2019年04月26日

4月25日付 『朝雲新聞』


『朝雲新聞』 の 「世界の新兵器」 コーナーで艦船シリーズとして4ヶ月毎に掲載していただいてる私の第9回目で 「平成」 最後の記事となります。

今回はいつもの戦闘艦艇ではなく、現在同型艦4隻が順次建造中の英国海軍の高速艦隊給油艦 「タイド」 級についてです。

#9_h310425_Tide_m.jpg

満載排水量で3万8千トンという大型艦ですが、補給艦ではなく給油艦に特化したところに特徴があるといえます。

しかしながらこの 「タイド」 級、設計自体は英国なんですが、建造は4隻一括で韓国3大造船メーカーの一つである 「大宇造船海洋」 に発注したのです。

韓国で建造された戦闘艦艇については、これまで様々なトラブルの発生が伝わってきておりますが、案の定というか、本級でも1番艦の艤装中に機関関係の不具合が見つかり、これの解決ために1番艦と2番艦の就役が約半年遅れてしまいました。

もちろん原因は、設計自体にあったのか造船所側にあったのか、の詳細は不明ですが (^_^;

現在3番艦までが就役しており、就役後についてはこれまでのところ大きなトラブルの発生は生起していないようです。

上で「英国海軍の」と言いましたが、正確にはご存じのとおり、英国海軍における補助艦艇は全て 「英国海軍艦隊補助部隊」 (RFA、Royal Fleet Auxiliary) という海軍自体とは別の組織に属し、武器等担当の少数の海軍軍人が乗り組む以外は、民間人の手によって運航されています。

このため本級も正規の 「軍艦」 ではありませんので、軍艦旗の 「ホワイト・エンスン」 ではなく、商船用の 「ブルー・エンスン」 の一種を掲揚しています。

RFA_ensign_s.jpg

この RFA は米国の 「軍事海上輸送軍団」 (MSC、Military Sealift Command) に似た組織で、作戦時には配属された艦隊の指揮下に置かれます。 そして、MSC は非武装であるのに対して、RFA は平時から武装しているところに大きな違いがあります。

そして皆さんご存じのとおり、1982年のフォークランド紛争においてアルゼンチンに占領されたフォークランド諸島の奪回のため、英国海軍は大遠征を行って大きな犠牲を払いながらも見事にこれを完遂した訳ですが、この大遠征の作戦を支えたのがこの RFA でした。

何しろ世界に誇る豪華客船であるあの 「クイーン・エリザベス2世」 や 「キャンベラ」 を徴用してまで運用したのですから。

posted by 桜と錨 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/185915308
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック