7月26日防衛省は 「防衛力の在り方検討のための委員会」 が纏めた 『防衛力の在り方検討に関する中間報告』 を公表しました。

( 同中間報告書表紙より )
これについてはマスコミによっても広く報道されていますので、ご来訪の皆さんもよくご存じのここと思います。
その中で、「島嶼部に対する攻撃への対応」 として次のことが盛り込まれています。
| 事態の推移に応じ、部隊を迅速に展開するため、機動展開能力や水陸両用機能 (海兵隊的機能) を確保することが重要となる。 具体的には ・・・・ (中略) ・・・・ 事態への迅速な対応に資する機動展開能力や水陸両用機能 (海兵隊的機能) の着実な整備のため、部隊・装備の配備、統合輸送の充実・強化や民間輸送力の活用、補給拠点の整備、水陸両用部隊の充実・強化等 について検討する。 |
( 赤字 及び 太字表示 は管理人による )
「海兵隊的機能」 という言葉が2回出てきます。 これが 「水陸両用機能」 を指すのか、それとも 「機動展開能力や水陸両用機能」 を指すのかが不明瞭なところがありますが ・・・・
何れにしても、その後に出てくる 「水陸両用部隊の充実・強化」 という表現と併せて見ると、この報告書を纏めた委員会の人達も、また防衛省自身も、本当に 「海兵隊的機能」 という言葉の 「海兵隊」 というものの本質・実態が判っているのか? と疑問に思わされます。
そもそも、自衛隊には 「水陸両用部隊」 など存在さえしないのですから。 (海自に 「おおすみ」 型輸送艦やその搭載 LCAC があるではないか、などという冗談は言わないで下さい。)
もっとも危惧するのは、旧陸軍のような単に “陸兵を海岸に揚陸できればそれでよし” 程度の認識ではないのかということです。
もし、長崎の相浦に駐屯する陸自の西方普通科連隊などに AAV-7 を配備してこれで訓練をし、海自の輸送艦で運んで統合運用すれば “海兵隊もどき” になる、などと考えているとしたらとんでもない話しです。
そして、例えば現代における世界最強の海兵隊を自他共に認める米海兵隊の実際・実態をどこまで理解できているのか? という疑問です。
そこで、私がかつて防大教授の時に学生に講義したものをもとに、これに最近の動向を加味した米海兵隊、そして米海軍両用戦部隊の実態・実際について、何回かに分けてお話しをしてみたいと思います。

( 同講義資料PPトップより )
(この項続く)
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次 : 「その2 米海兵隊とは何か」
丸亀の第15聯隊を水陸両用部隊にして、呉の第1輸送隊と組み合せれば…、などと妄想しておりました。
これは楽しみですね。
離島防衛としての防衛力のあり方についてはいろいろな考え方があると思いますが、まずは現代の 「両用戦」 とはどういうものか、そしてどうあるべきかということを米海軍・海兵隊を例にしてお話しして、皆さんにご理解をいただければと思っています。
その上で、機会があれば私なりの離島防衛の一方策についてご紹介していければと。