海自は相変わらず同種艦艇について次第に排水量が増えて行き、ある時バサッと小型化しますが、また次第に大きくなる、これの繰り返しなのかも (^_^;

なお、『朝雲新聞』 といいますのはその筋ではよく知られているものですが、普通の一般紙とは少し性格が異なり、いわゆる “業界紙” ですので、一般の方々が目にされることはなかなか無いかと思いますが、機会がありましたら是非ご一読を。

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2017年08月14日

『世界の艦船』 9月号増刊


「海人社」 さんから見本誌が届きましたので、そろそろ書店に並ぶと思います。 『世界の艦船』 の9月号増刊は 「傑作軍艦アーカイブ C」 の 『米戦艦 「アイオワ」 級』 です。

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この中で私も次の記事を担当させていただきました。

「アイオワ級のメカニズム A 兵装」

本号は1984年に同誌の8月号増刊(通巻340号)『よみがえる戦艦 注目の米アイオワ級4隻を追って』のリニューアル版とも言えるものです。

しかしながら、この84年版では記事ページが少なかったこともあって兵装や機関など同級の性能要目などに関する内容はあまりありませんでした。

今回は船体、兵装、機関の3つの項目として、その詳細が述べられています。 また写真頁もほとんどが新しいものとなっております。 もしできれば84年版も入手されておくと、両方併せて貴重な写真集・資料集となるでしょう。


ただ、私の兵装の項も紙面10頁をいただきましたが、これでも竣工時から太平洋戦争時、戦後の近代化、退役までの全てを完全に網羅することは出来ませんので、太平洋戦争時までの本来の意味の 「戦艦」 としての時代をメインとさせていただきました。

とは言っても、砲熕兵装と射撃指揮装置との関連、いわゆる砲システムとしての機能についてや、CICなどについてはこの種の記事としては珍しいものと思います。

いつもどおり、初出の内容をふんだんに盛り込んでおりますので、読者の方々に興味を持っていただけるのではないかと (^_^)

いつも申し上げているように、艦艇の能力というものは単にカタログ・スペックとしての数値だけでは決して判断できるものではないというところを、この「アイオワ」級の兵装についても少しでもご理解いただければと思っています。


もちろん省略をせざるを得なかった内容も多分にありますので、それらについてはこの後本ブログで少しずつ補足していくつもりにしています。 こちらもお楽しみに。

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2017年08月13日

「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」 (続2)


前回、艦艇籍編入は命名・進水日、海軍工廠以外での建造の場合は竣工・接受日であることを説明しました。

さて、そこで問題となるのが 「同型艦」 ということです。

「〇〇型」 のタイプ・シップたる一番艦というのは、さて次のうちのどれで決まるのでしょうか?

   1.建造計画番号順
   2.艦艇類別等級表の記載順序
   3.艦艇籍編入日の順序
   4.竣工日の順序

一般的には同一年度に複数の同型艦を建造する場合、計画番号順に艦船名が決定され公布されます。 そしてこの順番に艦艇類別等級表に記載されます。

では、当該表の記載順序がそのまま同型艦の一番艦、二番艦ということになるのでしょうか?

ここで注意していただきたいのは、この 「〇〇型」 という類別が公式に規定されたのは 潜水艦が大正11年の 「潜水艦艦型呼称」 において、その他は 大正15年の艦艇類別等級表の全面改訂の時 で、それまでは旧海軍には公式の 「〇〇型」 という呼称は存在しなかったと言うことです。

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そしてこの大正15年の改訂時に、「〇〇型」 というのは基本的に艦艇籍編入日をもってその順序とした のです。 言われてみればごく当たり前のことではあります。


例えばよく言われる “「古鷹型」 か 「加古型」 か” ということです。

大正15年の艦艇類別等級表において 「古鷹」 「加古」 の2隻は 「古鷹型」 とされ、一番艦が 「古鷹」、二番艦が 「加古」 とされております。

つまり、両艦とも民間造船所で建造されましたので艦艇籍編入は竣工日であり、「古鷹」 が大正15年3月31日、「加古」 が同7月20日ですので、これがこの類別等級表上の公式な順序です。

これは 「高雄型」 についても同じです。 「高雄」 は横須賀工廠、「愛宕」 は呉工廠ですので艦艇籍編入は命名・進水日で、「高雄」 が昭和5年5月12日、「愛宕」 は同年6月16日です。 従って同型艦4隻は 「高雄型」 であり、一番艦が 「高雄」、二番艦が 「愛宕」 で全く問題はありません。

世間一般でよく言われる、

愛宕のほうが2ヶ月先に竣工していますので、愛宕クラスとも呼ばれます

というのは、何らの公的意味もなしません。

更には、「妙高型」 でも同じことで、二番艦の 「那智 」 の竣工が 「妙高」 より約8ヶ月早かったことから、確かに海軍部内でも通称 「那智型」 と呼ばれたことがありますが、艦艇籍編入は 「妙高」 が昭和2年4月16日、「那智」 が同年6月15日ですから、公式類別上の 「妙高型」、一番艦 「妙高」 で全く問題ありません。


要するに、竣工日の早い遅いは同型艦としての類別とは直接関係しない ということです。

もちろん同型艦を何型と呼ぼうともそれは自由ですが、それは公式のものとは別の “俗称” でのことですから、“「〇〇型」 あるいは 「××型」 とも呼ばれる” などと同列に論じられるような話では無いことに注意する必要があります。


ただし、これはあくまでも原則の話で、艦艇籍編入日以前に艦艇類別等級への登録がなされること、また大正15年以前の複雑な建造・類別の経緯などから、必ずしも全てが一致しているわけではありません。

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(前) : 「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」 (続)
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2017年08月12日

「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」 (続)


軍艦に限らず、どの様な船であってもその建造に伴う標記の3つの儀式・行事には古今東西それぞれ伝統や慣習があり、いずれも大事なものであることは間違いありません。 旧海軍においても明治初期に英海軍式を参考にし、これに日本独自の方式を加えて発展させました。

特に進水式については、それまでの建造物から実際に 「船」 となって海上に浮かぶということから盛大に行われてきました。

しかしながらこれらはあくまでも 「船」 という物体、言い換えるとハードウェアについてのものであり、「造船」 という世界での話になります。

しかしながら、海軍の艦船となると必然的に海軍という “組織” としてのことが関係してきます。 つまり海軍という国のお役所の一つとしての必須事項です。

これが 「艦船籍」 です。 この 「艦船籍」 に登録されて始めて海軍に所属する艦船 であるということになります。 このうちの軍艦及び水雷艇等が登録されたものが 艦艇籍 です。 これより、当該艦艇のいわゆる “後方” を担当することになる 本籍 と、どの様な階級・技能を持った乗員を何名乗せるかという 定員(表) が決定されます。

では海軍が新規建造又は既存艦艇を購入した場合に、これらはいつこの艦艇籍に入るのでしょうか?

「艦艇籍」 に関連する事項を定めたのが 『新造軍艦水雷艇ノ帝国艦艇籍ニ入ル時期等ノ件』 (官房機密1434号 大正3年10月30日) です。

Kansenseki_hennyu_01_s.JPG

http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/IJN_houki_main.html
http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/PDF/T031130_kansensekihennyu.pdf

これは当初明治36年に 「海総機密158号」 として定められたものを改訂し、かつ水雷艇に関する事項を追加したもので、大正6年に多少の改正を経て太平洋戦争期まで続きました。

要約すると、

 新造計画決定 (=予算成立) 後の工事着手の時期:
   1.艦艇名を決定し艦艇類別等級表中に加える
   2.本籍及び定員を仮定
 命名日(=進水日):
   1.本籍及び定員を確定
   2.帝国海軍艦艇籍に編入
 竣工・授受日:
   1.在役艦又は第一予備艦とする
   2.国内外の造船所で建造する場合及び既成の軍艦等を購入する場合は、
     艦艇籍編入、本籍及び定員の確定。

つまり、艦艇籍に登録され、かつ本籍と定員が確定すると言うことは海軍という “組織” にとっては最も重要なことになります。

したがって、標記の3つの儀式のうちでは 「命名・進水式」 が最も盛大であり、海軍工廠以外の造船所で建造する場合も儀式としてはこれに準ずることになります。

艦艇籍に入ると言うことは、その日より建造計画番号などではなく正式に 「軍艦〇〇」 などとなり、艤装員以外の乗員は 「軍艦〇〇乗組」 となります。

命名・進水式以降艤装工事が進むにつれて定員(表) に基づく乗員が順次発令となりますが、ただしその中には艤装員を兼ねる者もいますが、乗員=艤装員ではない ことには注意が必要です。

そして本籍及び定員(表) が確定することにより、以後当該艦の特務士官以下の補職人事、整備、補給などは全て所管の鎮守府の責務となります。

また世間一般では、例えば同型艦の呼称問題について、本来の二番艦が一番艦より先に竣工したから云々、などということが見られますが、いつ竣工したか、ではなく、いつ艦艇籍に入ったか が問題なのです。

「同型艦」 ということについてはこの後で。

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(前) : 「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」

(次) : 「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」 (続2)

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2017年08月09日

「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」


う〜ん、どうもキチンと理解されている人があまりおられないような ・・・・

艦艇建造における標記の 「起工式」 「命名・進水式」 及び 「竣工式」 の3つの儀式のうち、旧海軍としてどれが一番重要だったのでしょう。 そしてその理由は何でしょう。

ご来訪の皆さんはお判りになりますか?

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(次) : 「起工式」 「命名・進水式」 「竣工式」 (続)

posted by 桜と錨 at 12:16| Comment(3) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2017年07月26日

『世界の艦船』 9月号


『世界の艦船』 最新号の9月号 (通巻第865号) がそろそろ書店の店頭に並ぶころです。

SoW_No865_cover_s.jpg

9月号は第1特集が 「クライシス!北朝鮮」、第2特集が 「現代軍艦のダメージ・コントロール」 です。

まあ第1特集の方は私達が書くとちょっと、と言うところも出てきますので、これは物書きさん達にお任せするのが一番でしょう。

で、第2特集で現代の護衛艦におけるダメコンについて書かせていただきました。 編集部さんからいただいた題は、

「 応急部署発令! ある護衛艦の場合 」

ということで、護衛艦、というより海自艦艇では防火及び防水についてどんな訓練をし、また実際に発生した場合にはどの様な対応をするのか、についてです。

ハード・ウェアたる艦艇の構造や装備などについてはともかく、それらを運用する乗員についてはあまり述べられたものがありませんので、これはこれでちょっと珍しいかと。

そしてやはりこういうものは実際に携わったことのある者でなければと思います。 ただやはり4頁という紙幅では詳しくは書けませんのでほんのサワリ程度ではありますが (^_^;

当該拙稿を執筆中に奇しくも米艦 DDG-62 Fitzgerald とコンテナ船 ACX Crystal との衝突事故が発生しました。 衝突の原因や米艦被害の状況などの詳細は今後究明されていくでしょうが、米艦の船体水線下に大きな破口を生じたにもかかわらず乗員の対応よろしく沈没などは免れたことが報じられています。

この例でもダメコンにおいては如何に優れたハードウェアがあろうとも、結局はそれを活かす訓練された乗員がいなければということを如実に表しているでしょう。

拙稿は一般の読者の方々にも興味を持ってお読みいただけるのではないかと思っています。

posted by 桜と錨 at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと