海上自衛隊の古い史料から、“かつては、こんなものもあったよ” という6回目です。
前回の5回目で射撃指揮装置 Mk-37 の射撃用レーダー Mk-12、Mk-22 及び Mk-28 の史料についてご紹介しましたので、今回は捜索用レーダーについてです。
私が知る限りでは、昭和29年の警備隊術科学校、そして29〜31年に海上自衛隊術科学校において作成されたもので、次のものが (かつて) 残されていました。
何れも術科学校における 普通科及び高等科学生の課程教育用の 『レーダー機器教科書』 で、米海軍から提供された資料に基づいています。
◎ 普通科学生用
普通科学生用ですから、米海軍から貸与・供与された艦艇に装備されていた当時現用の 「SA」 「SL」 「SO-2」 「SO-3」及び 「SF」 レーダーのそれぞれの概要が纏められています。

◎ 高等科学生用
当然ながら、普通科学生より高度な専門的内容を纏めたもので、「SA」 「SL-a」 「SO-2」 「SG-1B」 及び 「SF-1」 の各レーダー機器ごとの教科書となっています。





これら以外のレーダー機器の教科書についても作られたのかもしれませんが、私が探した限りではこれしかありませんでした。
いずれのレーダーも大戦中に米海軍が開発して艦艇に装備した各シリーズものの戦後版で、各部がオリジナルのものから改善・改良が (多少) 加えられてはいますが、大戦中のこれらのレーダーを知る上で、しかも和文ですので貴重なものと言えます。
しかしながら、これらのものも現在となっては果たして海自のどこかに残されているのかどうか ・・・・
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