2019年03月27日

どうなったのか? 北朝鮮小型船 (上)


昨年末に生起した韓国駆逐艦 「クァンゲト・デワン」 による哨戒中の海自 P-1 に対する FC レーダー照射事件に関連して、いささか旧聞に属する事ではありますが、とは言え韓国側はもちろんのこと、防衛省・海上自衛隊側からも全く出てこず、しかも日本政府やマスコミも取り上げない大きな問題が残され、いまだにそのままになっていることがあります。

それは、あの事件の後、肝心な北朝鮮小型船はどうなったのか? という事です。

確かに、他国の航空機に対して (それも我が国の EEZ 内において) FC レーダーを照射するなどは言語道断のことであり、しかもそれに対する韓国の反応、対応は異常と言えるものですが、それはそれとして、その一方で、我が国の安全保障にとって極めて重要なこの問題が言及されないのは極めておかしなことと言えるのですが、さて ?


ご承知のとおり、今年1月21日に防衛省は本事案について 「最終見解」 なるものを公表しました。 これについての私の所見は、既に Facebook の計8回の連載も含めて何度も、そして海人社編集部さんの求めに応じて 『世界の艦船』 4月号の記事でも述べてきたところです。

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その 論点は2つ です。

1つ目 が当然ながら FC レーダー照射事件そのものについてで、結果として、防衛省が公表したものは 当該時点における 「最終見解」 としては何の意味も価値もない もの、ということです。

内容は単なる事件の経過概要の説明だけに過ぎず、もしこれが昨年末に公開した P-1 が撮影した映像と機内交話音声を編集したものと同時であったならば、その補足説明としてそれなりの意味はあったでしょう。

しかも最終見解で一緒に公開された2種類のレーダーの可聴音データも、海自OBがマスコミで言ったような 「聞く人が聞けば分かる」 というのは、単に2つの形式の違いが分かる、というだけのことで、決してこれだけをもってこの音源が当該 FC レーダーのものであるなどと分析できるものではありません。

これを要するに、「最終見解」 として示すべきは

間違いなく、昨年12月20日のあの時に、当該 P-1 が韓国海軍駆逐艦 「クァンゲト・デワン」 から STIR-180 の FC レーダー波を照射された

という確たる証拠でなければならなかった のです。

もちろん、この 「最終見解」 の時点をもって韓国との実務者協議を打ち切るというのは、それでよいでしょう。

韓国政府、国防部は勿論、マスコミや国民の対応振りは言語道断であり、実務者協議も予想通り展開で (と言うより、いとも簡単に前言を翻して嘘に嘘を重ねる、更には逆に威嚇飛行されたと言って謝罪を要求するなど、あまりにも酷いですが)、やっても無駄であると初めから私も主張した通りとなりました。

確かにここで協議を打ち切るとしたのは、世論及び国際社会に対して韓国が常識外れのまともに相手に出来ない国家、国民であることをハッキリさせたことでは肯定できます。

しかし問題なのは、協議打ち切りと同時に、この事件そのものについても終わりにしようとしていることです。 日本としては、国際社会に対し更なる理解を得るよう努力を継続するべきですが、それが見えません。

当該事件は国際常識を外れ、明確に規定されたCUESに違反する “武力行使” であり、当該 P-1 とその搭乗員にとっては危険極まりないものであることは間違いありません。

がしかし忘れてはならないのは、海自でもどの国の軍でも、平時の監視飛行においてはこの様な突発的事態があり得ない訳ではない、ということです。 それが “任務” であり “遊覧飛行” では無い のですから。


そして もう一つの論点 は、我が国の安全保障上からは当該照射事件そのものよりももっと重要なことで、何故かこれまでの段階で全く出てこないことがある、ということです。

いや、現在に至るままの状況では、むしろ防衛省・海上自衛隊は 「最終見解」 の公表をもって実務者協議協議を打ち切るとすると共に、本事件そのものについても終わりとし、その 肝心なことを有耶無耶にしようとしているとしか 見えません。

まさに “看過できない” ことであるといえます。

(続く)

posted by 桜と錨 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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