NHK総合の44分版の 「坂の上の雲」 ですが、明後日の2月23日(日)はその第24回目で、第12話 「敵艦見ゆ」 の後編 が放送されます。
https://navgunschl2.sakura.ne.jp/tokusetu/NHK_Sakanouenokumo/NHK_saka_21.html
前回の第23回、第12話前編では、旅順のロシア艦隊の壊滅を確認して連合艦隊主力は内地の母港等に帰還し修理や補給を行い、これを終わって各艦ごと佐世保に集結、そして連合艦隊旗艦は一斉に鎮海湾に向かって出港するところまででした。
今回の第24回は、鎮海湾に集結した連合艦隊が参謀長加藤友三郎の主導の下、有名な内筒砲を使用した猛訓練に励むなか、真之を始めとする面々がバルチック艦隊が対馬に来るのか津軽海峡を回るのかの判断で悶々とするところです。
そして明治38年5月27日未明、遂に哨戒中の 「信濃丸」 がこれを発見、緊急信を発信し、「厳島」 経由でこれを 「三笠」 が受信し連合艦隊は鎮海湾を一斉に出港、対馬海峡に向かいます。
ついで、バルチック艦隊を視認した 「三笠」 以下はこれに接近し、有名な “敵前大回頭” を東郷が指示するところまでです。
鎮海湾での内筒砲訓練は、加賀元気劇場の 「三笠セット」 では尾栓など動かすことができるのは副砲と3インチの補助砲が1門ずつであとは固定のものでしたので、役者さん達がそれらしく演技をしてくれ、あとはカメラさんの腕です。

そして、標的は加賀元気劇場の 「三笠セット」 の脇の駐車場で的の赤旗だけのものに特効さんが命中弾があるように撮ってくれ、あとはCGさんなどが上手くそれらしく作ってくれました。



シンガポール沖でロジェストヴェンスキーが奉天会戦の報を受けるところは、マルタロケでのロシア艦セットの艦橋内です。


哨戒中の 「信濃丸」 がバルチック艦隊を発見するシーンは、マルタロケで 「報国丸セット」 を利用したものですが、当該セットには船橋部分がありませんので、サイドなどでの撮影ですが、まあこれだけの雰囲気が出ていれば十分かと。

そして、バルチック艦隊発見の報を得て連合艦隊は直ちに鎮海湾を出航し対馬海峡での迎撃に向かいます。 この時の連合艦隊司令長官から軍令部長に対する電報に真之が 「天気晴朗なれども波高し」 の一文を付け加えるシーンが出てきます。
この一文の意味するところについて、今日色々なことがネット上や刊行物などで言われていますが、この電報が起案され発信された時刻を考えればその意味するところは明らかでしょう。
http://navgunschl.sblo.jp/article/36844138.html
旗艦 「三笠」 を含む連合艦隊は直ちに出港準備、合戦準備を行いますが、この場面で特筆すべきは、「三笠」 では余剰の搭載石炭を海中投棄するところと、来るべき決戦に備えて乗員が体を清めて新しい服に着替えるところでしょう。
余剰石炭の投棄では、この ↓ のシーンに続き

投棄した石炭が海に投げ込まれるシーンはこれだけマルタロケで撮ったものです。


そして、甲板上の仮設の入浴場のシーンは、私の提案によりスタッフさんも気に入って急遽加賀元気劇場の「三笠セット」で撮影されたものですが、5月とは言えお湯では無く大変に冷たい水で、役者さん達、遂には自棄気味にお互いにバシャバシャ。 でもなかなか雰囲気は出ていると思います (^_^)

第24回 (第12話後編) の最後は、東郷が右手で取舵回頭を指示するシーンですが、最初渡氏は左に半円を書くようにグルっと手を回してしまったのですが、これは私が右手を左肩くらいの高さで停めるようにお願いしました。
ただ、加賀元気劇場の 「三笠セット」 でも露天艦橋は高くて狭いので、カメラさんは後ろからクレーンに乗って撮ったのですが ・・・・ 確か7回くらいやり直したかと (^_^)
これですね。



マルタ島ロケがこのような場面になったのですね。
このようなリアルで迫力ある映像になったのは、桜と錨様のご尽力のおかげです。