2022年04月03日

戦略地誌 『尖閣諸島』 PDF版公開 !


今週の本家サイトの更新として、「現代戦講堂」 中の 「資料公開室」 コーナーにおいて、平成10年に海上幕僚監部調査部が出した 『戦略地誌 (尖閣諸島)』 を公開 しました。

http://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/18_Senkaku_Takayama_H10.html
http://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/tenji_main.html

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この資料の元々の表紙には 「部内限り」 と記されていますが、海自OBの高山雅司氏(防大1期) が一般公開資料などを基に纏めたもので、秘密事項などに当たるものは全く含まれておりませんし、また内容について、発刊元の海幕調査部には一切の責任は無いとされている ものです。

当然ながら、その内容は “防衛省の職員以外の者にみだりに知られることが業務の遂行に支障を与えるおそれがある” ものでも何でもありません。

これからすると、何故 「部内限り」 なのか、という理由は全く不明であり、その指定には疑問がありますが、おそらく調査部としてこの程度のものしか 「戦略地誌」 として作成し部内配布できないことが部外に知られたくないからでは、と勘ぐらざるをえません。

内容は、編纂者の高山氏が平成9年3月までの一般公開資料に基づくものであり、その後の現在に至るまでの事項については含まれておりませんので、現在となっては少々古いところがあります。

しかしながら、とは言ってもここまでのものはネット上でもまずありませんので、昨今の情勢から、尖閣諸島については一般の方々の関心も高まってきておりますので、同諸島の状況や経緯などについて理解するためには貴重なものであると考えます。

本資料が現在もなお海上自衛隊に残っているのかどうか判りませんし (当該文書の性質上、当然、新しいものが出されていると考えられますが ・・・・ ?)、例え残っていたとしても、海上自衛隊自身の手で公開されることは他の資料・史料の例からしてもまずあり得ないことでしょう。


なお、資料中に含まれます写真や図などについては、今ではもっと綺麗なものがネット上でも入手できますので、これらについてはそちらをご参照いただきたいと存じます。

例えば、衛星写真は Google Earth で、また地図は国土地理院のもので、それぞれ大変に綺麗で詳細なものが入手可能です。

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また、写真については、古くは明治年代のものが石垣市発行の 「八重山写真帖」 など、

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あるいは戦後に個人や機関などで調査した時のものなど、様々なものが公開されています。

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また、航空写真も防衛庁(省)や海上保安庁などから大きなサイズで綺麗なものがいくつも公表されております。

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それにしても思うのは、我が国の固有領土である尖閣諸島について、何故、いまだにキチンとした 実効支配 の体制を作らないのでしょう?

政府、政治家、外務省の官僚達などなど、全てについて中途半端、と言うか、いい加減な状態で放置 してきたというのがこれまでの実態でしょう。

平成12年に東京都が募った寄付金13億円超などは、その直後に尖閣諸島全体が国の管理下に置かれたとはいえ、いまだに棚上げのままで。

微力ながらも我が国の防衛のための世界に身を置いてきた者として、まったく情けない限りです。

posted by 桜と錨 at 12:36| Comment(6) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
この記事へのコメント
主砲旋回歯車の件以来、4年ぶりです。
お元気そうで何よりです。
ロシアの黒海艦隊旗艦モスクワ(1万トン)が撃沈されたという吉報が飛び込んできましたね。プーチンの余命がだいぶ縮まりました。

もし私が防衛大臣だたら、尖閣にレーダーサイトを作る予算をマスコミにも中国にも黙って付けますね。

『島は管理すれど守らず』

・・・が領土防衛の鉄則です。

例によって大和ネタですが、

魚雷攻撃を受けた時、魚雷が100m程の距離に迫った時に、主砲を空砲で打てば、魚雷を誤爆させる事が出来たかどうか?

という話です。
日本軍の潜水艦の魚雷が敵艦のウェーキに反応して信管が誤作動したという件がありますが、
その程度の衝撃波なら、主砲の爆風で代用して余りあるのでは?という事です。

未だに核装備やら敵基地攻撃能力やら、ミリオタのお花畑理論が絶えませんが、
戦艦部隊を持てば、島嶼防衛は勿論、敵地への報復攻撃も安い経費で可能となります。
北方領土への上陸船団を含めても、防衛費10%増くらいで可能ですから。
ロシアの極超音速ミサイルの最終迎撃にも主砲の空砲が使えるかどうかという点も含めて、検討する価値があるかどうか。
命中コースで飛んでくる限り、損傷は免れないでしょうが。
Posted by GOME at 2022年04月14日 20:19
GOME さん、お久しぶりです。

>尖閣にレーダーサイト

(^_^) サイトの防護はもちろん、港湾、発電、隊員の居住設備など莫大な手間・暇・費用がかかりますね。

>主砲を空砲で打てば、魚雷を誤爆させる事が出来たかどうか?

できません。 魚雷の信管は空気の衝撃波では作動しません。

>島嶼防衛は勿論、敵地への報復攻撃も安い経費で

我の上陸作戦の支援射撃などでない限り、大口径砲というのはあまり意味がないと思いますよ。

>ロシアの極超音速ミサイルの最終迎撃にも

まず、というよりほどんど無理ですね。 それをするくらいなら、レーザー砲の方が良いですし、更にはそのミサイルのホーミングを狂わせる方がなおベターです。

Posted by 桜と錨 at 2022年04月15日 14:37
>できません。 魚雷の信管は空気の衝撃波では作動しません。

爆圧は水中にも伝わりますが。
「何気圧なら信管が作動するか?」という話で、
20気圧以上なら無理だとしても、5気圧程度なら可能性ありという事です。
装薬を強装の倍にすれば、爆圧は4倍くらいになります。船体強度も相当上げなければなりませんが。

>我の上陸作戦の支援射撃などでない限り、

そこに効果があるなら、わざわざ逆上陸しなくとも、艦砲射撃だけで敵はさっさと白旗を上げるという事ですが。
上陸した敵に逃げ場所はないのですから、黙っていれば木っ端微塵に吹き飛ぶだけです。

>レーザー砲の方が良いですし

未だに実用化されませんが、
ヘリのようにほとんど動かずにいる標的なら可能かも知れないですね。
ホーミングを狂わせる(標的を見えなくする)のは基本ですね。
アメリカ空母の中国の弾道弾対策は大丈夫ですか?
Posted by GOME at 2022年04月17日 17:00
GOME さん

>爆圧は水中にも伝わりますが。

ですから、それでどうして魚雷の信管が作動するのでしょうか? それを申し上げております。

>装薬を強装の倍にすれば

「空砲」ということはご存じですよね。 装薬は「黒色火薬」になりますが。 しかも “強装の倍”とは一体どういう意味でしょうか?

>わざわざ逆上陸しなくとも、艦砲射撃だけで敵はさっさと白旗を

わざわざ艦砲射撃などをする以前に、海上封鎖で後続・補給を絶つことが先で、かつそれだけでも十分です。 “海を隔てた離島” なんですから。

>ヘリのようにほとんど動かずにいる標的なら可能

レーザー砲はその様な目的のために開発されてはおりませんよ。

そもそも、大口径砲を積むにしても、艦及びその装備は全く新規のものになります。 特にセンサーやFCSを含む戦闘システムは。

そんなに簡単に建造できるものではありませんよ。 戦艦「大和」をもう一度現代で作っても全く意味がありませんから。

Posted by 桜と錨 at 2022年04月18日 13:45
>ですから、それでどうして魚雷の信管が作動するのでしょうか? それを申し上げております。

では、なぜ日本潜水艦の魚雷はウェーキ如きで誤爆したのでしょうか?
そんなに信管の感度が低いなら、船底表面に10センチのゴムでも貼っておけば不発になりますよね。

>“強装の倍”とは一体どういう意味でしょうか?

空砲なら砲身の強度自体が装薬が倍でも耐えられるのでは?という事です。
圧力が抜け易いのですから、数倍耐える可能性があるという事です。
船体の方は強度を上げないと持ちませんが。

>レーザー砲はその様な目的のために開発されてはおりませんよ。

どんな目的なんでしょうか?
電波妨害レベルでは実用性がないと思いますが。

>そもそも、大口径砲を積むにしても、艦及びその装備は全く新規のものになります。 特にセンサーやFCSを含む戦闘システムは。

基本は今のイージス艦と同じ管制システムではないでしょうか。
そもそも、主砲を対空目標に精密射撃する運用はほぼ無い訳ですから、GPSとだけ連携した簡素な射撃システムで良い訳で、光学測距儀も併用すれば、ロックオンしても敵に気付かれないメリットもありますね。

ウクライナ戦争での駆逐艦・巡洋艦の脆さは、所詮は補助艦艇でしかないという現実を表わしていますね。
現代に「戦艦」の名に相応しい防御力を持たせるなら、フェーズドアレイにトマホークが直撃しても1時間で応急復旧出来るレベルにはしたい所ですが。

製鉄所を駆逐艦の豆鉄砲で撃って何の意味があるのか分かりませんが、戦艦ならバンカーバスターのレベルを1時間に1000発叩き込めるのですから、半日で落ちた事でしょう。
沿岸を防衛出来れば事足りる日本で、戦艦が「役に立たない」とする根拠はないはずですけど。
何より通常砲弾1発の値段がジャベリンの半額以下ですから、コスパはいいです。

ロシア艦隊が我が物顔で宗谷海峡を通過しても、要塞砲の1つすら置かない日本は、北方領土でいざという時に何も出来ないのが現状です。
55口径の36センチ連装砲くらい置いておけば、十分威嚇にはなると思いますけど。
Posted by GOME at 2022年05月09日 00:31
GOME さん

>なぜ日本潜水艦の魚雷はウェーキ如きで誤爆したのでしょうか?

ですからなぜそうなったのか、旧海軍のを良くお調になればと申し上げております。

>船底表面に10センチのゴムでも貼っておけば不発になりますよね。

なりません。

>空砲なら砲身の強度自体が装薬が倍でも耐えられるのでは?という事です。

「空砲」とはどういうものかをもう一度ご確認ください。

>そもそも、大口径砲を積むにしても、艦及びその装備は全く新規のものになります。

たった3隻で計画が中止になった米海軍の 「ズムウォルト」 級をお考えになればよろしいでしょう。 ましてや古色蒼然たる 「戦艦」 では。

>1時間に1000発叩き込めるのですから、

一体何門でやるのかをお考えなのかは判りませんが、「砲身命数」 はご存じですよね。

>55口径の36センチ連装砲くらい置いておけば、

55口径などというのはともかく、まるで大戦中の帝国陸軍の壱岐・対馬のようですね (^_^)

ではこれにて。

Posted by 桜と錨 at 2022年05月10日 17:38
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