故伊藤茂氏の著作 『艦橋勤務』 については、既に本家サイトにて文字起こし版を公開しております。
これは昭和49年に海上自衛隊第1術科学校にて教育用に印刷、配布されたものですが、当時から大変に見にくいもので、そのままでは読むに耐えられないところが多々あります。
このため、手書きのイラスト以外の全文を私が文字起こしをしたものです。
この度、ご親族のご厚意によりお借りした氏の旧海軍・海上関係史料の中に、この 『艦橋勤務』 の元原稿が遺されていました。
これをディジタル化してPDFファイルとしたものを本家サイトの当該ページに追加公開しました。
ただし残念ながら、昨今のネット事情から画質を少々落としてファイルサイズを小さくし、かつ各ページにサイトの透かしを入れておりますし、またごみ取りなどはほとんどしておりませんが、十分にお読みいただけると思います。
本資料は既に半世紀も前に作成され配布されて以降、その後その姿を見たこともありませんし、またその代わりの新たなものが作られたとも聞いたことがありません。
本資料に述べられていることは、艦艇勤務となった初級幹部が会得しておかなければならないことばかりであり、候補生学校や練習艦隊においてしっかりキチンと教えていなければならないことですが ・・・・ 最近はGPSや電子海図などを利用して技量が上がっていないのでは、と。
余談ですが、かつて私が 「きりしま」 艦長の時、夜航海で艦橋の艦長席でウトウトしていると、副直士官が 「艦橋、間もなく変針点〜」 と言う報告の声がすれども灯台の明かりが見える陸側のウィングには見張員以外おらず。 どこかと見回したらカーテンで仕切った海図台の中からGPSの表示器を見ながらだったことがありましたが ・・・・ (^_^;