ハウステンボスの “利用者視点の不在” は至るところにあります。
例えば、ホテル宿泊客の朝食。
朝食は、ホテル内レストランなどを含め園内には4か所食べられるところがあるとされています。 がしかし、それぞれでどんなメニューがあって料金はいくらなのか、全く判りません。
それ以外のレストランやカフェなどはほとんどが11時から、もう少し早い数店でも10時にしか開きません。
( つまり、朝9時開園と同時に入場した人達も朝食はどこかで済ませてくるか、それまで我慢するかしかないということです。 飲食物の持ち込みは禁止とされていますので。 )
そこで仕方がないので、最も手近な自分のホテル内のレストランに行くとします。 で、朝から2800円も出してバイキング方式の食事? そんなバカな、もっと手軽なところか、コンビニはないのか? と貧乏人の私なら思ってしまいます。
例えば、「ムーンライト・チケット」
17時以降の入場とはいっても、レストランも売店もほとんど終わって店じまいしているような状況で、本当にそのことを知った上で2000円も払って入場する人が果たしてどれだけいるのか?
ライトアップとは言いながら、それは園内のほんの一部で、残りは真っ暗。 あとは花火など僅かなアトラクションだけ。
一体これに何の入場価値があると考えているのでしょうか? この実態を知らずにこのチケットで入った人達はおそらく “だまされた” と思うのでは?

( 10分間の花火ショー 終わってみれば、あれっ、たったこれだけ? )
これは園内ホテルへの宿泊者にとっても同じ。 レストランでの夕食が終わったらさっさと部屋に戻って寝ろ、と言うのに等しいでしょう。

( 照明だけは点いてますが、人気の全くないメリーゴーラウンド ちょっと不気味かも )
また、通常のチケット利用者や園内ホテル宿泊者にしてみれば、朝9時からとは言いながら、その9時には何〜にも開いていない状態。 まだまだ出勤途中の従業員達が三々五々園内を歩いています。 これでまともな開園状態と考えているのでしょうか?

( 開園の9時ではお店などは全く開いていませんし、誰もいません )
あるいは、オランダの “街並みを再現” したテーマパークとは言いながら、人の生活感が全くなし。 その上、お客はいない、店なども開いていない。 ただ建物と花畑と水路があるだけ。
単なる映画の大規模セットと何処が違うというのでしょうか? いえ、映画村の方がまだましかもしれません、割り切れるだけに。
「営業時間は朝9時〜夜20時半、入場締切19時」 を謳っているなら、何故園内総ての施設がこの時間中キチンと開いていないのでしょうか?
「アミューズメント・ミュージアム施設・レストラン・ショップの営業時間は各施設ごとに異なりなります。 詳しくは一覧ページより営業時間をご確認ください。」
と断ってあるのだから、開いているかどうかは利用者側の自己責任で来て下さい、ですか? 本当にこれで人が呼べるとでも?
これらのことはほんの一例であり、総てのことがこの調子で、“利用者視点の不在” なのです。
ですから、せいぜい “話の種に一度” 見ればそれで充分だと感じてしまいます。 一体何が楽しみで再訪する気を起こさせると言うのでしょう?
もう一度言いますが、このことは今回2回目の廃業危機が如実にそれを示していると考えます。 決して不況だけが原因ではありません。
要するに、利用する側からすれば、単に暇とお金をもてあました者以外には用がない場所であり、テーマパークとしての存在意義と魅力がほとんど感じられない、ということです。
さて、この4月から経営を引き継ぐことになるHISさんが、果たしてどれだけ改善できるのか? 旅行会社だけに、その手腕に注目したいと思っています。
ところで今回の滞在では、2日目の24日 (水) は夜8時過ぎに仕事が終わりましたので、それから一旦宿に戻ったものの、夕食を食べるところは既にバカ高いレストランでも閉店間際の時間。 それ以外では総て閉店済み。
仕方なく、開いているバーで何か食べ物があるところを、と捜しました。 ここ ↓ は朝はレストランの一部ですが、昼はカフェ、夜はバーとなるところです。

( 当夜に写真を撮り忘れたので、翌朝出発前に )
夜9時頃で、バーとしてはいい時間でしたが、まさに貸し切り。 他に誰もいないというより、いた様子がありません。
まずは一日の労働に乾杯!
食べ物メニューはこれ ↓ 以外には、あとはピザかソテーが1種類ずつぐらいしか。

( 左 : ポークステーキ 右 : 牡蠣フライと野菜の天ぷら )
まあ、多分コックさんが何を好きこのんでこんな時間にこんなものを注文するのかと思いながら作った、と言うような味でした。 (しかも隣接のレストランは、元々がバイキング方式オンリーのところですから。) それでも何も食べないよりはマシかと。
ただしウェイターさんは大変親切で、しかもお客があったことが嬉しかったのか、あるいは私を可哀想に思ってくれたのか、生ジョッキ2杯目はサービスにしてくれました。 ありがとう。

( カフェバーの窓から見えるイルミネーション )
(続く)