2013年11月04日

モデル・アドバイザーの独り言 (32)

◎ 第22巻 「フッド」

第22巻は本シリーズ初の英国艦の巡洋戦艦 「フッド」 で、1940年の姿とされています。

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日本の艦船ファンにもよく知られ、かつ愛着を持つ人も多い艦であり、しかも英国出版社が出す初の英国艦であるだけに、今回の出来が注目された一つと言えます。

モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価は次のURLにUPされているとおりです。


私としても、1/1100スケールの本シリーズとして、その全体的な出来栄えは良いと思います。 これだけのものであるならば高い評価を与えてもよいでしょう。

逆に言うと、英国艦であるだけに良質な資料も豊富に揃っておりますので、モデル化としては非常に楽であったと考えられます。

例えば、日本で比較的楽に手に入るだけでも次の一般刊行物などがあり、その気になれば1/1100スケールのモデル化としてはこれらだけでも十分な内容と言えるものです。

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もちろん、艦橋構造物の各層平面を始めとする細部の形状、船体中部両舷各2個所の魚雷発射管口扉のモールド欠如、及び前部マストの設計製造・組立ミスなどなど、色々あって言い出すとキリがありませんが、まあ我慢できないほどのことではないでしょう。

ただし、モデル・アドバイザーの一人としては、次の点については指摘しておきたいと思います。

1.艦首側面形状がちょっと異なります。 また、左舷に副錨の錨孔がモールドされていますが、建造当初からこれはありませんので、目立ってしまうだけにこのミスは痛いです。

2.舵及びその取り付け部 (デッドウッド) の形状がかなり違います。

3.船体塗別線の黒色帯の位置が斜めになっており、前部側が少々高すぎます。 これによって船体全体の印象がかなり変わってしまっています。

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4.短艇の種類・形状などが異なります。 また、後部マスト両脇にある高角砲が何故か間違った位置 (前部側にずれている) に取り付けられています。

5.前後部マストの黒色部の塗り分けが違います。 モデルのものは改装前の1920年頃のものです。

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6.キールが艦底から異常に飛び出ています。 あまり目立つところではありませんが、フルハル・モデルとしてはこれも痛いミスです。

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これらについては、1/1100スケールのデフォルメ上の話しではありません。 明らかにモデル・デザイン上の問題です。

なぜ、この様になってしまったのか?  いずれも、例えば上記の資料などだけに基づいたとしても間違えることはないはずのものばかりですので、ちょっと首を傾げざるをえません。

全体の出来が良いだけに、何とも惜しまれるところです。

2013年10月20日

モデル・アドバイザーの独り言 (31)

◎ 第21巻 「扶桑」

第21巻はある意味本シリーズで最もその出来が注目されたものの一つではないでしょうか。 日本海軍の戦艦を象徴する檣楼構造である 「扶桑」 で、1944年の最終時の姿とされています。

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「扶桑」 「山城」 は高々と聳え立つこの前檣楼の特異な姿に、愛着がある人が多いですね。

そして、この前檣楼が上手くモデル化出来るかが多くの購読者の方々にも心配されておりましたが、最近の本シリーズの全体的な出来具合の向上もあって、かなり見栄えのするものになっていると思います。

これについては、モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価でも次のURLにUPされているとおりです。


今回は何とかおまみ氏とのコラボのタイミングが合いました (^_^)


さて、この1944年最終時の 「扶桑」 については、考証上参考になる写真などがほとんど残されておりませんが、幸いにして大改装後の公式図が残されており、そして何よりも世界的にその名を知られているヤヌス・シコルスキー氏の手になる素晴らしい図面集が出ております。

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     Yanusz Skulski 著 「Anatomy of the Ship : The Battleship Fuso」
     Conway Maritime Press Ltd. (1998/11/30)
     ISBN-13 : 978-0851776651

氏の著作は基本1/500スケールで、細部にわたる部分図まで全て揃っておりますので、1/1100スケールのモデル化であるならば、これ1冊で十分と言えます。

先の 「ビスマルク」 と同じく、モデル・デザイナーにとってはこの様な資料に基づけば更なる考証・チェックなどは省略するつもりならそれも可能ですから、この全体形状の出来は肯けるものといえます。

前檣楼及び後檣楼については、各層のバランスや形状など、また前檣楼背面の構造などに問題がありますが、1/1100スケールで材質や部品製造上のことを考えますと、まあ我慢できない範囲ではないでしょう。

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とは言っても、考証的におまみ氏からも色々ご指摘をいただいているように、問題点が残ってしまっていることもまた確かです。

ただアドバイザーの一人としては、これ以上細部を言い出すと様々ありましてキリがありませんので、今回はあれこれ申し上げるのは省略させていただきます。 購読者の方々には、何とかこのレベルまでは出来た、と言うことでご容赦を。

・・・・ それでも機銃の種類や機銃座など、何故間違えたままになるのでしょうかねえ。 シコルスキー氏の図面に基づいて、そのままデフォルメすれば問題は生じないはずなんですが。

結局のところ本シリーズの大きな問題点の一つは、通常ですと考証 → デフォルメの段階を踏むべきところを、中国のモデル・デザイナーさんは両方を一緒 (ゴッチャ) にしてやっているように思います。 それではダメですよ、と当初からアドバイスしてきているところですが、なかなか改善の方向には向かっていないようです。

・・・・ でも、この 「扶桑」 もこれでも当初のモデル・デザインからすると、随分良くなったんですよ (^_^;


さて、次は本シリーズ外国艦の3番目、初の英国艦で 「フッド」 です。 流石に英国メーカーとしては自国の艦船について資料が集まらなかったとは言えないでしょうから、どのようなものになるか楽しみです。

2013年10月06日

モデル・アドバイザーの独り言 (30)

◎ 第20巻 「最上」

シリーズも遂に20台に乗りました。 第20巻は航空巡洋艦に改装されたあとの 「最上」 で、1944年の姿とされています。

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同じく航空戦艦に改装された 「伊勢」 型と共に、この特異な姿に愛着がある人が多いですね。

この 「最上」 の1/1100スケール・モデルとしての全体的な見栄え、即ち組立や塗装などについては、本シリーズの最近の傾向を受け継いでなかなか良く出来ていると思います。

これについては、モニターをされているHN 「おまみ」 氏が次のURLにUPされているとおりです。


この点については、イーグルモス社のこれまでの改善努力を高く評価しても良いでしょう。

しかしながらその反面、考証及び造形という点からはかなりの問題があります。 それはおまみ氏も色々指摘されているところでもあります。

つまり、本連載の前々回、前回の記事において

全体の見かけが向上してきている反面、どうも考証面が疎かになりつつあるようで気になる

と申し上げてきたものが現実となっている、ということです。

本連載の冒頭からお断りしてきたように、私は本シリーズ各巻のモデル・プラン及びごく初期のモデル・デザインについて考証面でのアドバイスをしてきておりますが、その段階以降については全く関与しておりません。 と言うより関与させて貰っていません。

したがって、私のアドバイスの結果がどのように取り入れられたモデルになったのかは、送られてきた製品版を見て初めて知るところとなります。

その観点から申し上げるならば、今回の 「最上」 はアドバイスした事項のうち2つ以外は “全く” 取り入れられていません。 したがって、モデル・アドバイザーの立場からは、考証面についての細部についてはちょっと、と言わざるを得ません。

その取り入れられた2点は、次のものです。

1.飛行作業甲板中部両舷の機銃座の位置と形状
2.2番主砲砲身の繋止位置 (仰角)

そして、図面や写真などを示してアドバイスしたにも拘わらず取り入れられなかった主要事項は、次のものです。

1.高角砲の形状

主要装備品の形状については当初から申し上げてきていますが、本モデルについてもこの高角砲の形状は全くいただけません。

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2.前後部マストの形状

これも直っていませんし、何よりも私の手元に届いたモデルでは両マストとも間違って取り付けられていたり、傾いたりしています (^_^;

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3.艦橋の形状

窓枠の表現はともかくとして、艦橋前面及び射撃指揮装置の形状などを始めとして、初期デザインのまま修正されませんでした。

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4.飛行作業甲板後端の機銃座の形状と機銃の種類

ここの部分については公式図も写真も残されていませんが、最近の考証とは飛行作業甲板及び機銃座の形状が異なります。 改造前の状態からするならどう考えても物理的にモデルのような形状にはならないでしょう。 それにここはモデルのような連装機銃ではなく、3連装機銃であったとされています。

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5.船体中部のビルジ・キール以下の船底形状

台座のままで普通に飾るならばほとんど見えない (気付かない) ところですが、実艦とは全く異なります。 イーグルモス社には公式図を渡してありますので、指摘については一目で理解できるはずなのですが ・・・・

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その他、艦橋構造物両脇の機銃座の形状、舵の取り付け角度、主砲塔形状、13号電探の位置と数などなど、です。

そして何よりも、設定年代と合っていないことは大きな問題点です。

1.機銃の配置、数、種類

飛行作業甲板後端に3連装機銃2基が増設されたのは44年10月のこととされていますが、この時の状態とすると、同時に前甲板及び飛行作業甲板に単装機銃も増設されておりますので、これが表現されていません。

それどころか、何故か2番主砲塔両脇に連装機銃各1基が表現されていますが、ここにこれが装備されたことはありません。 これも指摘したのですが ・・・・

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2.舷窓

下甲板の舷窓は戦訓対策として既に全て塞がれているにもかかわらず、黒点の塗装がなされていますし、中甲板及び上甲板上の舷窓の位置、数も全然合っていません。

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なぜアドバイスに従って修正してくれないのでしょうねえ。 公式図も含めた図面類や写真などを示して、ここの形はこう、あそこはこう、と考証資料を出しているのに、です。

要するに、中国メーカーのデザイナーさんがアドバイザーの考証資料を無視して自分の考えによって勝手に作っている一方で、発注主としてのイーグルモス社が中国メーカーに任せっきりでチェックをしていない、ということなのかと。

それが証拠に、おまみ氏からも指摘があったように、折角艦橋窓枠などを表現するようになったにもかかわらず今回はそれがなされていない、あるいは発射管まで表現されていた 「青葉」 はともかくとして、「鳥海」 などと比べても手抜きの感が否めないモールド、等々にそれが現れているわけで。

なぜ考証資料に基づかないのでしょう? なぜシリーズ各モデルで統一した表現法にしないのでしょう? これは発注主であるイーグルモス社側がメーカーに指示・指導すべき事項です。

本 「軍艦コレクション」 シリーズは、統一スケールにより沢山のモデルを並べてみることに主眼があるのですから、折角個々の見栄えが良くなってきただけに大変残念なことと思います。

それは 「1/1100スケール上のデフォルメだから」、あるいは 「コスト的に無理」 で逃げられる性質、性格のものではありません。

考証を重視することは本シリーズを予定の80巻まで継続していく上で大切なことと考えますが、イーグルモス社さん、どうでしょうか?

2013年09月22日

モデル・アドバイザーの独り言 (29)

◎ 第19巻 「エンタープライズ」

シリーズ第19巻は第16巻 「ビスマルク」 に続き外国軍艦2隻目、米海軍の空母 「エンタープライズ」 で、1942年の設定とされています。

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モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


この 「エンタープライズ」 もその見栄えはかなり高い評価をされていますが ・・・・

確かに空母としての顔である飛行甲板のモールドやマーキングを含めた塗装の出来はこのスケールとしては 「ビスマルク」 に続いてかなりのものと言えます。

しかしながら、前回 「香取」 での記事で 「全体の見かけが向上してきている反面、どうも考証面が疎かになりつつあるようで気になる」 と申し上げましたが、どうもそれが早くも現実のものとなって来ているような気がします。

本シリーズでは、私は日本艦についてはアドバイザーの一人として考証面でのお手伝いをしておりますが、外国艦については全くのノータッチです。

したがって、モデル・プラン、モデル・デザインも含めて、この商品版で初めてその姿を見ております。 イーグルモス社には申し訳ありませんが、少々辛口のコメントを。


ご存じのとおり、この 「エンタープライズ」 は有名な割には良い資料があまり無く、モデル化には考証面で苦労する艦の一つではないでしょうか。

結局このことが第16巻 「ビスマルク」 のモデルとの大きな差に繋がっているように思います。 早い話しが、「ビスマルク」 では公式図はもちろんのこと、そのままモデル化できるようにデフォルメされたスケール図も出ており、それをそのまま1/1100でも活用することが出来ます。

その一方でこの 「エンタープライズ」 はこの艦自体の公式図さえ出ておらず、しかもこの年代設定の写真も十分とは言えません。

このためなのか、このところの本シリーズとして見栄えはよくなってきているのとは反対に、考証的なディティールとしてはかなり問題のあるモデルになってしまっています。

まず最大の問題となるのが船体です。 「エンタープライズ」 そのものの公式図は出ておりませんが、1番艦の 「ヨークタウン」 はあります。 なぜこれを元にしなかったのでしょう?

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( 「ヨークタウン」 新造時の公式図 )

まず艦首形状がかなり違います。 側面ラインはもちろんのこと、ここは軽いバルバスバウ状になっていますが、それが表現されていません。

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そして船体後部、特に艦尾の側面ラインもかなり違います。

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その他沢山あります。 主要なものでは、

1.艦橋構造物 (アイランド)、特にその前面の形状が違います。 モデルは1943年のアイランド改装後のものです。

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( 左: 1942年5月撮影の改装前   右:1943年撮影の改装後 )

まあ、射撃指揮装置がMk33なのかMk37なのかは、このスケールで正確に表現することは難しいでしょうから我慢できるところですが (^_^;

2.船体の舷窓は既に42年5月の写真でも中部の一部を除き全て廃止されています。 また、この時既に消磁電路が設けられておりますが、これが表現されていません。 加えて、特徴ある航空燃料移送パイプも表現されていません。

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3.飛行甲板のマーキングが違います。 モデルのものは44年以降の写真で確認できるものですが、43年までは古いままです。

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( 1942年11月撮影の飛行甲板 )

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( 同上の中央部の拡大 )

もっとも、モデルはその44年以降のものとも少し違います。 センターラインの白線は中央部にはありませんし、飛行甲板前後には艦番号の 「6」 が暗灰色で大きく画かれております。

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( 1944年8月撮影の飛行甲板のマーキング )

4.カタパルトが違います。 モデルのように艦首尾線に対してやや内向きに装備されたH2−1に改装されたのは43年11月であり、それまでは艦首尾線に平行のHUです。 そしてこのカタパルト部分が白色に塗られたことはありません。

また右舷前部にある前部離発着管制所 (Forward Signal Platform) の形状も正しくありません。

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( 左は1942年5月の旧カタパルト時代、右は1945年の新カタパルトの装備状態 )

その他、細かいところを挙げればキリがありません。 船体形状の問題を除いても、このモデルは設定の1942年の状態ではなく、極めて中途半端なものと言えます。

航空機については、その置かれた位置やマーキングも含めて、まあ “おまけ” と考えた方がよいかと思いますが ・・・・ (^_^;


結論的には、ここにイーグルモス社における現在の本シリーズの開発体制に問題があると言えるでしょう。

日本艦のアドバイザーの立場から言わせていただくなら、この 「エンタープライズ」 についてもおそらく担当のアドバイザーはキチンと考証資料を出しているのではないかと思います。

しかしながら、イーグルモス社はこれらの資料をそのまま中国メーカーに投げて、モデル・デザインも全て任せっきりにしているように見えます。

つまり、イーグルモス社としては、設定年代とその考証に基づき1/1100にデフォルメした原型用図面と詳細な塗装指示を仕様書として作成し、これにより中国メーカーにモデル製作の指示をしているのではない、ということです。

そしてその中国メーカーのモデル・デザイナーは、アドバイザーの考証に従うことなく、イーグルモス社から与えられた資料により、自分の考えで1/1100のモデル原型起こしをしていると考えられます。

ですから一例を挙げれば、今回の 「エンタープライズ」 にしても、アイランド前後の通称「シカゴ・ピアノ」と言われる4連装機銃についてはそれなりの形状はしているものの、舷側の高角砲や機銃はまるで “棒きれ” が並んでいるようです。

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イーグルモス社としてキチンと指示なりチェックをしていれば、おそらくこのようにはならないのではないでしょうか。

これは単にコストだけの問題ではないと考えるのですが ・・・・ 本シリーズは塗装や組立が良くなって見栄えのするものになってきただけに、逆にこの考証面については非常に残念に思うところです。

2013年09月16日

モデル・アドバイザーの独り言 (28)

◎ 第18巻 「香取」

シリーズ第18巻は日本海軍の練習巡洋艦たる軽巡 「香取」 です。

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モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


このモデルもかなり高い評価をされていますが ・・・・

確かに組立及び塗装という面については、本シリーズの最近のレベルは初期のものに比べるとかなり良くなってきていると言えます。

そして、前巻の 「妙高」 から実現した艦橋の窓枠表現も、拡大写真で見てしまうとちょっとアラが目立ちますが、1/1100という実物ではそれなりと言え、艦船モデルとしての雰囲気を良くしています。

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ただし、全体的な各部品の合いや細かな塗り分けなどは、まだまだ改善の余地があるといえるでしょう。

それよりも何よりも、私としては、全体の見かけが向上してきている反面、どうも考証面が疎かになりつつあるようで気になるところです。

設定年代では 「香取」 は水偵を搭載したことはありませんが、まあそれはモデルとしての見栄えと言うことで、ある意味許容範囲なのですが ・・・・

これは前からも言ってきているところですが、今回も主砲、高角砲、機銃、探照燈、魚雷発射管などの主要装備品の形状については、ちょっと、と言うところです。

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そして、前部マストは黒に塗ってしまう、ループアンテナは違った位置に付いている、練習艦としての顔でもある礼砲は表現されていない、etc.etc.・・・・

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このモデルについても、いつも申し上げていますように私はアドバイザーの一人としてモデル・デザインの初期までは関わりましたが、最終的なデザインも、モデルも、この販売版で初めて見ております。

そのアドバイザーの一人としては、写真や図面を示して、ここはこうなっているよ、ここの形状はこうだよ、とアドバイスしてきたものは一体なんだったのか、という感じがしております。


そして、これはおまみ氏も指摘していることですが、このサイズで価格はこれまでの戦艦や空母と同じということに、何かしら割り切れないものを感じておられる購読者の方々もおられるのではないかと思います。

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それでも定期購読者の方々は、シリーズ全巻揃いでの一律分割価格と思えばある程度は納得されるかもしれませんが、自分の好きな艦を選んでの単巻購入の方々には特にそうではないでしょうか。

シリーズではこれからもこのサイズなどのものが出てきますが、単にモデルの出来具合が向上しただけではなく、何某かの更なる付加価値、あるいは他の工夫が必要になってくるのでは、と思いますね。

2013年08月28日

モデル・アドバイザーの独り言 (27)

◎ 第17巻 「妙高」

シリーズ第17巻は日本海軍の重巡洋艦3隻目の 「妙高」 です。

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モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


う〜ん、これも前回の 「ビスマルク」 に続き、細かい点を除けばほぼ手放しの評価に近いですが ・・・・

このモデルについても、いつも申し上げていますように私はアドバイザーの一人としてモデル・デザインの初期までは関わりましたが、最終的なデザインも、モデルも、この製品版で初めて見ております。

全体的な出来栄えはおまみ氏からも評価いただいているように、このスケールとしては良好であると言えるでしょう。 実は、前回の 「ビスマルク」 が良かっただけにちょっと心配しておりましたが (^_^;

特に、艦橋の窓枠については第12巻 「日向」 でお話ししましたように、この「妙高」でやっと実現しました。 ちょっと形状の細部はおかしいですが、まあそこはこのスケールでは取り敢えずこの程度かと。

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全体の造形、組立・塗装なら、このスケールとしてはまず合格点と言えるでしょう。

とは言え、このレベルになって本シリーズはやっと本来の “スタート点” に立ったと言えるでしょう。 そして、イーグルモス社としてここからが本シリーズの踏ん張り点であると思います。


ところで内輪話ですが、実はこのモデル、当初の企画段階では1945年設定でした。 そうです、シンガポールで終戦を迎えたあの迷彩姿です。

しかしながら、終戦時は艦尾が失われていたことと、肝心な左舷の迷彩パターンが不明なことから1944年後半の設定に変更になったものと思います。

( 1945年設定では無理があるよ、とアドバイスはしましたが、実際の1944年への変更決定は聞いておりませんで、その後の状況も知りませんでした。)

この設定の途中変更の影響か、何故か機銃の増設など一部はこの当初デザインの1945年設定のままで残ってしまっていますので、考証的にはちょっと中途半端なものになってしまっていることは残念です。

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さて、細部ですが、おまみ氏の指摘があった前部の錨甲板や飛行作業甲板などはそのとおりです。

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問題はイーグルモス社側からメーカーに対して細かな塗装指示がなされておらず、メーカー側でイーグルモス社から渡された一般出版物などのイラスト図を元に独自の判断でやっているからです。

この問題点はシリーズ当初からイーグルモス社に指摘していますが、いまだに改善されないことの一つです。

また、高角砲や探照燈などの装備品の形状についてはいまだに不充分です。 特に高角砲などは目立つだけに度々指摘し、図面や写真も渡してきたところですが ・・・・


ただ、おまみ氏から指摘をいただいた塗装については、元船乗りとして、またモデルアドバイザーの一人として少し申し上げておきたいと思います。

まず、艦体全体の灰色塗装ですが、シリーズを通して日本艦はもう少し暗い色で統一して、とのご意見ですが、これは現実と異なるものとなりますので、私としては同意できません。

実艦で全艦同じ色であるなどはあり得ないことで、暗い明るいは、その時、その艦で様々です。

コレクションだから同じ色でないと、というのは単なるモデラーさんの好みの問題であり、実態を表していない不自然なものとなりますので、反って初心者の方々に誤解を与える元になる可能性があると思います。

( 実際のところ、ベテラン・モデラーさんやライターさんなどが、呉海軍工廠はこの色、横須賀はこの色で、それに沿って塗らなければ、などと言い始めたことが原因ではないかと思っていますが ・・・・ ?)

もっとも、実情はイーグルモス社としてもメーカーとしても、特に色調について考えている訳ではなく、単に入手できた一般出版物のイラストなどに合わせているだけのことなのですが (^_^;

次ぎに錨甲板ですが、錨鎖は黒色、他の艤装品・付属品類は灰色が正規です。 ただし、錨鎖だけが黒色ですと日常の保存手入れで非常に不便ですし、見かけもあまり良くない (特に中型艦艇以下は)、工廠での修理・総塗装の後など以外では錨鎖も灰色に塗っていた場合が多いです。

まあ、この錨甲板以外に細部の塗り分けが不良・不充分で中途半端なところが沢山あるのですが ・・・・

ただ、中部甲板両舷に置かれた短艇ですが、何故最近のモデルで1組だけが合戦準備状態なのかという疑問がありますのでイーグルモス社には指摘してきているところですが、修正されません。 これは他の日本艦モデルでも同じです。

しかも設定年代当時は既にここには機銃が増設されており、短艇を置くスペースはありませんしダビットも撤去されていますが ・・・・ まあ白色ですから確かに全体からするアクセントにはなる、というところなのでしょう ・・・・ ?


とは言っても、本シリーズの出来栄え、やっと本来のあるべき姿になってきました。 これは喜ばしいことであり、購読者の方々にとっては投資に見合うだけのものが手に入る状況になりました。

イーグルモス社には引き続きレベルの維持と、更なる改善努力を期待するところです。

2013年08月14日

HN 「おまみ」 氏のディティール・アップ

「世界の軍艦コレクション」 のモニターをされているHN 「おまみ」 氏の手になる本シリーズのディティール・アップご紹介の続きです。

氏が今回公開されたのは第6巻の 「伊勢」 ですが、ちょっと遅くなりましたがその前の第11巻 「鳥海」 も併せてご紹介します。


◎ 「鳥海」

ディティール・アップ完成後の姿の詳細についてはサイトの方に大きなサイズの画像で公開されています。


UPの写真ではあまり感じられないかもしれませんが、1/1100スケールで全長僅か18cmのモデルであることを考えるならば、これを実際にご覧いただくと凄い出来であることはお判りいただけるかと。

特にこの型の顔である大型艦橋構造物は非常に目立つだけに、各層の窓枠を表現するとグッと引き締まって見えますね。

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そして、ディティール・アップ工作とそのテクニックについてはブログの方で公開されています。


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工具や材料まで含めた丁寧な解説は、モデラーさん、特に初心者の方々には参考になるものと思います。


◎ 「伊勢」

この「伊勢」についても、ディティール・アップ完成後の姿の詳細についてはサイトの方で公開されています。


搭載機も含めて各所に手が入れられており、特に後部飛行作業甲板のコンクリートの表現は力が入っていますね。

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コンクリート甲板表面の色は私的にはちょっと明るすぎるかと感じますが、おまみ氏自身がコンクリートと甲鈑部分との違いを出すためといっておられますので、それはそれでよろしいかと思います。

そして、ディティール・アップ工作とそのテクニックについてはブログの方で。


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この「伊勢」についてもそのディティール・アップについて丁寧に解説されています。 木甲板の表現方法など、なかなかいいですよね。

是非皆さんも一度お尋ね下さい。 1/1100スケールの製品版がここまで変わるのかと実感されると思います。


ただ、元船乗りの私として1つだけ注文を。

残念ながら 「鳥海」 も 「伊勢」 も合戦準備時の軍艦旗の掲揚位置 (方法) が違っています。 合戦準備時には軍艦旗は “後檣ガフ (斜桁)” に掲揚されることになっています。 

両艦ともこの後檣ガフの位置と形状が明確に判る写真が残されていませんが (元々が非常に細いものですので)、とは言ってもこの位置に軍艦旗が掲揚された写真では、残念ながら少なくともおまみ氏が表現されたものではありません。

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「鳥海」 の場合は下左のイラストのようなガフであったとされ、下右の昭和17年トラックでとされる写真に微かに写っています。

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また 「伊勢」 では赤丸の位置です。

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ただし 「伊勢」 の場合は、改装後の後部マストにガフを取り付ける場所が残されていなかったようで、“花魁の簪” 下の支柱部に揚旗線の滑車を取り付けてガフに代用しているようです。

もちろん、軍艦旗が掲揚されるのは艦尾旗竿であろうとガフであろうと、また戦闘旗として大檣頭に掲揚する場合でも、いずれも上まで一杯に揚げられ、半旗のような状態になることはありません。

まあ、このスケールのサイズでそこまで拘るかどうかは別の話ではありますが。

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(注) : おまみ氏のディティール・アップ画像の引用・掲載については、氏から承諾を得ております。

2013年08月12日

モデル・アドバイザーの独り言 (26)

◎ 第16巻 「ビスマルク」

シリーズ第16巻はドイツ海軍の戦艦 「ビスマルク」 です。 本シリーズ初の外国艦で、1941年最終時の迷彩が施された姿。

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モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


う〜ん、細かい点を除けばほぼ手放しの評価に近いですが ・・・・

私は日本艦についてはアドバイザーの一人として協力していますが、外国艦については全くのノータッチですので、今回については “第三者” として書かせていただきます。

モデルを見た時の第一印象は “なかなか良い” “これまでのシリーズの中では一番” ということです。 これは購読者の方々も同じ感想であると思います。 でも果たしてちゃんと見ると、どうなんでしょう?

まず、モデルの全体的な形状についてです。

確かにおまみ氏も評価されているように、本シリーズで初の外国艦であり、欧米においても抜群の人気がある艦ですので、イーグルモス社としても、そしてモデルデザイナーとしても力が入っている、と見ることもできるでしょう。

しかしながら、逆に言えば公式図面や写真を初めとして豊富な史料が揃っていることも考えなければなりません。

例えば、「Anatomy of the Ship」 シリーズの 「The Battleship BISMARCK」 ではそのままスケールモデル製作に使える1/500の詳細な図面類が掲載されています。

その他にも日本においても比較的簡単に手に入る 「Warship Profile」 や 「AJ-Press」 のシリーズ中のものなど、良質な資料が豊富に出ています。

これは日本艦に比べれば羨ましい限りで、モデル・デザイナーさんは楽だったろうな〜、っと (^_^)

そしてこれまでの日本艦に比べると、細かさ (精密さとはいいません) の点では1段も2段も上であるといえるでしょう。

もちろん、おまみ氏の指摘にあった艦首錨やカタパルト、加えて左艦尾錨の欠落やや高角砲の形状など、詳細を揚げればキリがないほどの問題点もあります。 が、しかしながら、これらは全体の出来の中に隠れてしまっていることも確かです。

次は部品の出来と組立についてです。

上記の造形の細かさは向上したものの、各部品の合いはやはり今までどおり残っています。 このため、各部に段差や隙間が出来ていますし、 特に船体と上甲板の接合部は前部〜中部にかけて顕著です。

組立も最近の本シリーズ並みに良くなって来ていますが、やはり個体差の問題も大きいようです。

私の手元にあるものでは、前部艦橋構造物の各層が左に大きく傾いており、しかもグラグラしているのではなくガチッと接着されています。 これはちょっと、と思いますね。

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また、中部左右両舷にある大型デリック・クレーンの内、左舷のものが欠落しています。

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ブリスターの中に落ちていませんでしたので、これは輸送上の問題ではなく、初めから無かったものであり、この様な大きくかつ目立つ部品の欠落がある製品が素通りするということは、検品・出荷検査体制の不備がいまだ直っていないことを示しています。

そして最後に塗装についてです。

これまでの日本艦と比べると極めて多くの塗り分け (精密なとはいいません) がなされており、これがこのモデルの出来の良さという点で大きなプラスになっています。

特に、01甲板や前部艦橋構造物の各フロアーの塗り分けなどは今までに無かったもので、しかもこれらは各部品を組み立てる前に塗装しておかなければならないものです。

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そして何と言っても、舷側の迷彩塗装や上甲板前後のハーケンクロイツ (これが表現されていること自体が驚きですが)、艦載機のマーキングなどはこのスケールとしては秀逸といえるでしょう。

ただし、その他の塗り分け、例えば上甲板以上の甲板と構造物の塗り分けや艦載艇の塗装などはこれまでのものとレベル的には変わらないことには注意すべきでしょう。

以上を総合するに、確かに本モデルは今までの日本艦よりかなり出来がよく見えるものとなっています。 本シリーズとしては今までの中で一番でしょう。

その理由は、造形の細部や塗り分けの多さ (繰り返しますが精密なではありません) について、モデル企画の段階で良質な資料が豊富に入手できたことにより、それをそのままモデルデザイナーとメーカーに示すことができた結果である、と言えるでしょう。

その証拠に、細部の問題点はこれまでのものと同じで、このモデルになって特段改善されたわけではないからです。

要するに、イーグルモス社として細部まで仕様をしっかりと示せば、モデルデザイナーもメーカーもここまでは応じられるだけの力はあるということであり、そして製品完成段階の検品・出荷検査においてキチンとした体制を確立すれば、ということです。

さて、日本艦のモデルアドバイザーの一人としても、次巻以降の出来がどうなるのか、楽しみになってきました。

ところで、この迷彩及び上甲板以上の塗り分けと色は、これで正しいのでしょうか? 少なくとも私が持っている上記資料などでは、このモデルの塗装に合致するものはありませんが ・・・・ ?

2013年08月01日

モデル・アドバイザーの独り言 (25)

◎ 第15巻 「青葉」

シリーズ第15巻は 「青葉」 です。 1944年後半期の姿。 

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なお、設定年代における増設機銃の位置及び数などについては、考証的に確定していないところがありますので、この点についてのモデルの状態はイーグルモス社としての選択及び判断とお考え下さい。

モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


全体的な評価については私もほぼ同意できるところです。 特におまみ氏も指摘されているように、このスケールで魚雷発射管まで表現し得たことは評価できる点でしょう。 まあ、「艦これ」 コラボというのは ・・・・ (^_^;

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そしてやはり申し上げておかなければならないことは、第12巻 「日向」 からの繰り返しになりますが、この 「青葉」 についても私がアドバイスが可能であったのはモデル・デザインの初期までです。

したがって、モデル・デザインの最終的な状態も、モデル原型も、組立・塗装済みのテストショットも全く関係しておりませんで、この製品版を見てその出来を始めて確認している次第です。

そして私的には、この 「青葉」 モデルについては前回の 「翔鶴」 以上に色々各所に問題点がありまして、特にモデル・デザイン初期段階にアドバイスした点はそのほとんどが入れられておりません。 特に不満な点は次の写真でお示ししますが、一つ一つについてのご説明は省略いたします。

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モデル全体の出来の向上と引換に、このところ細部の考証面での不足、というよりそれを無視・軽視したと思われる点が多々出てきていることは、今後のシリーズを考えると危惧されるところです。

そして、搭載機を初めとする細部塗装や、また主錨を初めとする色々な艤装品の形状などについては少々雑です。 いかに1/1100スケールとはいいながら、本シリーズ最近の傾向となっており、ちょっと手抜きと言われても仕方がないでしょう。 スケール的に精密度には大きな限界がありますので、その分この点には力を入れるべきと考えるところです。

しかしながら、本シリーズ冒頭から私も口を酸っぱくして繰り返し指摘し、また多くの購読者の方々から酷評を浴びました組立及び塗装に付きましては、ここ最近のモデルでは相当に改善されてきており、やっと当初の目的及びポリシーをほぼ満足できるレベルになりつつあることは、イーグルモス社の改善努力を評価するべきでしょう。

今回のように、これまでの戦艦や空母とことなりサイズ的に少々小さいため、一定価格に割高感が出るところですが、本モデルレベルであるならば多くの方々にご納得いただけるのではないかと思います。

それだけに、上記のように、考証についてやや手抜きと考えられる少々雑な点が見られるようになった点は、イーグルモス社としても大きな要注意点と考えます。

2013年07月29日

モデル・アドバイザーの独り言 (24)

◎ 第14巻 「翔鶴」

すっかり遅くなってしまいましたが、シリーズ第14巻の 「翔鶴」 です。 1942年の南太平洋海戦時の姿。 

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モデルの設定時期の選定については、「赤城」 がミッドウェー海戦時の通称 「ミートボール」 が画かれた姿であったことと、イーグルモス社側から電探装備時期の要望がありましたが、あまり遅い時期になると今度は 「瑞鶴」 との問題が出てきますので、この設定になりました。

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モニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価などは次のURLにUPされています。


全体的な評価については私もほぼ同意できるところですが、船体外舷色 (灰色) については既に申し上げているとおり、日本艦だからもっと暗い色でなければ、という意見には元船乗りとしては違う意見を持っております。 もちろんそれでも多少明るすぎることは思いますが。

また、今回から艦載機が付属部品となっているところですが、これについては意見の分かれるとことでしょう。 自分で好きなように並べられる反面、接着しないと紛失しやすいですし、折角別部品とするならもっと精密にという人や数が少ないという人もおられるでしょう。 まあ、これをイーグルモス社としてのシリーズ改善努力における試行の一つという目で見て下さい。

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そして申し上げておかなければならないことは、第12巻 「日向」 からのことですが、この 「翔鶴」 についても私がアドバイスが可能であったのはモデル・デザインの初期までです。

したがって、モデル・デザインの最終的な状態も、モデル原型も、組立・塗装済みのテストショットも全く関係しておりませんで、この製品版を見てその出来を始めて確認している次第です。

その点を踏まえて、私としてのこの 「翔鶴」 モデルについての主たる問題点は、次のとおりです。

     1.艦首形状が違う。
     2.飛行甲板がやや波打っている。
     3.全体の造形がやや雑。
     4.舷窓などの塗装が雑すぎる。
     5.飛行甲板の塗り分けが全く不充分。

1.については最初のモデル・デザインの段階で形状が違うよと、船体線図や公式図面、イラスト、大型模型の参考写真などを示して指摘したのですが、バルバスバウは表現されたものの、側面形状が違ったものとなってしまっています。

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いつどの段階で、誰がこのようにしてしまったのか判りませんが、何のための私のアドバイスだったのかと思っています。

2.は個々の出来の問題かもしれませんが、少なくとも私のものでは飛行甲板の船体への装着不良で、横から見ると全体がやや波打っています。

3.については、精密度というより形状などの造形がやや雑すぎるといえるでしょう。 これが購読者からの “シンプル過ぎる” という評価に繋がっているといえます。

4.はシリーズの最近の傾向となっており、手抜き、改悪と言われても仕方がないでしょう。

5.については、飛行甲板は空母の顔でもありますので、細部をキチンと塗り分ける必要がありますが、クラッシュ・バリアーや甲板の伸縮継ぎ手部を初めとして、これもちょっと手抜きと言わざるをえません。

このシリーズは、購読者の皆さんから酷評を浴びた初期のものから、折角改善努力を続けて組立や塗装などが改善されてきており、最近のものになってやっと当初の目的及びポリシーをほぼ満足できるレベルになりつつあっただけに、この3.〜5.の問題はイーグルモス社としても大きな要注意点と考えます。

2013年07月10日

モデル・アドバイザーの独り言 (23)

◎ 第13巻 「陸奥」

バタバタしておりましてちょっと遅くなりましたが、シリーズ第13巻の 「陸奥」 です。 1923年 (大正12年) に屈曲煙突とされた時の姿。 

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第3巻の 「長門」 は1944年の姿でしたので、本シリーズのコンセプトに従い、この 「陸奥」 は戦前に日本国民に最も親しまれたこの姿を選定しました。

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そして、この 「世界の軍艦コレクション」 シリーズはこの第13巻をもって先行していた静岡版の発売に全国版が追いついて1本化されました。 これからは全国版一つのみとなります。


さて、モニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


ただ、おまみ氏の 「戦闘艦橋のウィング」 というのがどこを指すのか判りませんが ・・・・ そもそもこの当時はまだ 「戦闘艦橋」 というのがありませんので ・・・・ ?


このモデルについて (そしてこの後の暫くの間のモデルについても) モデル・アドバイザーの一人としてのお断りしなければなりません。

実は今回の 「陸奥」 についても、前回の 「日向」 と同じように諸々の事情がありまして、私はモデルデザインの最初の段階までしか見ていません。

しかもそのアドバイスに対するレスポンスさえ知りませんので、おまみ氏の指摘も含めて、私には実際に販売されたこの製品の問題点等についてはお答えのしようがありません。

したがいまして、今回のモデルで最大の問題点である前檣楼の脚数や各プラットフォームの形状などについて、そしてその他の諸々の点についても、全てコメントを控えさせていただきます。


ただし、おまみ氏の 「屈曲煙突は1924年」 であり考証ミスというご指摘については、「陸奥」 は1923年の秋に屈曲煙突への改造工事に入っておりますので、残念ながらこれで間違いではありません。 わざわざ屈曲煙突の姿とするために年代設定したのですから。

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(補記) : 現在イーグルモス社に対して、本 「世界の軍艦コレクション」 で予定している今後の日本艦について、そのモデル開発体制について一つの改善提案を行っております。 もし受け入れられたならば、少なくともモデルデザインについてはかなりの改善が図られるものと期待しております。

これが実現すれば後は中国メーカーでの製造体制の改善なのですが、ただしモデルデザインのレベルが製品として確保できるのか ・・・・


2013年06月15日

モデル・アドバイザーの独り言 (22)

◎ 第12巻 「日向」

シリーズ第12巻は 「日向」 です。 1941年 (昭和16年) の開戦時の姿。 来週18日には書店店頭に並ぶはずです。

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第6巻の 「伊勢」 は航空戦艦に改修後の姿でしたので、本シリーズのコンセプトに従い、この 「日向」 は元の戦艦としての姿を選定しました。

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そして、今回から予告どおり再度パッケージが変更になりまして、ちょっと変則的ですが中のモデルが見える (というより、モデルの状態を確認した上で購入できる) 形になりました。

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このため、今までのパッケージ表のデザインは同梱される解説書の裏表紙に印刷され、この面がパッケージの底面になるようなっています。

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当初のカバーを開くと中が見える形のものは、コスト的な問題から第6巻から変更されて全く中が見えないものとなってしまいました。

テスト販売のときからこれでは絶対にダメとアドバイスしてあったのですが、受け入れられないままとなりました。 結局のところ購読者の皆さんの酷評を浴びまして、やっとイーグルモス社としても自覚をした結果、この様な形で反映されたものとご理解下さい。

もちろん、本シリーズが当初から製品の出来の個体差があまりにも大きいことが問題なのですが、最近のモデルではかなり改善されてきたとはいえ、やはりその出来を直接確認してから購入できることは、安心感に繋がると思います。

これで定期購読の方だけではなく、書店で直接手にとってから購入される方も増えてくれると嬉しいですね。


さて、モニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


今回の 「日向」 も、前回の 「鳥海」 に引き続きそれなりに良い評価をいただいているようですが ・・・・

実はモデル・アドバイザーとして一つお断りしておかなければなりません。

今回の 「日向」 については、諸々の事情がありまして、私はモデルデザインの段階までしか見ていません。 というかその段階までしか関与していません。

したがいまして、モデルデザインの段階でアドバイスしたことがどの様に反映されたのか判らないままモデルのテストショットが作られ、今回の製品版となっておりまして、私としてもアドバイス後どうなったのかを製品版となって始めて見ている状況です。

このため、製品版にはおまみ氏のご指摘を含め沢山の問題点がありますが、すべてモデルデザイン以降に残ってしまった、あるいは発生したものであるとご理解ください。 私がモデルデザイン以降もチェックさせていただけたならば、考証上の主要な問題点はすべて修正し得たものと思いますが ・・・・

私としての大きな問題点は次のとおりです。

1.消磁電路が表現されていない。
2.前檣楼下両舷のカッター及びそのボートダビットがない。
3.艦載機の塗色が違う。
4.舷窓があり得ないところにまで表現されている。

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1.及び2.についてはモデルデザインの段階で、3.については初めのモデル・プランの段階から指摘してあったのですが、何故か聞き入れられないままとなってしまいました。 誰が何時どの段階で判断してこのようにしたのかは判りません。

4.については、おそらくメーカーでは何も考えずに左右同じように舷窓の黒点を塗ってしまったものと思いますが、テスト・ショットの段階で誰も気付く者がいなかったのでしょう。

なお木甲板とリノリューム甲板のモールドについては、私が見たモデルデザインの段階ではその表現がありませんでしたので、是非とも必要とアドバイスした結果がご覧いただく製品版のようになりました。 おまみ氏の指摘のとおり、木甲板の表現については好みの別れるところかと思います。

その他、モデルアドバイザーとして細かい点を挙げればキリがありませんが、1/1100スケールの本シリーズにあまり過剰要求をしてもと思います。

それよりも、私としては第12巻になってやっとこのレベルにまでなったか、という思いの方が強いもので (^_^)


なお、おまみ氏からも指摘のありました艦橋の窓枠表現ですが、これはもう少しあとの巻から多少は改善されるはず (と思います) です。

まあこのスケールとしてはちょっとオーバー過ぎる気がしないでもありませんが ・・・・ (^_^;

2013年06月01日

モデル・アドバイザーの独り言 (21)

◎ 第11巻 「鳥海」

シリーズ第11巻は 「鳥海」 です。 1940年 (昭和15年) の開戦直前の姿。

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本シリーズ最初の巡洋艦ですが、何故これが選ばれたかというと、最も資料が手に入りやすくしかも鮮明な写真が残されていること、らしいです (^_^;  私がお手伝いを始める前に既にこれで決まっていましたので。

もちろん 「鳥海」 は改装らしい改装もなくそのまま開戦に臨み、特に大きな損傷などを受けることなく戦歴を重ねて、レイテ沖海戦で最後を迎えましたので、年代設定も含めてこれで良かったのですが。

モニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


今までのものに比べればそれなりに良い評価をいただいているようですが ・・・・ 実はこれも今回全国発売されるまでは大変に心配、というかヤキモキしたものの一つです。

あれやこれや色々とアドバイスをしたのですが、デザイナーさんや中国メーカーになかなか上手く伝わらず、何度も手直しが (^_^;  そして結局例に漏れずスケジュール的な制約から反映されなかったことも数多く出てしまいました。

したがって、私とすれば前回の「加賀」と並び、よくまあここまで何とか見られるものになった、という気持ちが強いものの一つです。

この 「鳥海」 モデル、結果として私的に不具合として残った主なところは、

     1.艦橋前面の部品分割法
     2.主錨はもちろん、前部・後部甲板の艤装品類の表現の欠落
     3.2・4番主砲塔下の支筒部の形状不良
     4.中部シェルターデッキのモールド及び塗り分け誤り
     5.艦尾の鉄甲板部分の塗り分けの欠落

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などなどというところでしょうか。 上記はいずれもイーグルモス社には指摘したのですが、結局容れられないままでした。

特に1.の艦橋前面部品の両サイド接合部に大きな溝が出来てしまっていることは、ここが艦の顔であり、「高雄」 型のウリの一つでもありますので、非常に残念なところです。

その他、艦橋構造物下部両舷にあるシェルターデッキ通路やラッタル等々、言い出すとキリがありませんが、あまり細かいところを指摘しても、スケール的にもコンセプト的にも過剰要求になるものもありますので ・・・・


しかしながら、モデル・アドバイザーの一人として最も不満なのは、前部及び後部煙突両脇に表現された機銃です。

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前部煙突両脇の機銃は、デザイン段階で 「ここには機銃はないよ」 と写真や図面を示して指摘し、一度は修正されていたのですが、いつの間にか知らないうちに元の状態に。

また後部煙突両脇の機銃は、元々のデザインでも正しく13ミリ4連装機銃になっていたのですが、これまたいつの間にか25ミリ連装機銃に。

イーグルモス社の担当者に理由を質したのですが、確たる理由説明もないまま、いつもの 「今からでは間に合わない」 (^_^;  それはないでしょ、と思うのですが ・・・・


そして今回のモデルの最大の不具合は部品の合いの悪さでしょう。 船体と上甲板の接合部はともかくとして、何故これ程まで至るところに隙間や段差が出来てしまっているのか。

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シリーズ既刊のものもそうだったのですが、これまでの戦艦や空母に比べるとスッキリしたシンプルな形状ですし、組立なども少しずつ良くなってきましたので、余計に目立ちます。

この部品の合いの悪さも毎回毎回指摘してはいるのですが、顕著な改善は今のところ見られません。 この辺はシリーズの今後のことを考えるともう少し何とかしたいところですね。


とは言っても、おまみ氏の評価通り、全体のスタイルとしては本シリーズのコンセプトに合致した出来であると思います。

もちろん、本シリーズ共通の問題である組立・塗装については徐々に改善されつつありるとはいえ、相変わらず残っていることは事実です。

予定どおりの80巻まで完結するには、引き続きイーグルモス社及び製造の中国メーカーの改善努力を期待するところですね。


残念ながら本シリーズのスケール・モデルとしての完成度は、現在の1/700ウォーターライン・シリーズのような市販のプラスチック組立モデルのレベルのようにはとてもいきません。

これはこの連載当初にも申し上げたところですし、当然のことならが、それら組立モデルと比較して論ずること自体が筋違いなことです。 目的が異なるのですから。 それに加えて、商業流通商品というコストの面から致し方ないところも多いので。

より精密度のある、よりクオリティーの高いものを要求される方々には、組立モデルの方をお薦めします。 そして納得のいかれるところまで手を入れられるとよろしいかと。 80隻揃えて並べる、手間暇と、腕と、根気と、財力があれば、ですが (^_^)

2013年05月27日

1/1100 「金剛」 ディティールアップ

高野山行などの記事を書いていたら、ちょっとご紹介が遅くなってしまいました。

イーグルモス社の 「世界の軍艦コレクション」 でモニターをされているHN 「おまみ」 氏の手になる第5巻 「金剛」 モデルのディティールアップです。


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前回 「大和」 「武蔵」 モデルのディティールアップ記事をご紹介しましたが、今回もまたまた素晴らしい出来になっております。

そして、いつもどおり氏のディティールアップ・テクニックも詳細に紹介されているのは嬉しいところです。

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この 「金剛」 モデルで一番の問題点だった前甲板の繋ぎ目がキチンと修正されのはもちろんのこと、前艦橋の大型遮風装置も再現されるなど随所に手が入り、全体が見違えるようになりました。

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ディティールアップ完成後の詳細についても、次のURLで大きなサイズの写真が紹介されていますので、併せて是非ご訪問下さい。


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う〜ん、こうなるとやはり高角砲などのディティールアップ・パーツが欲しくなるところですね (^_^)

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本項への画像の引用転載については氏から許可をいただいております。

2013年05月24日

モデル・アドバイザーの独り言 (20)

◎ 第10巻 「加賀」

シリーズ第10巻は 「加賀」 です。 1932年 (昭和7年) の三段飛行甲板当時の姿。

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当初は第9巻でしたが、全国版では一つ後の第10巻となりました。

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( パッケージの表  左が静岡版、右が全国版 )

既に第2巻で1942年 (昭和17年) 時の最終時 (一段全通飛行甲板改装後) の 「赤城」 が出ておりますので、「加賀」 では当初の三段甲板時代が選ばれました。 中にはこの 「加賀」 も改装後の姿で 「赤城」 と並べて飾りたかったという方もおられるとは思いますが、本シリーズのバラエティさを出すための選択とお考え下さい。

モニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


既刊のものと同じく、この 「加賀」 も私が関わり始めたのは既にテスト板が出来てからでした。

実はこの 「加賀」、今までの中で最も難産のもの。 それだけに沢山の問題点も残ったままとなってしまいました。

最初のテスト・ショット段階での最大の問題点だったのが艦底形状。 ペタンとした平らなもので作られていましたので、まずこれを直すのが大騒動でした。

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( 上がテスト・ショット、下が今回の全国版 )

その他、数多くの要修正点についてアドバイスをしましたが、容れられなかったものも多いですし、容れられたアドバイスもどのように修正されたのかはこの全国版のサンプルを先日入手するまでは私自身にもほとんど判りませんでした (^_^;

スケジュール的にフィードバックする余裕がなかったと言えばそうなのでしょうが、この辺にも現在の開発体制の問題点があることも確かです。

そして、私としては今回の 「加賀」 モデルで直らなかった大きな問題点は次の3つです。

1.上部及び下部飛行甲板の木目のモールドがない。
2.艦橋の形状が異なる。
3.艦尾短艇甲板が不良。

1.は言わずもがなで、「赤城」 ではキチンと表現されていたのに、何故省略されてしまったのか。 当時の空母のモデルとしては重要なポイントなのですが ・・・・ ?

2.は一艦の顔でもあるので絶対に直さなければダメとアドバイスしたのですが 「無理」 との回答でした。 何が無理なのかは判りませんが (^_^;

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3.はテスト・ショットでは斜めになっていましたので、水平に直すようにアドバイスしたのですが、何故かこのような訳の判らない状態に (^_^;

010_Kaga_model_04a.jpg   010_Kaga_model_04b.jpg
( 左がテスト・ショット、右が今回の全国版 )

これらに比すれば、おまみ氏から 「やっつけ感」 と指摘のあった高角砲の形状の問題は小さい方かと。 もっともこの高角砲の形状もアドバイスしたんですが、その時既に直す気はなかったようです。

それでも、塗装やマーキングなどはある程度修正されました。

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( 下がテスト・ショット、上が今回の全国版 )

また、このシリーズの問題点の一つである艦載機についても、今回は何とかそれらしくはなりました。 細部の塗装は我慢していただくとして、ですが (^_^;  (実は、この細部の塗装指示も一体どの段階で誰が出しているのか判りません。)

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( 上がテスト・ショット、下が今回の全国版 )

もっとも、下部飛行甲板が途中からやや前下がりになっていることや、上部飛行甲板が艦尾方向にやや高くなっていることまでを要求するのは、このスケールとしては難しいところがあります。

そして、組み立て・塗装の状況もシリーズ当初からすれば少しはマシになってきました。 が、その反面、全体の出来がアッサリし過ぎ (手抜き?) の傾向が出てきたのではないかと危惧される点ではあります。


ところで、おまみ氏からの指摘のあった下部飛行甲板ですが、ここが当初から木甲板であることは間違いのないところです。

ただし、昭和7年当時の色がどうだったのかはよく判りません。 建造 (空母改装中) の写真でも既に上部飛行甲板とは色が異なって見えます。

また有名な昭和5年の素晴らしい写真では明るい灰色に塗られているようにも見えますが (このためテスト・ショットでは明灰色になっていたのですが)、もしそうだとすると何故そのようにしたのかの疑問もあります。 全くその必要性はありませんので。 あるいは単に光の加減なのか ・・・・ ?

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このため、本モデルでは木甲板であることを考慮して敢えて上部飛行甲板との色の差は出しませんでした。

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( 昭和7年撮影とされる下部飛行甲板 )

結論からすると、色々問題点はありますが、このスケールでのシリーズものとして他の艦艇と一緒に並べる上で、この三段飛行甲板の姿がモデル化されたところに価値があると言えるでしょう。 それがこのシリーズの基本コンセプトでもありますから。


さて、次巻はシリーズ初の重巡。 「鳥海」 ですが、これも出来がちょっと心配なものの一つでして ・・・・

2013年05月12日

1/1100 「大和」 「武蔵」 ディティールアップ

イーグルモス社の 「世界の軍艦コレクション」 でモニターをされているHN 「おまみ」 氏が 「大和」 と 「武蔵」 のディティールアップを完了し、その姿をご自身のHP「模型の花道」にて公開されました。

「大和」 :

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「武蔵」 :

worldwarships_musashi001_s.jpg

画像の転載・引用については氏より承諾をいただいていますが、是非当該HPをご訪問いただき、大きなサイズと詳細画像の数々をご覧いただきたいと思います。

どちらも凄いです、というより驚嘆に値しますね。

1/1100スケールですが、画像で見る限りでは1/700と言われても信じてしまいそうですし、1/350に十分匹敵する内容です。

そしておまみ氏の感心するところは、これらのディティールアップについてそのテクニック、使用した素材や工具などを丁寧に紹介されていることです。

「大和」 「武蔵」 ディティールアップ (前編) :

「大和」 「武蔵」 ディティールアップ (後編) :

もちろんこれらについては、1/700でも1/350でもその製作上で十分に参考になるものですね。

う〜ん、これでシリーズ全80隻が揃ったらどういう事になるのか (^_^)

それにしても、このシリーズ、モデルそのものの基本は決して悪くはないことがお判りいただけるものと思います。 一番の問題は組立と塗装なんですが ・・・・

2013年05月07日

モデル・アドバイザーの独り言 (19)

◎ 第9巻 「榛名」

シリーズ第9巻は 「榛名」 です。 1928年の第一次近代化改装後の姿。

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すでに第5巻で1944年時の 「金剛」、第7巻で1942年時の 「霧島」 と続いていますので、この 「榛名」 については当初予定を変更してこの1928年の姿となりました。

ただ、既に企画がかなり進んだ段階での変更でしたので、各部に色々問題点が残ってしまったところがあります。 しかしながら、スケジュールの都合上これは致し方なかったものとお考え下さい。

逆にこの段階で変更を受け入れたイーグルモス社の姿勢を評価していただいてよろしいかと思います。

何れにしても、第一次近代化後の1/1100スケールのモデルとして一応の基本的形状は表現されておりますし、この状態のものは組立モデルでもありません (確か) ので、本シリーズならではと思っています。 本シリーズのバラエティさを表す良い例となりました。


モニターをしていただいているHN 「おまみ」 氏による評価記事は、氏のブログ 『模型の花道』 の次のURLです。


後部マストの高さはご指摘のように確かに寸足らずですが、ブリスターの都合でこれで一杯一杯とご理解下さい。 どうしても気になる方は、マスト上部だけでも真鍮線で作り直されることをお薦めします。

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この 「榛名」、1928年モデルにし直しましたが、シリーズでも初期の作品でもあったため、全体的なモールドなどの甘さは残ってしまいました。

そして、本モデルで最も問題なのは後部艦橋の形状が違うこと。 これは図面や写真の他、静岡版を知人のモデラーさんに頼んで改修して貰ったもの (後部艦橋などの他は基本的には再組立再塗装のみ) までも渡しましたが、それでも直りませんでした (^_^;

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( 上が静岡版、下が知人の改修板 )

その他、8センチ単装高角砲が表現されていないこと (プラットフォームのみ)、水偵の塗色が銀色でないこと、などなど細かいところでは色々あります。

スケジュール的にも余裕がなかったと想像されますが、モデル・アドバイザーの一人としてはもう少し頑張って欲しかったですね。 最低限でも後部艦橋は。

それでも、おまみ氏にも評価いただいたように、これまでのモデルの中では組み立て及び塗装については一番であろうかと思います。

上部構造物やマストなどの傾きはほとんどありませんし、細かな部品の取付不良もわずかです。

ただこれがこの 「榛名」 だけのものなのか、シリーズとしての製造工程や検品などの体制について見直し・改善がなされたのかは私も判りません。 今後しばらくは様子を見ての上でのことになります。


これでやっと本ブログも現行発売の最新巻まで追いつきました (^_^)  次からは新巻の発売に合わせて書きます。


2013年05月02日

モデル・アドバイザーの独り言 (18)

◎ 第8巻 「三笠」

シリーズ第8巻は 「三笠」 です。 1902年の就役時の姿。

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「三笠」 は静岡版のときから第8巻で予定されていました。

この早い段階で明治の艦艇が入ったことは、本シリーズが 「世界の軍艦」 と銘打っていることからも、そのバラエティさを出すためには適切な選択であったと思います。

中には第2次大戦期のみの各国の代表的な艦艇を期待された方がおられるかもしれませんが、この 「三笠」 は最初に書いたイーグルモス社の本シリーズについてのコンセプトに従うものです。

また、第1〜7巻までのモデルに比べるとサイズ的にはかなり小さいものですので、価格的に割高感をお持ちの方がおられるかもしれません。 が、それは単に商品として大きさだけを問題にした話しで、統一スケールでの製造上の手間暇としてはほとんど同じであると言えるでしょう。

それに、サイズを同じにしてスケールを変えるなどは論外の話しです。 また、サイズで価格を変えていく、というのも流通を考えるならば難しいことであり、おかしなことですから。


さて、この 「三笠」 モデルについてですが、モニターをしていただいているHN 「おまみ」 氏による評価記事は、氏のブログ 『模型の花道』 の次のURLです。


塗装については、「喫水線上が鮮やかな白黒ツートーンの竣工時の姿」 であり、確かに 「船体色に好き嫌いがあるでしょう」 ですが、私からすれば、それは単に軍艦と言えば灰色、という先入観・固定観念に過ぎないといえるでしょう。

灰色でないもの、灰色でない時代もあることを本シリーズ本来の主たる対象者に知って貰うためには、この 「三笠」 については就役時の設定で良かったと考えています。

ただし、就役時とは言っても、厳密にはサウザンプトンでの引渡し・就役時そのものの写真などは残されておりませんので、塗装などについては詳細は不明です。

実際、建造途中の写真では各部の色がその時々で変わっているのがお判りになるかと。 また、日本海軍の塗装変更時期と丁度重なったため、英国でも多少混乱があったようで、回航委員長・初代艦長の早ア大佐から海軍省に対して塗装はどうするのかとの問い合わせが行われています。

そしてこの白色部分、実際には白色に近い、かなり明るい灰色なのですが、その色合いについては不明です。 白黒の混合比は判りませんし、英国でそれに合致した混合比のものが使われたかどうかも判りません。

( 補足しますと、明治29年の段階では 「亜鉛華ニ其千四百分ノ一松煙ヲ混合シタルモノ」 と規定されていますが、これが明治35年でもこのままだったのか、その実際の色はどうだったのか、また英国で塗料をこの色に調整・調達可能だったのか、などは不明です。)

静岡版では上甲板以上の構造物については、当時の日本海軍の規定に合わせて 「灰色」 としておりましたが、これは明らかにちょっと濃すぎました。

そして全国版では、イーグルモス社でテスト販売が行われたパートワーク・シリーズ 『三笠を作る』 という1/130スケールの大型インテリアモデルに合わせて 「白色」 とされました。 ですから、見た目にはちょっと “目に鮮やかな” 白黒ツートンカラーということに (^_^)

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( 左奥が今回の全国版、右手前が静岡版 )

ただ、おまみ氏からご指摘いただいている次の2点ですが、

   マストが黒一色で、見張所から上が白塗装されていない
   装載艇甲板がデッキ色に塗られていない

前者については、確かに建造中の写真では戦闘楼 (ファイティングトップ) から上が黒色ではないものもありますが、サウザンプトンでの引渡し・就役時にはこのままであったかどうかは不明です。

そして、旧海軍の当時の規定 (明治34年9月10日の 『戦艦及一等巡洋艦塗色ノ件』 )によりマストは 「シェルターデッキ以上は黒色」 とされており、実際、日本回航途中にインド洋で遣英艦隊と会合した時の写真でもマストは全て黒色ですので、これはこれで誤りではありません。

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( 関重忠著 『渡英のおもかげ』 より )

また後者については、ご存じのとおりボートデッキは建造時から鉄甲板であり、木甲板ではありませんので、これも誤りではありません。 ただし、全国版でもモールドが修正されないままなのですが (^_^;

ただしこの全国版モデルのように、アンカーダビット及びボートダビットが、それまでの白色 (灰色) から黒色に規定が変更されたのは明治35年9月のことです。 まあ、長い艦歴からすれば、この9月時点としても 「就役時」 と言えないことはありませんが。

また、主砲塔の天蓋やバーベット上部が黒色となっていますが、これはイーグルモス社の好みとしか (^_^;


モデルの形状としては、確かに細かい点は色々あります ・・・・ が、残念ながらこの 「三笠」 についても、私が関わったのは静岡版が出来て以降であり、かつ他のモデルと異なって、何故か全国版に向けて沢山アドバイスした事項は、そのほとんどが容れられませんでした。 スケジュールの都合で致し方無かったのかもしれません。

それでも、全体的には1/1100スケールとして、また本シリーズのコンセプトからしても無難かつ適当なものであると思っています。 (例によって、残念ながら組立と塗装の塗り分けを除いて、ですが (^_^; )

そして既刊の7隻と一緒に飾ると、形状的にも塗色的にも一際異彩を放っています。 本シリーズのバラエティさを象徴する1隻であると言えます。

また、一般に出回っているものとしては、組み立てモデルでは1/350、1/500及び1/700が出ており、また完成済みモデルでは1/500などがありますが、この1/1100スケールの完成済みモデルが加わった意義も評価されるべきでしょう。 そして何れも日本海海戦又は黄海海戦時の姿のものであり、就役時の姿のものはほとんどありませんので。

( 就役時と黄海海戦時とでは既に少し異なることは皆さんご承知のとおりです。)

もちろん、これらをどの様に評価されるかは、実際に購入される方々、個人個人のご判断ということになりますが。

2013年04月26日

モデル・アドバイザーの独り言 (17)

◎ 第7巻 「霧島」 (続)

シリーズ第7巻 「霧島」 の続きで、HN 「ジョージ某」 氏のディティール・アップ作品をご紹介します。

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この作品は、中国メーカーでの組み立てと塗装の拙さ(と検品体制の不備)についてイーグルモス社に改善のアドバイスをするために、氏にお願いして静岡版の時に手を入れて貰ったものです。

ディティール・アップとは言いましても、基本は原則として一度分解しての 「再組立」 と 「再塗装」 です。 後は氏の時間と好みにお任せ、ということで。

まずは分解と塗装落とし。 この作業で細かな部品が幾つか欠損してしまったようですので、これは後で自作をしていただくことに (^_^;

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製造上の問題の一つ、ダイキャスト製の船体と甲板との隙間はパテなどで埋めていただき、再塗装。 木甲板は少しずつ色調の異なる数種類で木目のモールドに沿って。 もちろん、全国版でも直っていなかった前檣楼下の02甲板も、木甲板のモールドを入れて塗装。
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1/1100スケールでここまでこの木目表現の塗装をするかどうかは意見・好みの別れるところでしょうが、これを施すとモデル全体がグッと引き締まってみえることも確かです。

そして甲板上の部品の再塗装と再組立。

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前檣楼背面は氏の好みにより少し追加工作をしていただきました。 また後部マスト上部は分解の際に折損してしまったそうで、真鍮線で作り直しです。

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再塗装では、鋼板と木甲板部分のきめ細かな塗り分けのほか、艦橋窓、前檣楼各層のリノリューム、探照燈前面のガラスなどなど、細部の塗り分けをしていただきました。 最後に、氏の好みにより軽く汚しを。

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これで完成。 見栄えが全く変わって、実に良くなりました。

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( 元々の静岡版 )

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( 氏の再組立・再塗装による作品 )

もう少し細部をご覧いただきます。

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( 飛行作業甲板と艦載機にはかなり手が入っていることがお判りかと )

そして、運搬のために百均で売っている200円 (?) のコレクションケ ースに台座を固定してくれました。 クッション材で包めばかなりの衝撃に堪えられるでしょう。

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( このケース、本シリーズのモデルにピッタリのサイズです )

ご覧いただいたように、ジョージ某氏の腕もなかなかのものです。 しかしながらその一方で、この 「軍艦コレ」 シリーズ、組み立てと塗装さえ良くなれば、モデル自体は1/1100スケールとして決して悪いものでないことはご納得いただけると思います。 問題はそこなんですが ・・・・

この氏の作品は、以前イーグルモス社の担当者が来日した時に 「やるつもりなら、ここまで良くなるはず」 といって渡しました。 関係者に回覧した上で、現在では中国メーカーの工場出入り口に展示されていると聞いています。

う〜ん、このレベルならば購読者の皆さんにも諸手を挙げて喜んでいただけるのでしょうが、そうなると一体コストはどれ程上がるのか ・・・・ ? (^_^;

ジョージ某氏、立派な作品をありがとうございました。

2013年04月21日

モデル・アドバイザーの独り言 (16)

◎ 第7巻 「霧島」

シリーズ第7巻は 「霧島」 です。 ソロモンの海に沈んだ1942年の姿。

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この 「霧島」 は静岡版では第6巻でしたが、全国版ではこの第6巻に 「伊勢 」 が入りましたので、一つ順送りとなり第7巻となりました。

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( 静岡版のパッケージ表 )

ただシリーズとして、「大和」 「武蔵」 ならばともかく、第5巻 (当初第3巻) で1944年の 「金剛」 のあと、何故これだけ短い間隔で、1/1100スケールとしてはほとんど差が出ない1942年の 「霧島」 がスケジュールされたのかは判りません。

(このこともありましたので、イーグルモス社に対しては、同型艦は可能な限り年代、姿が異なるものとなるようにすることをアドバイスしております。)

モニターをしていただいているHN 「おまみ」 氏による評価記事は、氏のブログ 『模型の花道』 の次のURLです。


おまみ氏から指摘いただいた、

「 前檣楼正面各層に隙間があり、正面まで開放式になっているような印象を受ける 」
「 製品の仕様なのか個体差なのか 」

については、これは “仕様” です。

ご承知のとおり、当該部分は広い窓部分になっておりますが、これを1/1100スケールでどの様に表現するかということになります。 その一つがこの 「霧島」 で採られた方法と理解しております。 そして、元船乗りとしてはこれはこれで悪くはないと思います。

では、何故 「金剛」 と 「霧島」 でその表現方法が異なるのか?

おそらく、1隻1隻の担当のデザイナーさんがそれぞれで違うためと思います。 シリーズ全80隻を次々に出すためには、一人のデザイナーさんでは不可能ですから。

そしてイーグルモス社としては、その個々のデザイナーさんの感性やモデル化の手法については、それをかなりの自由度で認める方針のようです。

これについては、色々意見があり、またモデラーさん達一人一人の好みの問題もあるところと思いますが、これはこれでシリーズとしての考え方の一つであり、コンセプトとしてあり得ることです。

またある意味、デザイナーチームとしても、一連のシリーズ物として試行錯誤の段階 (だった) と言えるでしょう。 この後のものでは、中には艦橋の窓枠を表現したものもありますので。

そしてこの 「霧島」、前檣楼の表現も含めて、全体的形状としてはこれまでのシリーズの中ではかなり上の方と考えます。

「金剛」 で問題であった、第1主砲塔と第2主砲塔間の最上甲板の部品分割による顕著な繋ぎ目もありません。

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( 左 : 「金剛」 モデル   右 : 今回の 「霧島」 モデル )

したがって、私が見たのはこの 「霧島」 も静岡版モデルが完成して以降ですが、組み立てや塗装に関することを除けば、イーグルモス社に対するアドバイス点の少なかったものの一つです。

そこでこの 「霧島」 について、モデラーのHN 「ジョージ某」 氏に再組立と再塗装をお願いし、現在のモデルでその両者さえキチンとすればここまで見栄えがするものになる、という見本を作ってもらいました。

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氏のこの作品は、イーグルモス社の担当者が来日した時に 「このモデルならここまで良くなる」 と言って渡しました。 この作品、現在では中国メーカーの工場出入り口に飾られていると聞いています。

次回は、このジョージ某氏の作品をご紹介します。


なお、第6巻からブラインド・パッケージになってしまいましたが、昨日 (20日) イーグルモス社のHP 『世界の軍艦コレクション』 にて、第12巻から中のモデルが見える形式のものに変更する旨の公式アナウンスがなされました。