2013年10月19日

米海兵隊の運用法 (13)

海兵遠征軍 MEF

さて、MEU 、MEB に続いて MAGTF 編成の最大のものが海兵遠征軍 MEF (Marine Expeditionary Force) です。

これは、次のとおり、フル装備の1個海兵師団や1個海兵航空団などを主体とする極めて大規模なもので、標準編成でも約4万6千名となります。

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MAGTF の編成としてはこれが最大ですが、当然のこととしてその状況・事態に合わせてその兵力は最少で2万名規模から最大で9万名規模まで変化します。 これが “scalability” と言われるものです。

そしてもしこの兵力でも不足するような大規模な事態が生起した場合には、2個あるいは3個の MEF の投入、あるいは VI MEF の予備役部隊を動員しての増強ということになります。

実際のところ、先のイラク戦争では I MEF に VI MEF を含む他の MEF からの増強を加えた約6万名規模 (これに英軍の第1機甲師団2万名が参加) をもって戦ったとされています。

陸軍の兵力が約5万5千名と言われていますので、極めて強力な戦力であったわけです。

( 実際のところ、テレビで実況中継されて世界中が信じてしまったような、あたかも西側のハイウェイを突き進む陸軍部隊が主力だったのではなく、本当は東側の河川・湿地帯を進撃した海兵隊が主力・主軸であったわけですが。)

そしてこれを支援するため、海上輸送に MSC をフル活用したほか、現地での戦闘支援に2個両用戦部隊 ATF (Amphibious Task Force) 及び3個両用即応群 ARG が集められ、加えて5個空母戦闘群 CVBG (Aircraft Carrier Battle Group) が加わっています。

Iraq_War_NavyMarine_01.jpg


以上、米海軍・海兵隊の危機対応態勢を見るにつけ、ARG / MEU がいつでもどこでもの “火消し役”、MEB + MPSRON が本格的な危機対応の “いい気になるな、いい加減にしろ”、そして MEF は海軍・海兵隊の全力をあげての “国を潰すつもりならやってやるぞ” と言えるでしょう。

こういう段階・状況に応じた態勢が整っているからこそ、軍事力としての真価が発揮できるのであって、今の陸自さんの構想では後がないことを見透かされるだけですね。


さて、流石に MEF ともなると規模が規模ですから、その遠征には兵員のみならず膨大な装備・機材・物資の輸送と戦闘支援のために、巨大な組織と兵力が必要になります。

そこで次は、先の MPSRON の説明で出てきました、その海上輸送を支える軍事海上輸送軍団 MSC (Military Sealift Command) についてです。
(この項続く)

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前 : 「その12 海上事前配備船隊 MPSRON」

posted by 桜と錨 at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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