2018年08月17日

『世界の艦船』 9月号増刊


もう書店に並んでいることと思います。 『世界の艦船』 の9月号増刊 (通巻第885号) は 『傑作軍艦アーカイブ E 英戦艦 「キング・ジョージ5世」 級』 です。

SoW_No885_cover_s.jpg

本文記事の中で、私も次の項を担当させていただきました。

「キング・ジョージ5世級のメカニズム A 兵装」

本シリーズの他の号と同様に 「キング・ジョージ5世」 級5隻の兵装とその変遷の概要ですが、今回は特に用兵者の視点から少々辛口の評価をしております。

本級はその特異な兵装で知られている反面、太平洋戦争初頭のマレー沖海戦においてその2番艦である最新鋭の 「プリンス・オブ・ウェールズ」 が 「レパルス」 と共に旧海軍の中攻隊の攻撃によってあっさりと撃沈されてしまい、また大西洋方面ではビスマルク追撃戦などにおいてその主砲は全くの期待外れであったことなどで知られています。

これを含めて、本級では米海軍より一歩進んだ射撃用レーダーを装備したにもかかわらず、その主砲はもとより、対空射撃能力を有する砲塔式副砲も含めた対空兵装もほとんど実用に耐えるものでは無かったことを採り上げました。

総合評価としては、あまりにも中途半端かつ不完全な兵装であったと言えます。 その根本原因は英海軍が第2次ロンドン条約の制約に拘ったことと、計画線表にしたがって建造を急いだことなど、まさに政治的に翻弄されたためで、ある意味では大変に不幸な艦型でした。


本艦型を特集するにあたり、英海軍の艦艇についてはいまだに十分な公式データなどが揃っているとは言い難いものがありますので、他の執筆者の方々も苦労されていたようです。 

編集部さんの方で豊富な写真を揃えてくれておりますので、艦船好きの方でしたら一冊お手元に置いておかれても損はないと思います。

書店の店頭で見かけられた時には是非手にとってご覧下さい。

posted by 桜と錨 at 22:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 海軍のこと
この記事へのコメント
大変にご無沙汰しております。

KGV級兵装への辛口評価、ロイヤル・ネイヴィー・ファンとしては残念であると同時に、実際の能力や運用時のトラブルを知るにつけ、受け入れざるを得ないものがあるのも事実であります。

ところでDCT内部構造については不詳とのことですが、ネット上には以下の2種がアップされています。

一つ目は

http://www.navy.gov.au/sites/default/files/DCT%20Plans.jpg
(掲載元ページ:http://www.navy.gov.au/hmas-sydney-ii-part-4

これはオーストラリアに引き渡された巡洋艦シドニーのページのものなので、KGV級のDCTとは細部が違いますが(外見的には前面と屋根が曲面で繋がったリンク先画像と違い、KGV級のものは角になっている等)、測距儀の位置からして基本的な内部構造は同じかと思います。

もう一つは

https://pbs.twimg.com/media/Dj0a1KHXsAECmuq.jpg
(掲載元ページ:https://twitter.com/navyweb2/status/1026005956507914240

これはどの艦のものか分かりませんが、測距儀が前寄りなところを見るとネルソン級のDCTの様に見えます。


また古い記述で基本的にはモデラー向けの解説になりますが、エアフィックス・マガジンに掲載されたロイヤル・ネイヴィーの主砲用指揮装置に関する記事があります。

http://www.davecov.net/modelling/reference/airfixmagazinearticles/pdfs/June%201970%20-%20Fire%20Control%20Part%20One.pdf


以上は桜と錨さんなら既にご存じの情報で、それでも詳細は分からないとの記事にされたかも知れませんが、少しでもお役にたてば幸いです。
Posted by fake johnbull at 2018年08月22日 21:55
fake johnbull さん、お久しぶりです。

コメントありがとうございます。 流石は英国海軍通ですね (^_^)

DCTについては他にも図面などはいくつかあるのですが、KGV級そのもののものがありません。

ご存じとは思いますが、DCTは通常のFCSのような一つの “装置” ではありませんで、いわゆる “複合体” ですので、その艦型の砲熕システムに合わせたものと考えられます。 例えば艦橋内のレイアウトが異なるようにです。

したがいましてKGV級と同じかも知れませんし異なるかもしれませんが、DCTの一例として他の艦型のものを記事で紹介することも可能なのですが、それを説明しだしますと紙幅の中に収まらなくなりますので、記事では 「詳細はわからない」 とした次第です。

それにしても英国艦は情報が少ないので難しいですね (^_^;


Posted by 桜と錨 at 2018年08月23日 12:40
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