現在比較的簡単に手に入るものとしては、E.B.ポッター編集の 『 Sea Power : A Naval History, 2nd Ed 』 (Naval Institute Press, 1982) くらいでしょう。

ただし、これは第2版とは言いながら実際は初版の要約版でして、初版の約900頁に対してその約半分弱の約400頁でしかありません。
この初版の方は、1960年に Prentince Hall という出版社から出されておりましたが、現在でも古書として比較的手に入りやすいかと思います。

通史ではありますが、当然のことながら米国、米海軍からの視点が強く打ち出されていることは仕方のないところでしょう。 それでもこれ1冊あると便利です。
私的には、もし第2版の新刊を購入されるなら、初版の古本を探される方をお薦めします。 内容も豊富ですし、値段もあまり変わらないようですから。
因みに、この初版の中の第35〜43章だけを抜き出したものが、実松譲、冨永健吾両氏の共訳によって 『ニミッツの太平洋海戦史』 (恒文社、1962年) として出ています。 これは読まれた方も多いのではないでしょうか。

で、この通史を戦史教育の参考資料として海上自衛隊が活用しなかったはずがありません。 上記の邦訳出版された第35〜43章を除き、残り全部を昭和40年から41年にかけて幹部学校の指揮幕僚課程学生に課題の一つとして分担し訳させ、それを同校研究部で纏めたのがこれ ↓ です。

全3巻、約1200頁あります。 学生の訳ですから読みやすいとは言い難いものがありますが、それでもちょっとした調べ物の時には英語の原本よりは遥かに楽であることは間違いありません。 もし原本とこれの両方があるなら、該当項目をこの邦訳版で確認してから原本に当たれば更に便利です。
印刷部数180部とあり、しかも同校内での教育使用ですから、もう残っていないでしょうねぇ ・・・・ もったいない。
では、日本で作った通史はないのか? と言うことですが。
かつて海上自衛隊幹部学校の研究部で、その成果として第2次大戦までを纏めたものが昭和56年に 『世界海戦史概説』 全5巻として作成され、同校の戦史教育用に使われた他一部は部内配布されました。



そしてこの部内用とは別に、第4巻と第5巻の2分冊であった太平洋方面のものを1つに整理して全4巻としたものが、現職の海自幹部を中心とする有志の集まりである 「兵術同好会」 によって印刷・製本されて、希望する会員などに有料配布されました。
ただ、募集方法や期間が極めて限られておりましたので、ある意味 “知る人ぞ知る” になってしまった感が無きにしもあらずで、実は私も当時艦艇勤務中で申し込みを逃してしまいました。 ですから、この 「兵術同好会」 版の方は持っておりません。 もしかすると皆さんの中にはお持ちの方がおられるのではないでしょうか。
この 『世界海戦史概説』 は、上記のように幹部学校研究部の研究成果ですので、当然まだ続きがあります。
現在このシリーズとして纏められて部内配布されているのは、第6巻の 『その1 朝鮮戦争』 と 『その2 中東戦争・印パ戦争・キューバ危機』 の2分冊です。 ただし、これはまだ既刊の第1〜5巻のように一般の方々向けには公開されておりません。

また、既に 「湾岸戦争」 についても一つの研究成果がありますので、これもそのうちこのシリーズに入るものと考えます。

実は ・・・・ 海上自衛隊には戦史教育用として幹部学校のこれら一連の研究成果をディジタル化した正規のCD版があるのですが ・・・・ と申し上げたら、欲しい人もおられるのでしょうねぇ ・・・・ (^_^;
「ニミッツの太平洋海戦史」だけでも大変な分量なのに実はほんのちょっとだけの「分冊」だったとは・・・いやはや、驚きです。全部読んでみたいですね。
CD版があるのですか?市販されれば結構売れると思うのですが・・・少々高くても僕は購入したいと思います。戦史叢書でさえ今では県立図書館クラスにまで出向かないとなかなか閲覧できないですから・・・
>全部読んでみたいですね。
アマゾンでも古書で5〜6千円くらいからあるようですので、これならお買い得だと思います。 なにせ900頁もありますので (^_^)
まあ、戦史叢書の方は古書でもかなり出回っていますが、全巻となるとまず置く場所がちょっとですが ・・・・
>市販されれば結構売れると思う
私もそう思いますよ。 複製を1枚2千円くらいで売って、売り上げを震災義援金に廻す ・・・・ これも一つのアイデアですね。