2021年09月04日

海上自衛隊の古い史料 −11


海上自衛隊の古い史料から、“かつては、こんなものもあったよ” という11回目です。

前回の10回目で昭和28年に海上警備隊術科学校が作成した 『射撃理論』 をご紹介しましたが、これはいわゆる入門用のものですので、旧海軍出身の砲術のオーソリティ達が “やはりこれだけでは” と考えたことは無理からぬところであります。

そこで、既にご紹介したことがありますが、まず作られたのが 昭和29年の海上自衛隊術科学校の 『攻撃理論概説並に射撃理論』 です。

Kougekiriron_S29_cover_s.jpg

そして、その射撃理論について詳細な分析を加えたものが 昭和39年に海上自衛隊第1術科学校が出した 『解析射撃理論』 全3巻と別冊 です。

Kaiseki_No1_S31_cover_s.jpg

この2つのものは、海上自衛隊が作成したものの中の “名著中の名著” とされるもので、現在に至るもこれだけの理論書が作られたことは無いと言えるでしょう。

私は遠洋航海に続き最初の艦艇勤務1年が終わった後、当時横須賀の船越にあった 「プログラム業務隊」 のプログラム2係 (現在では組織再編により艦艇開発隊の一部となっています) 勤務となり、この時にミサイル及び射撃関係を担当したことからその必要に迫られて、まだ任務射撃課程さえ出ていない身でこの2つを独学で貪り読みました。 (というより他に適当なものが無かったというのが実情ですが。)

両方とも当時既に廃板になっておりましたが、中身はまだ十分に理解できなかったものの、大変優れたものであることはすぐに判りました。

この2つ、今日においては、後者については1セット揃いで残っているようですが、前者については既に無い、というのが海上自衛隊の公式見解 のようです。

とはいっても、やはり良識のある海自OBの先輩もそれなりにおられまして、廃棄して処分してしまうのはあまりにも勿体ない、と個人的に入手して所持された方々がおられました。

ただし、それらの方々ももう相当なお歳ですので、もしかするとどこからかポロっと出てくるかもしれません (^_^;


海上自衛隊は何故このような素晴らしいものを簡単に捨ててしまうのか、その神経が理解できません。

「自分で自分の足跡を消しながら前に進む組織」 ということの表れの典型的な一つと言えますね。


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posted by 桜と錨 at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 海上自衛隊の古い史料
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