2017年09月03日

『艦砲射撃訓練規則』


本家サイトの今週の更新として、昭和20年2月現在の 『艦砲射撃訓練規則』 を公開しました。

Gun_Trng_01_s.jpg

http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/IJN_houki_main.html
( リストの最後の方にあります )

旧海軍が昭和期にどの様な艦砲射撃の訓練を実施していたのかの根拠文書で、昭和3年に内令380号で制定され、その後細かいところがいくつか修正されてきたものです。

旧海軍における射撃訓練の規則は、明治19年の 『常備艦艦砲射撃概則』 に始まり、昭和3年までに12回の改訂が行われてきましたが、この昭和3年のものが今次終戦まで続く根拠となりました。

これをお読みいただければお判りいただけるように、射撃訓練と言ってもただ漫然と年度の割り当て弾数を撃っていたわけではなく、毎年度キチンと一年間の計画を立て、各回ごと綿密な実施要領を示して行っており、各艦はこれに基づき、射撃胸算を立てて事前訓練を繰り返して射撃に臨み、そして可能な限り詳細な実施記録を採って射後分析を行い、射撃報告書を作っていました。

如何に艦砲射撃の実力向上に努力を傾けていたのか、その一端をご理解いただければと思います。


ところで、ネットの某所でこの射撃訓練に使う 「標的」 のことが話題になっていました。 しかしながら結局のところ、どのような物でどのように使うのかの根拠は出てこなかったようです。

その標的のこともこの 『艦砲射撃訓練規則』 の中でキチンと決められています。

例えば、対軍艦を想定した射撃の場合は、第1〜第3種の 「標的」 を用いて、これをどの様に使うのかも示されています。

Gun_Trng_02_s.jpg
( 第1種標的略図 )

なおこの標的のことは、残念ながら 「標的筏」 というような言葉でアジ歴を検索しても、ネットでググっても、出てきませんので念のため (^_^;

posted by 桜と錨 at 12:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 気ままに
この記事へのコメント
参考になる資料を有難うございます。
某サイトの方でも質問に添えておいたのですが米海軍もこういう感じの物を使用していたのでしょうか?
Posted by Mk.63 GFCS at 2017年09月03日 23:57
Mk.63 GFCS さん

旧海軍に限らず、どこの海軍でも基本的に大同小異で、似たようなものを使っていました。

と言いますのも、この規則にもありますように、射撃訓練は正確・精確なデータを収集する必要がありますが、そのメインとも言えるものが標的に対する射弾の弾着状況です。

これは射撃艦からする射線に対して、縦 (距離) 方向と横 (方位) 方向との2つのデータが必要になります。

このため、後者は射撃艦艦上から観測しますので標的は横に長いもの、前者は通常は曳的艦が側方観測として標的と弾着との距離の差を測定しますので、標的は出来るだけ細い (幅がない) ものである必要があります。

また命中弾があった時には可能な限り毀損せず、かつそれが明確に判る必要がありますので、標的は必然的に布製の幕的を張った形のものとなります。

Posted by 桜と錨 at 2017年09月04日 15:54
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