本家サイトの今週の更新の2つ目として、『現代戦講堂』 の 『資料展示室』 コーナーにて 1987年に改訂版の Rev.A が出された 『NWP-1 (A) 米海軍の戦略構想 (Strategic Concepts of the U.S.Navy) 』 の原典版と邦訳版の2つを公開 しました。


http://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/19_USN_Strategic_Concept.html
http://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/tenji_main.html
原典は米海軍の公式サイトでは文字起こしをした全文が既に公開されていますが、原本の複製はネット上でもまだどこにも無いようです。 また邦訳版の公開も初めてのことと思いますので、ここに本サイトにて両方を併せて公開する価値があるものと考えます。
現在、ウクライナ情勢や日本を取り巻く中国・北朝鮮・ロシアの状況から、防衛力増強の議論が高まっておりますが、GDPの何%にするとか、積み上げられた総額云々ばかりで、日本の国益とは何かに始まり、国家戦略やそれに基づく国家軍事戦略、そしてそれによる必要な防衛力のあり方、という系統的・論理的な最も肝心な話しは全く出てきておりません。
そして、中期防衛力整備構想、毎年出される防衛白書の 『日本の防衛』 などは、この予算の総枠を前提とした “メイキング” の話しであり、そして陸・海・空自衛隊のそれぞれの縄張り争い、発言力の強化に終始しております。
私も、現役時代を振り返って、この 『米海軍の戦略構想』 の様な本当に納得のいくものを見たことも聞いたこともありません。
全て官僚や制服を着た能吏達による “後付けの屁理屈” ばかりでした。
日本の存立と繁栄のための、その基礎・基盤となる本当の防衛力のあり方の議論がいつになったら出てくるのかと期待しているのですが ・・・・