2024年12月06日

明後日 NHK 「坂の上の雲」 第7話 「子規、逝く」 前編 再々放送


NHK総合で始まっている44分版の 「坂の上の雲」 ですが、明後日の12月8日(日)はその第13回目で、第7話 「子規、逝く」 の前編 が放送されます。

Saka_Script_No07_cover_s.jpg

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/tokusetu/NHK_Sakanouenokumo/NHK_saka_11.html

この第7話前編の海軍関係では、やはり何と言っても海軍大学校における戦術・戦略図演のシーンです。

この図演の具体的なことは台本には殆ど何も無かったことと、監督の佐藤幹夫氏が江田島の大講堂をいたくお気に召して当該シーンのロケは是非ここでやりたいと言う強い要望がありましたので、このシーンは全て私が作ってしまいました。

史実の真之による海軍大学校での図演は、真之が米国留学中に米海軍大学で見聞きしたものを元にしておりますが、広いテーブルの上に駒を並べて実施されておりました。

NHK_Saka_No13_01_s.jpg

しかしながら、江田島の大講堂に適するような大きなテーブルはありませんでしたし、折角床が碁盤の目のようになっておりますので、米海軍での図演 (War Game) の一種である 「フロアー・ゲーム」 というやり方を応用し、これに旧海軍の 「海軍図上演習規則」 を元にして細かな演習要領を作りました。

NHK_Saka_No13_04_s.jpg

NHK_Saka_No13_02_s.jpg

この米海軍の図演はもちろん米海軍大学校が本場で、昭和50年代には既にコンピューターを使用したシステムとなっていましたが、その他の機関・部隊などではこの様な専用のシステムはありませんので、依然として 「フロアー・ゲーム」 が広く行われていたものです。

NHK_Saka_No13_03_s.jpg

私が東太平洋側のダム・ネックというところにあるミサイル学校に留学した時も、この方式を見聞しましたし、ミサイル・システムの授業中にしょっちゅう学生を引き抜いて学校教官達が空いた教室を使ってやっていました。

これの実施は結構人数と手間暇がかかるものですが、なかなか実践的なシナリオで、学生のみならず教官達の見識向上に役立つものであると感じた次第です。(私達留学生は参加させて貰えませんでしたが、廊下から見るのは自由で、大変面白かった記憶があります。)


とはいっても、NHKのプロデューサーや監督を始めとするスタッフの皆さん方には “図上演習や兵棋演習って何?” という程その方面の知識はまずありませんので (市販のボード・ゲームさえまず経験が無い)、まずは概要のレクチャーから始まり、駒の動かし方、戦闘結果の判定の仕方などなど、スタッフの皆さん自身で一応のところができるまで何回もやりました。

丁度このシーンの準備をしている時に、私はマルタ・ロケに参加しておりましたので、ADさんなどとパソコン通信での文書のやり取りや、携帯での国際通話などで大変でしたが (^_^)

この 「坂の上の雲」 の第7話では、江田島の大講堂を使って戦術図演 (兵棋演習) と広瀬の戦略図演の2つのシーンを撮影しましたが、スタッフの皆さんの努力の甲斐があり、またこのシーンには八代六郎役の片岡鶴太郎氏や高橋是清役の故西田敏行氏などの出演もあって、なかなか面白いものになっていると思いますが、皆さんいかがでしょうか?

NHK_Saka_No13_05_s.jpg

NHK_Saka_No13_06_s.jpg

私自身としては、この図演シーンだけをとっても “海軍軍事指導” としての肩書は十分に活きたのかな、と思っていますが ・・・・

posted by 桜と錨 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/191168780
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック