海自の災害派遣の主任務が給水支援と陸自派遣隊員の宿泊支援が本格化した第2期に入ってからのことです。
ある日の夕方、ポートアイランドに進駐している陸自の部隊から電話が入りました。 曰く、
「既に陸自が寝泊りしている艦艇以外で、入浴できるところはありますか ?」
で、「魚崎浜の阪神基地隊の直ぐ隣の日本ポート産業の桟橋にいる 「しらね」 なら可能だし、大型護衛艦だからそれなりの大人数でも大丈夫」 と。
ところがその電話口の相手は、
「あ〜、残念ながらそこは担任区の外なので行けません。」
車を連ねてさっと来て入浴が終わったらさっと帰れば、と思いましたし、そのように電話口の相手には言ったのですが ・・・・
陸自さんの部隊が複数で任務に当たる時はキチンと担任区を設定するのは判りますが、災害派遣の直接の業務以外の時の入浴でさえもこれなんですねえ。
私達海自の者にはとても理解できないところです。
(続く)
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しかし、戦前はもちろん今日でも硬直化した組織の縦割りは変わらないのですね。平常時ならいざ知らず非常時にもこれでは今後が思いやられます。
もっとも私もある硬直した組織の一員でしたが・・・(^_^;)
それにしても管理人さんの当時の適切な判断や指示には敬服します。また、震災の実情がよくわかってありがたいです
陸自・陸軍と言うのは要は“頭数”ですから、全体の均質な組織として統制をとる必要上からこういう文化になってくるんでしょうね。
>当時の適切な判断や指示
派遣部隊指揮官である呉総監の明確な方針とそれによる幕僚長薬の呉監防衛部長の具体的な指示があり、後は各幕僚の思うようにやらせてもらえたお陰ですね。