2020年02月17日

『世界の艦船』 3月号増刊


もう書店の店頭には並んでいるかもしれません。

『世界の艦船』 の3月号増刊 (通巻920号) は 『傑作軍艦アーカイブ H 平賀デザインの巡洋艦』 です。

SoW_No920_cover_s.jpg

今回は2つ担当させていただきました。

   『 「平賀デザインの巡洋艦」 のプロフィール @ 計画経緯 』
   『     同               B 兵装 』

両方とも私にとっては大変に難しいテーマでした。

と言いますのも、本号で採り上げた 「夕張」 「古鷹型」 「青葉型」 及び 「妙高型」 については、福井静夫氏や堀元美氏などの旧海軍技術士官畑の人達の手になるものが世に出されており、またこれらに基づく戦後の研究者によるものも様々な形で書かれておりますので、一般の方々の中にはこれらによってある程度の先入観を持たれている方も多いと考えられるからです。

しかしながら、私として最も言いたいのは、

“ちょっと待ってね、それらは何れも 「造船学的」 「技術者的」 視点からのものがほとんどで、肝心な 「使う側」、則ち 「用兵者」 からする視点のものが抜けているのでは ?”

ということです。

確かに、平賀デザインの巡洋艦は当時の造船工学としては斬新なアイデアを盛り込んだ素晴らしいものであり、その点については海外からも高く評価されました。

では、だからといって 「= 名艦」 なのでしょうか?

違います。 軍艦として優れているのは、人が乗り、人が扱って十二分にその能力が発揮できたもの、ということです。

つまり、いくら就役時のカタログ・スペックが優れ、いくら外観の見かけが良かったとしても、実際の運用において “人が使って” 使い物にならなければ意味がありませんし、そして就役後10年、20年と十分に使い続けられることも必要です。

それに加えて「軍艦」 が 「軍艦」 たる所以は、平戦時を問わず、本来の主目的以外の様々は任務でも役に立たなければなりません。

これがあって初めて 「名艦」 と言えるのです。

これを総合すれば、平賀譲氏は極めて優れた 「造船学者」 あるいは 「艦船設計者」 たる “学者” “技術者” であったと言えるでしょうが、決して優れた本来のあるべき姿の “造船官”であったとは評価できないのです。

そして、この平賀譲氏が旧海軍の軍艦デザインもたらした影響はその後も長く続き、「大和」 型における船体設計の “重大な欠陥” にまで繋がっているのです。

是非とも詳細について、当該号の拙稿をご覧いただければと思います。

posted by 桜と錨 at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと
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