2018年02月27日

米海軍の遠征打撃部隊 (ESF)


『世界の艦船』 4月号の拙稿補足です。

同号の特集『現代の海戦』に掲載していただきました私の 『海戦の変容について 19世紀から今日まで』 で、紙幅の関係で省略せざるを得なかったものの一つが、米海軍の「遠征打撃部隊」(ESF、Expeditionary Strike Force) の考え方のイラストです。

ESF_02.JPG

ESF_01.JPG
( 米海軍の公式資料から )

これは、従来の 「両用即応群」 (ARG、Amphibious Ready Group) を大幅に強化して 「遠征打撃群」(ESG、Expeditionary Strike Group) とし、これ単独でも、そして 「空母戦闘群」 (CVBG) の名称を改めた 「空母打撃群」 (CSG、Carrier Strike Group) と組み合わせた強力な遠征部隊としても、状況に合わせて柔軟に対応できるようにしたことを表すものです。

文章でご説明するよりこのイラストをご覧いただけば一目瞭然かと。

そしてこの ESF の運用法に切り替わった当時の ESG の標準的な戦力見積もりは次のとおりとされています。

ESF_03.JPG
( 米海軍の公式資料から )

米海軍と海兵隊とは一つの Naval Forces あるいは単に Navy と呼ばれるものであるのは何故なのか、ということの本質の一旦である米海兵隊のモットーの一つ “Marine is Navy in sense” を端的に表していると言えるでしょう。


翻って、日本ではどうなのか。 間もなく陸上自衛隊に水陸機動団が編成されるようですが、単に陸兵に水陸両用車を与えて米海兵隊と一緒に訓練し、これを海自の輸送艦などで運べば海兵隊として運用できる、などと簡単に考えることは大きな誤りであることは理解していただかなければなりません。

あるいは大きな船体の 「いずも」 型護衛艦に F-35B を乗せるようにすれば空母代わりになる、なども同じことです。

そもそも “基本設計の段階で考慮されていた” などは本当でしょうか? 俄には信じられない話しです。

確かに 「いずも」 型は船体は大きくスペースだけは余裕がありますが、現状はヘリ空母としても強襲揚陸艦としても極めて中途半端な性能のものです。 災害派遣などの多目的用途の艦といえば聞こえは良いですが。

まさかこの現状での必要以上に大きなスペースのことを指しているわけではないですよね?

しかも、実際に格納庫を含めた艦内を見た限りでは、将来的な F-35B の搭載・運用に対する考慮は全く感じられませんでしたし、ましてや後からの改造・改修は莫大な費用がかかることを忘れてはならないでしょう。

「おおすみ」 型の二の舞、というか、とてつもないことになりそうですが ・・・・

( 当時 「おおすみ」 の基本設計審議の場であれほどしつこく声を大にして言ったにもかかわらず、防衛も技術も全く聞く耳を持ちませんでしたから )

posted by 桜と錨 at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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