2018年08月01日

深田正雄氏 ご逝去


私の尊敬する旧海軍軍人の一人である深田正雄氏が去る7月30日永眠されました。 105歳ですので大変なご長寿でした。 そして最期は文字通り眠るような大往生であられたと伺っております。

ここにご来訪いただく方々にはお名前をご存じない方はおられないでしょうが、深田氏は東北大学在学中に海軍造兵学生となり、昭和11年に卒業と当時に任官されて以後海軍の造兵士官の道を歩まれた方です。

大学での専攻もあって、海軍では電気関係の配置、いわゆる“電気屋”でしたが、この電気というのは艦船のほとんど全てのことに関係してきますので、そのため幅広い知識が求められました。

そのことは本家サイトの 『史料展示室』 コーナーでも公開している 『海軍電気技術史』 に網羅されている内容からも明らかです。

『史料展示室』コーナー目次 :
     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/tenji_main.html
『海軍電気技術史』 :
     http://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/29-nav_elec_his.html

そしてその電気屋としての知識と経験を基にものされた深田氏の代表作は次の3冊でしょう。

  『軍艦メカ開発物語』
  『造艦テクノロジー開発物語』
  『回顧 海軍十年』

前2作はその名のとおり、海軍の兵器・装備に関する基礎的な解説書ですが、非常に多彩な内容であると同時に、大変判りやすい文章で、この分野に興味のある方々にとっては現在でも格好の入門書であると思います。

Fukada_meca_cover_s.jpg  Fukada_tech_cover_s.JPG

そして3作目は氏の海軍生活の回想録ですが、“技術士官の目から見た海軍” というものをよく表しており、また読んでいても大変に面白く楽しめるものです。

Fukada_kaiko_cover_s.jpg

何よりもこの回想録は、某氏の著作に代表されるような戦後になっての元技術士官達による上から目線での自己の正当性を印象付けるための用兵側に対する嫌みがないのが良いです。 深田氏の健全な人格がよく現れていて好感がもてます。


冒頭にも書きましたように、105歳と言えば相当なご長寿で、しかもこれまでほとんど持病らしいものもなくお元気で過ごされておられました。

私もご縁があってお付き合いいただきましたが、大変に真摯で飾り気や気取ることのないすばらしい方でした。

またお一人、旧海軍を知り、かつある意味支えてこられた方がお亡くなりになられたことは、旧海軍の研究をライフワークとする私としても大変に残念で、また淋しい想いです。

故深田正雄氏のご冥福をお祈りする次第です (合掌)


posted by 桜と錨 at 16:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 海軍のこと
この記事へのコメント
海水と軍艦の電気配線がどうなっているか興味があります。
先日の豪雨で堤防が3カ所決壊し排水ポンプ場が2メートル冠水し水没。排水ポンプの操作室にいまして、操作盤(DC24V)と6600V変圧器の動力盤が同じ位置にあり濁流が流れ込む中「感電死するかも」という状況でした。
幸いに操作盤が水でショートし全部OFFになり一命を取り留めました。
ポンプの吸水能力から技術的に水面から2メートル以上は高くできませんので、操作室は2階に移してほしいと思いました。
Posted by killy at 2018年08月03日 11:06
Killy さん、こん**は。

6600Vですか、それは凄いですね。そして何よりご無事で。

艦船は区画が細かく別れており、各区画は外からいつでも遮断できるようになっています。 それに給電系統も二重・三重になっていますね。
Posted by 桜と錨 at 2018年08月04日 15:42
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