2011年03月06日

「第2次大戦中の対潜戦闘」

 今回ご紹介する資料は、第2次大戦中の対潜戦に関するものです。

 米海軍のOEG (Operations Evaluation Group) が1946年に出した報告書 『 OEG Report No.51 Antisubmarine Warfare in World War II 』 です。

OEG_Rep_No51_Cover_s.jpg

 本資料は2部構成となっており、第1部が1941年〜45年の大西洋における対潜戦を7期に分けての統計的概観であり、第2部が対潜戦における各種戦術の詳細な分析です。

 第1部の統計的な手法による簡潔な概観はもちろんですが、第2部での独航船と船団と問題、艦艇や航空機による攻撃法、レーダーの用法など、素晴らしい内容が盛りだくさんです。

 対象となっているのは独潜水艦のみで、日本の潜水艦に対するものは皆無です。 残念ながらそれくらい日本海軍の潜水艦は米海軍の対潜戦においては全く問題にされていなかったということです。

 この資料は研究者の間ではよく知られたものでしたが、残念ながら最近まで一般に知られることはありませんでした。 元々が秘密文書でもなかったのですが、何故か原本が部外に出ることがほとんどなかったことにもよると思います。

 しかし、最近ではこれの全文が有名な 「Hyperwar」 というサイトで公開されており、誰でもが読めるようになりました。


 この資料は、当然のことながら海自でも米海軍から入手し、翻訳の上参考資料として部内配布されました。 昭和30年 (1955年) の事です。

OEG_Rep_No51_ASWinWWII_s.jpg

 海自でもその名を知られた筑土竜男氏の翻訳ですから、訳も適切で、かつ解りやすいものであることは申し上げるまでもありません。 

 ところが、残念ながら目先の事しか興味のないのが海自の悪い癖で、この折角の資料もほとんど活用されることも読まれることもなく消えていきました。

 今となってはまだこれが残っているものがあるのかどうか ・・・・ ? この方面に興味のある一般の研究家の人にとっては、これが日本語で読めるのですから多分垂涎の資料となったと思うのですが。

 もちろん、ここに書かれた内容まで踏み込んだ日本語の一般刊行物は未だに出てきていないことは申し上げるまでもありません。
posted by 桜と錨 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと
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