そしてそう言う方々がまず悩むのは、では艦船とはどの様に作られているのか、何がどの様になっているのかという “メカニズム” 一般についてどの様な資料をみたらよいのか、ということでしょう。
今回は、そういう艦船のメカニズムについて判りやすく図解したものをご紹介します。
「グランプリ出版」 というところから出ています 『軍艦メカニズム図鑑』 というシリーズで、次の4種5巻です。
『日本の巡洋艦』 (森恒英、初版1993年)
『日本の駆逐艦』 (森恒英、初版1995年)
『日本の航空母艦』 (長谷川藤一、初版1997年)
『日本の戦艦 上・下』 (泉江三、初版2001年)



このシリーズは、当初森恒英氏が手がけられたものですが、氏がお亡くなりになられた後、長谷川氏、泉氏とその意思を受け継がれて出版されたものです。
森氏の経歴からも、元々は艦船モデラーの方々を強く意識された内容でしたが、最後の戦艦については著者の泉氏の特色が出て、造船面からする色合いが強くなりました。
このため、この戦艦編についてはモデラーさん達からちょっと不満の声が揚がったようですが (^_^;
何れにしましても、史料に基づく図解をふんだんに取り入れたもので、視覚的にも非常に判りやすいものになっています。
この方面に関心のある初級〜中級者の方々にとっては恰好の参考書であると共に、上級者の方々でも手元に置いておくと良い資料集になるでしょう。
ただ残念ながら、このシリーズはかなり増刷されたようではありますが、現在では全て絶版になっております。
まだお持ちでない方は、古書になりますが是非とも入手されておいて損はないと思います。 もちろん全てを揃えなくとも興味のある艦種だけでもよろしいかと。
またこのシリーズの現代編として、次の2冊が出ています。
『艦船メカニズム図鑑』(森恒英、初版1989年)
『続 艦船メカニズム図鑑』(森恒英、初版1991年)

森氏によって上記の軍艦シリーズの前に出されたもので、海上自衛隊の艦船を中心としており、内容的には同じく艦船モデラーの方々を強く意識されたものとなっています。
もちろんこの2冊も既に絶版ですが、比較的簡単に古書で手に入るようですので、海自艦船に興味のある方は揃えておいて損はないでしょう。
そろそろどなたかに最近の艦艇を集めたこの続編を出して欲しいところですが (^_^)
最後にもう少し船舶工学的な観点から書かれたものをご紹介します。 「海人社」 の月刊誌 『世界の艦船』 の別冊として出ているもので、
『艦艇工学入門 −理論と実際−』 (岡田幸和、初版1997年)

岡田氏は元造船技師で、海自艦艇の建造にも携わられた経験から本書が書かれており、その書名のとおり上でご紹介したメカニズム図鑑とは少々一線を画したものとなっています。
とは言っても、純粋な船舶工学入門ではなく、メカニズム図鑑的な色合いも多いため、ちょっとどちら付かずの中途半端的な編纂になってしまっているのが残念と言えば残念なところです。
メカニズム図鑑レベルを終えられた方々が、専門的な船舶工学に入る前の導入編としては恰好の読み物と言えるでしょう。
ただこれも現在では絶版になっていますが (海人社に直接注文すればまだ有り?)、古書では結構出回っているようです。