海上自衛隊の古い史料から、“かつては、こんなものもあったよ” という10回目です。
お話ししてきましたように、警備隊及び海上自衛隊の創設期においては、砲術や水雷術に限らず、全てのハード及びソフトについて何はさておきまずは米海軍に倣ってということで、関係する資料も全て米海軍のものを翻訳して纏めることからスタートしました。
で、旧海軍が誇った砲術についても “取り敢えずは米海軍に準拠して” ということで、その射撃理論についても、旧海軍のものを参考にしつつ米海軍の資料を基に作成したものが 昭和28年の海上警備隊術科学校の 『射撃理論』 です。

とは言っても、内容的には初心者に対する極めて初歩的な内容ですので、これはこれでというところがあるでしょう。
そして、私が幹部中級射撃課程学生の時代の 「射撃理論」 のSG (スタディ・ガイド) は、何と高等科射管課程の海曹学生用に作られたものをそのまま流用したものでした。 教官の手抜きと言えば手抜きであったと。
とは言っても、内容的にはこの後でお話しする海上自衛隊の名著の一つである 『解析射撃理論』 の中から概要の部分をそのまま抜き出して纏めただけのものですが (^_^;

もちろんこれらには具体的な現用装備についてのデータは含まれておりませんので、秘密でもなんでもない単なる 「普通文書」 でした。
そして更に平成の年代に入ると、1術校の砲術教育における 『射撃理論』 は幹部学生用及び海曹学生用共通のもので済ませるようになりましたが、これも 『解析射撃理論』 の内容から引用した簡略化されたものでした。

これらも現在となっては果たして残されているのかどうか ・・・・
因みに、昭和28年に警備隊術科学校が 「射撃理論」 を作成した時に参考としたとされる旧海軍資料は、おそらくこれではなかったかと考えられます。

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