2023年01月25日

印海軍防空艦 『ヴィクラント』


「朝雲新聞」 で私が担当している 「世界の新兵器」 コーナーの艦艇編の20回目の記事ですが、掲載された昨年末12月22日付の同紙の見本誌がやっと届きました。

この20回目では、約16年もの建造期間を費やしてやっと昨年の9月に就役したインド海軍が正式名称 「防空艦」(ADS、Air Defense Ship) と呼んでいる国産の新型空母の1番艦 『ヴィクラント』 を取り上げました。

No567_Vikrant_India_s.jpg

ただ、同艦は一応就役した形になっているとは言っても、まだまだ未成のところが多々残っており、今後とも各種の試験の成果も合わせつつ改善・改修がなされていく予定ですし、現在のところ当面搭載予定のロシア製の艦上戦闘機 Mig-29K も西側のものも含めた別の機種に置き換わることが予測されますので、最終的にどの様なものになるのかは解らないところがあります。 そして2番艦にいたっては建造はまだ始まってもおらず、その行方は全く不透明な段階です。

とは言っても、本艦では艦首にスキー・ジャンプ、艦尾にアレスティング・ワイヤーの着艦拘束装置を備え、STOBAR方式による通常の固定翼艦載機の運用が可能となっています。

排水量は満載で4万5千トンもありますので、スキー・ジャンプではなく、平甲板でスチーム又は電磁方式のカタパルト装備とする事も可能だったのでしょうが、元々の当初計画を引きずるその延長でもあり、それよりもカタパルト装備には高い技術力とその連続運用のためには動力源としての原子力機関が必要とされますので、それは改めて将来的な艦のことになるのでしょう。

ところで、当該記事では本当は本級に関連して、我が海自が現在改装中のDDH 「いずも」 型について本記事の後半で言及したの (私的にはこれの方が重要なの) ですが、残念ながら他記事との関連もあり紙幅の都合で省かれてしまいました。

端的に言えば、現在知られているところに限れば、このDDHはとてもではありませんが “(軽)空母” などと言えるものではなく、単に全くの別組織たる空自が保有・運用する Fー35B に背中を貸すだけの “航空機運搬艦” “洋上移動飛行場” に過ぎません。 将来的にいつかは、「教訓」 を得て空母らしくなっていくのかもしれませんが ・・・・

ご来訪の皆さん方は当該艦をどの様にお考えになり、そして空母というのもをどの様にご理解されておられるのでしょうか。

posted by 桜と錨 at 22:28| Comment(6) | TrackBack(0) | 海軍のこと
この記事へのコメント
読者の一人です。

題名が
 伊海軍防空艦 『ヴィクラント』
ですが、この船はイタリア海軍の船でなくて、
インド海軍の船ですよね。
細かいことですけど。
Posted by kyorokyoro at 2023年01月27日 11:34
HN kyorokyoro さん

はい、うっかりミスってましたね  m(_ _)m

Posted by 桜と錨 at 2023年01月27日 14:26
月刊誌 『丸』3月号と併せて拝読しました。

『いずも』型の空母化は長年抜けていた空母の運用ノウハウやF-35の運用など諸々含めて実験艦的に意味合いが強いのかなと思いました。

『いずも』で得た経験を基に、次建造するときに『アメリカ』級のような強襲揚陸艦のようになるのか、イギリスの『QE』のようになるか...艦載機も海自で新設するのか空自の部隊を吸収するのかも変わってくるのかもしれないと思いました。(吸収するイメージは全然湧きませんが…)

Posted by 劔 at 2023年03月21日 22:00
劔さん、こん**は。

>艦載機も海自で新設するのか空自の部隊を吸収するのかも

全くどうするつもりなのかを“言わない”“出さない”のですが(思考錯誤中だと誤魔化していると言えばそうなのですが)・・・・それ以前に“制服を着た能吏”の海幕はもちろんですが、単なる役人組織である防衛省も「空母」というのを判っていないのでしょうね。

そしてそれ以上の問題は、創設から70年経っても“帝国陸軍本土防空隊”の感覚から一歩も出ない空自では (^_^)

何せ、もう25年も前からでさえ、空自機は洋上の艦艇攻撃には全く役に立たない、脳が無いことはハッキリしているのですが。

Posted by 桜と錨 at 2023年03月22日 19:28
遅くなりまして申し訳ございません。

艦隊防空だけだったら護衛艦の負担も幾分減るのでしょうが、F-35だけでの艦艇攻撃だと投射出来る数も多くないと思うので対処されてしまいそうな気はします...。

フランスが今後建造を始めるPANGのような空母を艦載機セットで自前で1から出来ればよかったのでしょうが、政治的配慮や今の時局では間に合わない等々...と考えたりもしました。
Posted by 劔 at 2023年03月26日 23:44
劔さん、こん**は。

>艦隊防空だけだったら護衛艦の負担も幾分減る

空自が自分で運用・管制する限りは負担軽減に繋がらないでしょうね。

しかもいまだに戦術的早期警戒機も電子戦機もないどころか、自分で洋上を飛ぶことさえできませんし、ましてや自分で目標を捜索・識別することなど。

それにDDHが“必要に応じて”背中を貸すだけの F-35B は、パイロット以外の整備員達もただそのためだけにその時だけ乗ってくるのでしょうか、食・住サービス付きで?

Posted by 桜と錨 at 2023年03月27日 00:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/190136407
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック