本シリーズ第28巻はアメリカ戦艦 「アイオワ」 型2番艦の 「ニュー・ジャージー」で、1944年の姿とされています。


言わずと知れた米海軍最後の戦艦4隻中の1隻で、第2次大戦後も度々現役復帰を繰り返しながら朝鮮動乱、ベトナム紛争、そしてレバノン紛争と参戦しました。
私も現役の戦艦で見たことのあるただ1隻がこの 「ニュー・ジャージー」 です。 う〜ん、これが戦艦か、と (^_^)

( 当時の広報用パンフレット )
例によってモニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価は、次のURLにUPされてます。
おまみ氏になにか呼ばれてしまったようですが ・・・・ (^_^;
私としても、この 「ニュー・ジャージー」 もモデル全体の出来は悪くないと思います。 おまみ氏の評価にあるように既刊の 「ビスマルク」 や 「フッド」 と肩を並べて遜色無いものでしょう。
もっとも、この 「ニュー・ジャージー」 にしても、公式図はもちろんのこと、資料や写真は豊富に揃っており、かつスケール・モデル用の図面も出回っておりますので、モデル・プラン及びモデル・デザイン担当としては楽な部類だったでしょうね (^_^)
ただ、このところ毎回書いてきておりますが、全体の出来はともかくとして細部は非常にあっさりしており、というより少々あっさりし過ぎで、これは本シリーズの最近の傾向になってきています。
本シリーズ後半は資料の少ない艦が多くラインナップされていますので、それを見越して今からこのあっさりした表現で ・・・・ ?
私は外国艦については一切関与しておりませんので、今回は第三者としての所見をいくつか。
1.まず申し上げなければならないのは船体の塗色でしょう。 ご存じのとおり 「ニュー・ジャージー」 は 「アイオワ」 型4隻の中でただ1隻この 「Measure 21」 というパターンで、迷彩そのものとしてもちょっと特異なものです。
モデルとしての塗色の色としては色々考え方がありますが、実際の縦面の 「Navy Blue 5-N」 と横面 (甲板面、水平面) の 「Deck Blue 20-B」 に対してはかなりそれに近いもので、その点ではこれはこれでありでしょう。

しかしながら、いつも申し上げているとおり実艦でも規定のペイントの原色どおりに見えることは絶対にありませんし、ましてやスケールモデルですから、1/1100スケールという小さなサイズを考えるならば、この2色のコントラストの差はもう少しあった方が見栄えがしたのではないか、と個人的には思います。
で、このモデル最大のミスになりますが、主砲塔側面だけは船体舷側と同じネイビー・ブルーですが、その他の上部構造物の側面全てが甲板面と同じデッキ・ブルーになってしまっています。

これでは実艦と異なり、またモデルの見栄えが全然違ってきますのでちょっと痛いところです。 なぜこのようになってしまったのでしょう? ちょっと首を傾げる次第です。
2.船の顔である艦橋の形状が間違っています。 1944年にはモデルのような当初のオープン・ブリッジ方式のままではなく、写真のような丸いクローズト・ブリッジに改装されています。 これもちょっと痛い。


( 左 : 1944年の 「ニュー・ジャージー」 右 : 同形式の1945年の 「アイオワ」 )
更に細かいことを言えば、司令塔の上部に Mk-3 FCレーダーのアンテナがありません。 これもちょっと目立つだけに残念。
3.上甲板 (メイン・デッキ) の一つ上、上部構造物の01甲板の高さが異常に低くなっています。 上の1.の写真をご覧いただくとよくお解りいただけるかと。 これも全体の印象を大きく左右するだけに痛いデザイン・ミスと言えます。 なぜこのようになってしまったのか?
4.艦首下のバルバス・バウは確かに先端形状はそれらしくなっていますが、その後ろの舷側形状が少々違います。 下の公式図に示すように、船体舷側の中間部 (水線付近) がもっとくびれていなければなりません。


モデルではこれによるバルバス・バウの膨らみが出ておらず、また上甲板舷側のシーアによる張り出しが弱くなっており、折角の 「アイオワ」 型艦首の特徴が上手く表現できていません。 これも大変残念。
5.後部 Mk-38 方位盤とその下部の支塔の形状が少々不良です。 折角前部の方位盤は Mk-8 FCレーダーも含めてそれらしく表現されているのに、これではもったいないです。


6.全体が少々あっさりし過ぎのデフォルメで、特に戦艦としてのウリである主砲塔と中央部両側にズラリと並ぶ5インチ連装砲塔はもう少しディティールにこだわって欲しいところでした。
特に、主砲塔のサイドには救命筏はモールドされているのに、なぜ照準器カバーが表現されていないのか? (ついでにこだわれば砲塔形状が少々違いますが)
5インチ連装砲塔も照準器カバーの表現がありませんし、それよりも砲身が何故か少々下に付いており、このためこの砲塔形状の印象がかなり違ってしまっています。


7.全体がブルー一色ですので、細かいところの塗装でもう少し頑張って欲しかったところです。 例えば、40ミリ機銃は全体がデッキ・ブルー、20ミリ機銃は銃身がデッキ・ブルーで銃尾側が黒色という変わったもの、5インチ連装砲塔は砲門部の隙間が黒色、等々であることです。
また、艦首両舷にある艦番号がありません。 1/1100では少々オーバースケールになりますが、白色で目立ちますので良いアクセントになったと思います。
8.推進器はブレードが外舷側4枚、内舷側5枚で実艦どおり表現されています。 ただブレード形状が少々異なるのと、舵が 「ハ」 の字になっているのは愛嬌でしょうか (^_^;


まあ細かいことを言い出すとキリがありませんので、それはそこ1/1100スケールと考えれば ・・・・
ところで、私はモデルに付属する (というより立前としては本来こちらがメイン) の 「ブック」 と呼ばれる解説書は日本艦も含めて全くのノータッチですので、これについてとやかく言う立場にはありません。
が、 それにしてもこの 「ニュー・ジャージー」 の解説書 “も”、全体の構成はともかくとして、文章の表現や用語、それに図などは、いくら初心者向けとは言ってもちょっと ・・・・
この辺のレベル・アップも本シリーズの大きな課題の一つと言えるでしょう。




























































































































































