2009年03月09日

PAC−3では23区は守れません(4)

 そのPAC−3ですが、皆さんよくご存じのように、システムとしての構成は基本的に元々の対空ミサイルの時と同じです。

 即ち、最小限の1射撃単位(FU、Fire Unit)は、数基の発射機(LS、Launching Station)とレーダー装置(RS、Radar Set)、射撃管制装置(ECS、Engagement Control Station)、発電機が各1基などです。

 当然これだけでは何の役にも立ちません。

 まず、レーダーはフェイズド・アレイ1面だけですから、そのカバー範囲は限定されたものでしかありません。

 そして、そう、指揮管制システムがありません。 ECCというのは艦艇で言えば射撃指揮装置ですから、CIC/CDCに相当する部分が無いわけです。

 したがって、少しでもまともに機能させるためには、これら射撃単位(FU)を数個と、それらを統制するものが必要になります。

 後者については、情報調整装置(ICC、Information Coordination Central)、そして場合によっては(各FUとUHFが直接通じなければ)無線中継装置が必要になります。

 これでやっと始めて何とか“多少は”使い物になるものになる部隊・システムになりますが、1個大隊(Battalion)という大きな構成になってしまいます。

 それでもまだ指揮管制に必要な対空(空域)情報機能がありません。 これらは他のもの(例えばAWACSや本格的な上位防空組織)からの情報が必要となります。

 で、考えてみて下さい。 やっとこれだけの機能を保持するために、予備品や整備機材も含めてどれだけの機材と人員が必要なのかを。

 しかもその人員には食と住が最低限必要になりますし、部隊・個人としての日常的な品々も相当な量になります。

(当然ながら、更にこの1個大隊自身に対する展開地での防護措置・兵力や補給組織・部隊などが必要になりますが、これについては取り敢えず別にしておきます。)

 したがって、その再展開・再配置には、その都度厖大な手間暇がかかることになるのは言うまでもありません。

 一例を示しますと ↓ と言うことになります。

Patriot_Air_Deploy_s.jpg


 これだって、単に物を運び終わったというのに過ぎません。

 その航空輸送能力でさえ、危機発生・有事の猫の手も借りたい時に、たったこれだけの能力のPAC−3のためにどれだけ占有されることになるのか。

 勿体ない、もっと他の方法・手段はないの? と考えるのは別に米海軍だけではないでしょう。
posted by 桜と錨 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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