そこで業を煮やした当時の米海軍作戦部長(CNO)と米海兵隊総監(CMC)は、連名で統合幕僚会議議長(CJCS)に意見書 ↓ を出したんです。

要は、海外への展開・遠征とならざるを得ない米軍にとってのミサイル防衛は、能力が低い上に手間暇がかかるPAC−3や訳のわからないTHAADなどは放っておいて、それらよりは遙かに能力が高くかつ既に実用化の目処が立っているNAとNTWでいいじゃないか、ということです。
実に的を得た正論であったわけです。
ところが、これに対するCJCSの返答 ↓ は予想通りというか、実に政治的・官僚的なものでした。

形式的にはNAとNTWの能力を認めたものの、可及的速やかに陸上と海上の両方の大気圏内防御(Lower Tier)システムが必要としたのです。
縦深防御といえば聞こえはいいですが、早い話が“縄張り”“既得権”を認めたと言うことです。
がしかし、これは言い換えれば、いかに今後の兵力再編の中で、米陸軍が海軍・海兵隊に比較して兵力削減の危機感を抱いているか、の現れでもあります。
(その危機感の元は、冷戦終結後の今日、生起予想脅威に対する米国の必要軍事力の見積もりで、海軍・海兵隊(= 通常両者を合わせて「Naval Forces」と言います。)に対して、陸軍という元々の本質がいかに、即応性、柔軟性、多用途・多機能性、自立性、機動性と言った現代戦遂行上必須な点に欠けるかと言うことなんですが。 まっ、これの詳細については別の機会に。)