2014年02月14日

モデル・アドバイザーの独り言 (39)


◎ 第29巻 「瑞鳳」

本シリーズ第29巻は日本空母 「瑞鳳」 で、1944年の姿とされ、日本艦初の迷彩塗装でのモデル化です。

029_Zuiho_model_01_s.jpg

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申し上げるまでもなく、この 「瑞鳳」 は、捷一号作戦におけるエンガノ岬沖海戦で米軍が撮影したこの迷彩塗装のすばらしい写真が残されております。

今回もこの迷彩塗装での出来を期待されていた購読者の方々も多いことでしょう。

ご存じのとおり、元々は第32巻で 「祥鳳」、最終の第80巻でこの 「瑞鳳」 が予定されていたものですが、モデルプランの段階で、迷彩塗装の派手さをウリにした 「瑞鳳」 を先とするようアドバイスして受け入れられたものです。

「祥鳳」 は入れ替わって今のところ第80巻になっていますが、この 「祥鳳」 「瑞鳳」はほぼ同じ艦型であり、塗装以外はこのスケールでは大きな差がでないことから、「祥鳳」 は取り止めて、元の潜水母艦 「剣埼」 とするか、あるいは他の艦を選択することを勧めているところです。 さてどうなりますか。


例によってモニターをされているHN 「おまみ」 氏による評価ですが、次のURLにUPされてます。

確かにモデルの迷彩塗装、特に飛行甲板についてはスケール・サイズを考えても良い出来であると言えるでしょう。

029_Zuiho_model_02_s.jpg

先の 「ビスマルク」 や 「リットリオ」 など、このところこの迷彩塗装のモデルはかなり良い線を行っています。 「ニュー・ジャージー」 の迷彩はミスがあってちょっとでしたが ・・・・ (^_^;

もっとも、中央標示線が白色の実線になってしまっていたりと、細かなところはありますが、まあそれらは目をつぶっていただくことに。


ではモデル全体としての出来に手放しで高評価が与えられるかというと、残念ながら逆で、迷彩塗装以外の出来は最近での “平均以下” です。

これもあって、私のこのブログ記事は発売後になるようにしばらく遅らせたわけですが ・・・・

主要な問題点は次のとおりです。

1.舷側プラットホーム下部支柱

先の「龍驤」で問題となったのと同じデザイン・ミスをまた繰り返してしております。 なぜこのようになってしまったのかと首を傾げざるを得ません。 一目見ればおかしいと気付くものですので、モデル・デザイン以降、誰もチェックしていないのでしょうか?

029_Zuiho_model_03a_s.jpg
( 右舷側 )

029_Zuiho_model_03b_s.jpg
( 左舷側 )


2.噴進砲台の位置

左右両舷に増設された噴進砲台ですが、水平位置については 「瑞鳳戦闘詳報」 にある被害図に示されたものとほぼ一致しています。

Zuiho_draw_01_s.jpg

029_Zuiho_model_04a_s.jpg   029_Zuiho_model_04b_s.jpg
( 左 : 左舷噴進砲台   右 : 右舷噴進砲台、傾いていますが (^_^; )

しかしながら、左舷側は上下位置が明らかに間違っており、何故かかなり低い位置になっています。 先の写真からも、そして従来の考証からもここではなく、機銃座や整備員待機所などのレベルと同じでなければなりません。

また、右舷側は写真で艦尾近くの白煙が出ているところと考えられますが、残念ながらはっきりしません。 ただし、モデルの形状及び上下位置にはかなり疑問が残ります。 (モデル・プランの段階で考証したものとは異なってしまっています。)

Zuiho_photo_01_mod1a_s.jpg


3.右舷煙突より後部の高角砲・機銃

ここは当初からシールド付きですので、図面や写真を見れば間違うはずは無いのですが ・・・・

029_Zuiho_model_05_s.jpg


4.縦に並ぶ機銃

おまみ氏の指摘にもありますように、もうこれは何かの冗談かと思う様なことで (^_^;

029_Zuiho_model_06_s.jpg

既に2回もやってしまったクレーン・アームの上に乗った艦載機と同じで、考証ミスとかどうかなどという以前の話しです。

モデル・プランの図には無かったことが (当然ですが) モデル・デザインでなぜこの様になり、そしてそれをなぜ発売までの間に誰も気が付かなかったのか。


5.舵の取り付け位置

モデルでは舵の下端が船体のキール線より下に出てしまっています。 この様なことは艦船としてあり得ないところです。 原因は舵の取り付け位置を間違って船体中央に寄せすぎてデザインしてしまったためです。

029_Zuiho_model_07a_s.jpg   029_Zuiho_model_07b_s.jpg


6.デフォルメ表現

先にも申し上げましたが、モデル全体としての造形は、本シリーズの最近の傾向として高角砲など主要装備・艤装品以外は非常にシンプルです。

というより如何に1/1100スケールとはいえ、あっさりし過ぎです。 この 「瑞鳳」 においては、特に戦闘艦橋を始めとする両舷の各プラットホームにそれが言えるでしょう。

また、従来の日本艦では表現されていた13号電探がありません。 「瑞鳳」 ではこれが艦型のサイズ的にも装備位置的にも目立つだけに、なぜなんでしょう?

この 「瑞鳳」 は迷彩塗装の出来に目が行ってあまり文句は出ないのかもしれませんが、デフォルメの仕方はスケールとデザイナーの技法にもよるとは言っても、シリーズの今後、迷彩塗装でないモデルの場合は大いに心配となる点でしょう。

まあ、「零戦」 が小さすぎるとか、甲板上の並びが違うとかはありますが、どうもイーグルモス社としては艦載機にはあまり力を入れていない様で ・・・・ (^_^;


7.組み立て

個々のバラツキがあるのかもしれませんが、私の場合、マストや高角砲・機銃など様々な個所が傾いており、また飛行甲板の前半がうねってしまっています。

本シリーズ初期からの問題がいまだに十分改善されていない点の一つで、組み立て・検品の体制をしっかりしないと、折角の迷彩塗装の出来も台無しです。

これもイーグルモス社には更なる改善努力を傾注して貰いたいことの一つです。


上にしてきましたことの大部分は、明らかにイーグルモス社側の製品開発体制に問題があることが判ります。

既に何度も申し上げてきたことですが、私はモデル・アドバイザーの一人としてモデル・プランからモデル・デザインの初期までしか関わっておりません。 というより、関わらせて貰っていません。

後は、モデル・デザインにおいてのデフォルメはもちろん、考証結果の選択も、すべてモデル・デザイナーがやっているようです。

そして本シリーズのこれまでの状況を見る限り、モデル・デザイン以降製品版となるまで、その主要なステップ・ステップにおいて誰も艦船の知識のある人が責任を持ってチェックをしているようには見えません。

こういう製品の開発体制ではダメですよ、とイーグルモス社側にはこれまで口を酸っぱくして進言してきておりますが、いまだに改善されません。

その結果がこのモデルの出来によく現れていると思います。 塗装面では折角ここまで良くなって来たのに ・・・・

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