これから連載を始めます 『飛翔雲』 は、海軍兵学校第61期 (昭和8年11月18日卒業) の高橋定氏の回想録です。
この回想録は、かつて私が防大学生〜初任幹部の時代に海上自衛隊の部内誌に連載されたもので、その後改めて1冊に纏めて印刷・製本の上、部内誌別冊として限定配布されました。
タイトルは部内誌連載当時は 『航空事故漫談』 『続航空事故漫談』 でしたが、一冊に纏められたのを機会に 『飛翔雲』 と改められたものです。
著者の高橋定氏は、私のブログにお見えになる方々ならその名をご存じない方はおられないと思います。 艦爆乗りで、特に 「瑞鶴」 艦爆隊長としての勇猛果敢な活躍振りなどは余りにも有名な話しですから。
戦後は海上自衛隊に入られ、航空畑の要職を歴任された後、幹部学校長・海将で定年退官されました。
私事になりますが、私が防大受験の時に、偶々ご縁があって進学相談で氏にお目にかかったのが最初でした。
この時は市ヶ谷 (当時) の幹部学校長室でお会いしたのですが、南太平洋海戦時の戦傷で顔面に大きな火傷の痕が残っておられましたが、むしろその事を誇りとするかの如く、堂々として話しをされたのが強い印象として残りました。
また、氏から 「私が身元引受人になるので、心配することなく、是非防大・海自の道に進みなさい」 と言っていただき、大変嬉しく、また心強く感じた次第です。
これが氏とのお付き合いの始まりで、その後は度々川崎のご自宅にお邪魔したりして色々なお話やアドバイスをしていただきました。 ある時などは、「もう退官したから君にあげるわ」 と言って、海将の階級章の着いた制服を一着いただいたこともありました。
一人息子さんは別の道を歩まれましたので、もし氏に海軍の可愛い後輩・後継ぎの一人と思っていただけていたとするら、こんな幸せなことはありません。
ある意味、今日の私があるのも氏のお陰と言っても過言ではないと思っています。
残念ながら先年お亡くなりになりましたが、氏が武人として、艦爆乗りとして極めて優れた方であったことはもちろんですが、真面目で誠実な人柄、歴史・漢詩を始めとする溢れる教養は、心から尊敬し信頼するに足る人でした。
このことは、これからの連載をお読みいただければ、皆さんにも十二分に感じ取っていただけるものと思っています。
この回想録は、私にとっても先の 『聖市夜話』 と同じく、幹部海上自衛官としての勤務上の “教科書” の一つでもありました。
しかし残念ながら、今ではかつて連載された部内誌はもちろん、後に1冊となって配布されたものも海自部内にはもうほとんど残っていないと思います。 だからこそそれが時々古書店に並ぶわけで。
私も定年退官した今、この素晴らしい回想録が現役の若い海上自衛官のみならず、ましてや一般の方々の目に触れず、このまま消え去ってしまうのは如何にも惜しい、勿体ない、そう思わずにはいられません。
また、氏に可愛がっていただいた者であるからこそ、これを後世に伝える責任があると思っています。
ご遺族のその後の詳しいことは判りませんので、私のこのブログでの掲載に当たり著作権についての許諾は得ておりません。 また海自の発行元にも版権や編纂権上の承諾も得ておりません。
したがって、正式にはそれらのことを無視したものであることを承知の上で掲載いたします。 それは上に記したとおりの意志からです。 この貴重な回想録は、日本人としての宝だと思うからです。
このブログにご来訪の皆様も、是非じっくりお読みになり、この回想録の素晴らしさを味わって下さい。
ただし、正当な権利を有する方からの要求があった場合には直ちに削除することは言うまでもありません。 これが前提での掲載であることを予めお断りしておきます。
2009年08月24日
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またまた楽しみな連載が始まりますね!
わくわくドキドキします。
先程第1話をUPしました。 これからどうぞお楽しみ下さい。
夜空を見上げてもサッパリ馴染みのない星座ばかりで、いささか当惑致しております。
かくも短いご休養後のご連載、有難く拝読させていただきます。読む前からワクワク・ドキドキ・ハラハラ致しております。
いや〜、実に羨ましい環境のご様子で。 星空の下、この回想録はまさにピッタリの読み物かもしれませんね (^_^)