海上自衛隊の古い史料から、“かつては、こんなものもあったよ” という4回目です。
昭和30年に当時まだ横須賀田浦の旧海軍水雷学校跡に置かれていた海上自衛隊術科学校が作成した 『 射撃指揮装置 Mk-37 講義案 (第2編) 』 です。

太平洋戦争中に旧海軍が悩まされた Mk-37 方位盤射撃指揮システム (当時はまだ1つの射撃指揮装置という名称にはなっていませんでした) と5インチ38口径の単装及び連装両用砲、そしてVT信管付き対空通常弾の組み合わせによる砲熕武器システムの戦後型の解説書です。
戦後型ですから、射撃レーダーが Mk12 + Mk-22 のものからパラボラアンテナでコニカル・スキャンによって捕捉目標の自動追尾を行うための Mk-28 となっており、主としてこれに関連する部分の改良に伴って射撃盤は Mk-1 から Mk-1(A) に更新されたものになっています。
そして、この講義案は方位盤、射撃盤、垂直安定儀などに分かれていたものを1つの射撃指揮装置として纏めたことによる全体の解説書となっています。
したがって、この講義案は全5冊のシリーズものとなっており、各編は次のとおりでした。
第1編 : 方位盤 Mk-37 及びその付属装置と動揺修正装置
第2編 : 射撃盤 Mk-1(A) 及び照明弾盤
第3編 : 射撃指揮装置 Mk-37 全体の試験・検査法
第4編 : 射撃用レーダー Mk-28
第5編 : 射撃指揮装置 Mk-37 による射撃指揮法及び操作法
しかしながら、海上自衛隊の艦艇でこの射撃指揮装置を装備したのは、米海軍からの貸与艦艇である 「あさかぜ」 「はたかぜ」 と 「ありあけ」 「ゆうぐれ」 の4隻のみであり、国産の艦艇の装備用にはリリースされませんでした。
したがって、この4隻が除籍、返還されるとともに装備艦艇は無くなりましたので、その後、本解説書も秘密指定が解除されて破棄されています。
私の手許にあるのは、この5冊のうちの第2編だけで、他の4冊については探しても判りませんでした。 破棄当時既に他の4冊は残されなかったのかもしれません。
この第2編は戦後型の射撃盤 MK-1(A) の解説書ですが、大戦中の戦艦の副砲用から駆逐艦の主砲用に至るまで幅広く使われた Mk-1 と基本的には同じですので、その意味では大変参考になるものです。
この第2編も現在ではどこかに残っているのかどうか ・・・・
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