前回の (3) でも記注しましたが、これまで電子戦 (Electronic Warfare) については大きく次の3つに分類されてきました。
ESM : Electronic Warfare Support Measure、電子戦支援対策
ECM : Electronic Counter Measure、電子対策
ECCM : Electronic Counter-counter Measure、対電子対策
この3つの用語については、皆さんもよく耳にされておられると思います。 これらが現在では次の様に変わりました。
ESM → ES (Electronic Warfare Support、電子戦支援)
ECM → EA (Electronic Attack、電子攻撃)
ECCM → EP (Electronic Protection、電子防護)
もちろん、単に名称が変わっただけではなく、その内容も若干変わってきました。 電子戦におけるこれらの位置付けについては、例えば次の図をご覧ください。

( 後述の 「JP 3-13.1」 より )
これは、戦闘様相の変化に伴い、C2W (Command and Control Warfare)、IW (Information Warfare)、NCW (Network Centric Warfare) などの概念が次々と出てきたことによります。
現在の米軍における情報戦 (IW) の中での位置付けについては、次のとおりとされています。

( 後述の 「AFD 2-5.1」 より )
当然ながらこれらの概念は、米軍が変わればそのまま自衛隊もほぼ自動的に変わるわけで (^_^;
そこで、現在の米軍における電子戦の概念やドクトリンについてですが、次のものが公表されています。 これらのものは、言わば “考え方” の話しですから秘密でも何でもありません。

( 統合軍 『JP 3-13.1 Electronic Warfare』 )

( 陸軍 『FM 34-1 Intelligence and Electronic Warfare Operations』 )

( 空軍 『AFD 2-5.1 Electronic Warfare』 )

( 海兵隊 『MCWP 3-40.5 Electronic Warfare』 )
では、米海軍は何故この種のドクトリンが無いのか?
まず一つはわざわざ文書にして出す必要性がないことと、二つ目のは陸軍や空軍とは少し考え方が違うということがあります。 それは米海軍のドクトリン全般の現状をご覧いただければご理解いただけるでしょう。
米海軍にしてみれば、海の上でのことに “統合” など余計なお世話、陸・空軍が海軍に合わせればそれで充分と考えているのでしょう。
その代わり、戦術・テクニックなども含めた電子戦関係のマニュアルや資料類には多くのものがあります。 もちろんこれらは少なくとも 「極秘」 以上で、部外に出てくることは全くと言ってよいくらいありません。
では電子戦の実際面ではどこが最も進んでいるのか?
これはもちろん当然のこととして米海軍が圧倒的です。 米空軍では? と思っている方もおられるかも知れませんが、一般にも出回っている内容を垣間見るだけでもそれはお判りいただけるかと。
これは我国の海自と空自を比較しても同じことです。 もちろん我が空自などはちょっとお粗末に過ぎるのですが (^_^;