コメント欄で懐かしいものの話しが出ました。
海上警備隊創設時から海自の初期まで使われた SO-2 と SO-3 というレーダーです。
当時のものとしては PF にも搭載されていた対空用の LA と水上用の LS、あるいは DE 以上に装備された SG シリーズなどの方がご存じの方が多いと思いますが、それらよりも数的には多かったこの2つのレーダーについてはあまり知られていないのではないかと思います。
SO-2 は、海上警備隊では米海軍から貸与された50隻の警備船 LSSL に装備された中出力の水上用レーダーで、米海軍では哨戒艇、上陸用舟艇、及び補助艦艇など数多く装備されました。
このレーダー、ビーム幅が水平9度、垂直23度あり、このため高角23度までの対空用としても使えました。
尖頭出力 60KW、周波数 3,000MHz、波長 10cmで、アンテナ回転数は 10.5rpmというものでした。 (その他の詳細データはまた何かの機会があれば。)
また SO-3 は、掃海船(当時)に装備されていましたが、米海軍では魚雷艇や哨戒艇、上陸用舟艇、その他の小艦艇など、これも極めて多数が装備されました。
尖頭出力 20KW、周波数 9,100MHz、波長 3cmで、ビーム幅は水平3度、垂直9度で、アンテナ回転数は9rpmです。 (同じくその他の詳細データはまた機会があれば。)
両者とも小型ながら実用性に優れ、まさに米国の工業力、技術力の成果と言えるものです。
海上警備隊では、全てについてまずは米海軍に学ぶという方針の下、これらのレーダーでも当初は英語のマニュアルを使っていましたが、日本人本来の気質なのか、どん欲までに米海軍からの知識を吸収し、すぐに新しく日本語のテキストを編纂するまでになりました。
私が所持するものは、昔これらの日本版からライフワーク資料として将来的に必要になると考えた部分をコピーしておいたものですが、この頃には既に元の米海軍のマニュアルはありませんでした。
そして現在となってはこれらの日本語版テキストも残されているのかどうか ・・・・ ?