2019年09月08日

SG 『射撃指揮装置T型 方位盤』


本家サイトの今週の更新として、『現代戦講堂』 の 『資料展示室』 コーナーにて 『射撃指揮装置T型SG集』 に 『方位盤』 を追加公開 しました。

GFCS_Type1_Dir_SG_cover_m.JPG


他のものはともかくとして、やはり方位盤は外から見えるものですから、中には興味をもっていただける方もおられるかと思いますので、先の 『概要』 に続いてこれをご紹介することとします。

原本に発刊年月日などが記されておりませんが、おそらく先の 『概要』 と同じ昭和57年版のものと考えられます。

ただ残念なことに、私の所有する原本の印刷が大変に悪く、ところどころかすれていたり、また写真などはもうどうしようもありません。

海上自衛隊で学生の教育に使われたテキストやスタディ・ガイドは、昭和57年の当時でもこんな質の悪い藁半紙にガリ版刷りでした。

当時からこんなものをわざわざ教官が手間暇をかけてガリ版で作ったものを学生に配付するくらいならば、なぜ正規の 『取扱説明書』 を教務の間貸し出すか、主要な部分をそのままコピー印刷しないのかと思っておりました。

これに比べると、米海軍などは第2次大戦以前から既に専門技能を教育された特技兵が綺麗なイラストや写真が入った立派なテキストを作成し製本していました。

海上自衛隊が教育についても如何にお金もかけず施策も講じずに現場の一担当教官任せのお役所であったかということを現す一つですね。 これは公開中の幹部候補生学校でのSG集をご覧いただいてもよくお判りいただけるかと。

したがって、どうせ実務に就いた時には 『取扱説明書』 を見ながら実物で勉強すれば良いのだからと、ほとんどの学生はこれらSGを修業時に棄てていたと思います。


ところでこのT型の方位盤ですが、ご承知のとおりスイスのコントラバス社製のものを 「はるかぜ」 に搭載して実験し、その結果を参考に国産のものを開発しようとして、その第1次試作である 「68式」 と呼ばれるものを 「はるさめ」 に搭載して試験を行いました。

この時の方位盤は無人のもので、これに有人操作のTVカメラ付き光学照準器が付属するものでした。

しかしながら、「はるさめ」 での試作試験時に現場の鉄砲屋達から有人方位盤でなければと強い要請が行われ、これを採り入れ、かつ 「はるさめ」 で得られた種々の不具合・要改善事項を盛り込んで新たに製作された改善試作機を 「ながつき」 に搭載して試験を行い、制式作用されたものがこのT型です。

( といっても決して満足なものだったわけではなく、使いながら徐々に改善して行けばよいと施策的に無理に採用したのですが。)

この方位盤の有人化には、技術研究本部や開発に当たった三菱電機の技術者達などの根強い反対論があったようですし、私自身も若い頃は “何故わざわざこのご時世に無人方位盤だったものを有人方位盤に?” と思っていました。

GFCS_Type1_Dir_Ill_01_s.JPG

ところが、実際にこのT型を使うようになって、当時の鉄砲屋が何故有人化に拘ったのかが良く判りました。

要するに、T型が現場で何とか使い物になったのはこの有人方位盤があったればこそ、ということです。

特に、目標の捕捉・追尾能力については、射手による操作が極めて有効に機能し、当時でもそれ程高くは無かったT型そのものの機能・能力を補って余りあるものであったと言っても過言ではありません。

posted by 桜と錨 at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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