2013年06月01日

モデル・アドバイザーの独り言 (21)

◎ 第11巻 「鳥海」

シリーズ第11巻は 「鳥海」 です。 1940年 (昭和15年) の開戦直前の姿。

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本シリーズ最初の巡洋艦ですが、何故これが選ばれたかというと、最も資料が手に入りやすくしかも鮮明な写真が残されていること、らしいです (^_^;  私がお手伝いを始める前に既にこれで決まっていましたので。

もちろん 「鳥海」 は改装らしい改装もなくそのまま開戦に臨み、特に大きな損傷などを受けることなく戦歴を重ねて、レイテ沖海戦で最後を迎えましたので、年代設定も含めてこれで良かったのですが。

モニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


今までのものに比べればそれなりに良い評価をいただいているようですが ・・・・ 実はこれも今回全国発売されるまでは大変に心配、というかヤキモキしたものの一つです。

あれやこれや色々とアドバイスをしたのですが、デザイナーさんや中国メーカーになかなか上手く伝わらず、何度も手直しが (^_^;  そして結局例に漏れずスケジュール的な制約から反映されなかったことも数多く出てしまいました。

したがって、私とすれば前回の「加賀」と並び、よくまあここまで何とか見られるものになった、という気持ちが強いものの一つです。

この 「鳥海」 モデル、結果として私的に不具合として残った主なところは、

     1.艦橋前面の部品分割法
     2.主錨はもちろん、前部・後部甲板の艤装品類の表現の欠落
     3.2・4番主砲塔下の支筒部の形状不良
     4.中部シェルターデッキのモールド及び塗り分け誤り
     5.艦尾の鉄甲板部分の塗り分けの欠落

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などなどというところでしょうか。 上記はいずれもイーグルモス社には指摘したのですが、結局容れられないままでした。

特に1.の艦橋前面部品の両サイド接合部に大きな溝が出来てしまっていることは、ここが艦の顔であり、「高雄」 型のウリの一つでもありますので、非常に残念なところです。

その他、艦橋構造物下部両舷にあるシェルターデッキ通路やラッタル等々、言い出すとキリがありませんが、あまり細かいところを指摘しても、スケール的にもコンセプト的にも過剰要求になるものもありますので ・・・・


しかしながら、モデル・アドバイザーの一人として最も不満なのは、前部及び後部煙突両脇に表現された機銃です。

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前部煙突両脇の機銃は、デザイン段階で 「ここには機銃はないよ」 と写真や図面を示して指摘し、一度は修正されていたのですが、いつの間にか知らないうちに元の状態に。

また後部煙突両脇の機銃は、元々のデザインでも正しく13ミリ4連装機銃になっていたのですが、これまたいつの間にか25ミリ連装機銃に。

イーグルモス社の担当者に理由を質したのですが、確たる理由説明もないまま、いつもの 「今からでは間に合わない」 (^_^;  それはないでしょ、と思うのですが ・・・・


そして今回のモデルの最大の不具合は部品の合いの悪さでしょう。 船体と上甲板の接合部はともかくとして、何故これ程まで至るところに隙間や段差が出来てしまっているのか。

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シリーズ既刊のものもそうだったのですが、これまでの戦艦や空母に比べるとスッキリしたシンプルな形状ですし、組立なども少しずつ良くなってきましたので、余計に目立ちます。

この部品の合いの悪さも毎回毎回指摘してはいるのですが、顕著な改善は今のところ見られません。 この辺はシリーズの今後のことを考えるともう少し何とかしたいところですね。


とは言っても、おまみ氏の評価通り、全体のスタイルとしては本シリーズのコンセプトに合致した出来であると思います。

もちろん、本シリーズ共通の問題である組立・塗装については徐々に改善されつつありるとはいえ、相変わらず残っていることは事実です。

予定どおりの80巻まで完結するには、引き続きイーグルモス社及び製造の中国メーカーの改善努力を期待するところですね。


残念ながら本シリーズのスケール・モデルとしての完成度は、現在の1/700ウォーターライン・シリーズのような市販のプラスチック組立モデルのレベルのようにはとてもいきません。

これはこの連載当初にも申し上げたところですし、当然のことならが、それら組立モデルと比較して論ずること自体が筋違いなことです。 目的が異なるのですから。 それに加えて、商業流通商品というコストの面から致し方ないところも多いので。

より精密度のある、よりクオリティーの高いものを要求される方々には、組立モデルの方をお薦めします。 そして納得のいかれるところまで手を入れられるとよろしいかと。 80隻揃えて並べる、手間暇と、腕と、根気と、財力があれば、ですが (^_^)

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