
( 画像 : Google Map より )
明治期以降は一時陸軍の小立野練兵場として使用されていましたが、その後陸軍関係の施設や護国神社などが建てられました。 その関係もあって、現在では美術館や博物館などの公共施設が多く、また緑が多く残されているため市民の憩いの場の一つともなっています。
通常の散策としては、広坂交差点から兼六園沿いに坂道を登っていくのですが、今回はちょっと違ったコースで。

広坂交差点にある 「石浦神社」 の前を通ってその先の 「石川県立図書館」 の脇を奥に入りますと 「金沢市立中村記念美術館」 があります。

この中村記念美術館は、元中村酒造社長であった故中村栄俊氏の収集美術品を公開しているところで、敷地内には新築の本館、移築した旧中村邸と茶室 「梅庵」 などがあります。
残念ながら時間の都合もあって中を見ませんでしたので、詳しくはこちら ↓ の公式サイトをご覧下さい。
で、何しにここに寄ったのかと言いますと、この敷地の奥に抜け道があるのです。

鬱蒼と茂った本多の森の中の古い石段を50mほど登りますと、「石川県立美術館」 の裏に出ます。

( 県立美術館の裏側 )
この美術館、表側の外観を見る限りでは別にどうということはない建物なのですが ・・・・


中は高級デパートのブティック売場風です。 エスカレーターまで付いています。


そこで、顔に似合わず何故美術館などに入ったのかと言いますと、丁度開催していた「日展」 を見るために
・・・・ ではなくて、実はロビーの奥にちょっと洒落た喫茶店があるからなんです (^_^;

「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ・金沢」 という、石川県出身のパティシエ 辻口博啓氏の系列のお店です。 したがって、ケーキが美味しいとの噂。

( ケーキはショーケースから選べば、飲物と一緒に持ってきてくれます )
美術館の中とは思えない落ち着いた良い雰囲気です。 先の抜け道から上がったところの写真が、ここの外側になります。

(あっ、向かいの席の美人マダムを撮ったわけではありませんので (^_^; )
もちろん当然店内は女性客ばかりの中で、おじさんは一人淋しくケーキを (^_^) 大変美味しかったのですが ・・・・ コーヒーは “×” 紅茶にしておけば良かった。

一休みして外に出ると、この県立美術館の向かい側に 「金沢神社」 の鳥居がひっそりと建っています。

ここは加賀前田家の祖先と言われる菅原道真公を祀ったところで、元は 「竹沢御殿御鎮守天満宮」 と言われたものが、明治の始めに今の 「金沢神社」 に改称されたそうです。


通りに戻ると、脇に古い 「辰巳用水」 の用水路があり、その道の先に国の重要文化財に指定されている 「成巽閣」 があります。

一度は見る価値はあるところですが、今回は例によってパス。

詳しいことは公式サイトをご覧下さい (^_^;
この成巽閣の道沿いの先に、「兼六坂上」 というT字路があります。 そこから右手の道沿いには長い土塀が続き、それに沿って先の辰巳用水路が流れています。

この長土塀のあるところが加賀藩家老であった奥村宗家1万3千石の屋敷跡で、明治期から今次大戦終戦までは 「陸軍第二病院」 があったところでもあります。
戦後は 「国立金沢病院」 が置かれ、現在では近代的な 「金沢医療センター」 となっており、昔のものはこの長土塀と用水路のみが残されているだけです。

この道を用水路沿いにしばらく歩き、次のT字路で右折すると、大変立派で大きなホールが見えてきます。 元 「厚生年金会館 ウェルシティ金沢」 の附属施設だったところで、2009年に閉鎖され、現在では北陸電力が買い取って 「北陸電力会館 本多の森ホール」 となっています。

( 確かここには私が中学の時は市の野球場があったはずで、それくらい広い敷地です )
隣接する本来のホテル・結婚式場は県が買い取るという話しもありますが、どうなっているのか ・・・・ ? まあ、これも例のデタラメな社会保険庁がらみの一件ですね。
このホール前から木立の中の道沿いに進みますと、先の県立美術館の前に出ます。

そしてそのまま進み、坂を下ると、最初の出発点の広坂交差点に戻ります。

この本多の森、ご覧のように現在では大変綺麗に整備された市民の森となっています。
そしてここ本多の森には、ご紹介した施設以外に旧軍に関連したものが幾つか残されていますが、これは次回で。