2017年04月18日

核兵器の効果


最近とみに北朝鮮情勢に関連して 「日本に弾道ミサイルを打ち込まれたら」 とか 「核弾頭が東京に落ちたら」 とか騒がれており、これに対して核弾頭についての記事がネット上でもあれこれ見られるようになりました。

そこで良い機会ですので、核兵器の効果について現在でも最も権威があり、かつこの分野について語る時の根拠文書となる資料をご紹介します。

それが、原爆を開発したことで有名な米国ニュー・メキシコ州にあるロス・アラモス科学研究所が1950年に出版した 『The Effects of Atomic Weapons』 です。

ENW_1950_cover_s.jpg
( 1950年版 )

そしてその後水爆が開発されると共に、両者を合わせた形に内容が全面改訂されて1957年に国防省から Samuel Glasstone が中心となって纏めた 『The Effects of Neclear Weapons』 として出版されました。

これは1962年に第2版となりましたが、64年に小改正が加えられて改めて第2版として出版され、更に77年には第3版となりました。

ENW_1957_cover_s.jpg  ENW_1964_cover_s.jpg
( 1957年版 )              ( 1964年版 )

ENW_1977_cover_s.jpg
( 1977年版 )

これらはいずれも現在ではネット上で公開されておりますので、この方面に興味のある方は是非入手してみて下さい。

とは言っても英文ですので私などはどうしても日本語になったものが欲しくなります。  ではこの資料の邦訳版はないのでしょうか?

実はちゃんとあるんです。 1977年の第3版の全文を邦訳したものです。

ENW_1977_cover_J_s.jpg
( 1977年版の邦訳版 )

ただし、これがどこで出されたものかは表記がありませんので不明です。 そして例によって今日となってはどこにどれだけ保管されているのか判りません。

これも興味のある方は探してみるとよろしいでしょう。 そしてこれと第3版の原本と比較しながら読まれると便利かと。


・・・・ で、これだけで終わってしまっては私のブログらしくありません (^_^)

もう少し具体的な核兵器の戦術的な使い方に関するものはないのか、というと、

これについては米陸軍及び海兵隊の共通マニュアルとして 『Nuclear Weapons Employment Doctrine and Procesures』 (FM 10103101、FMFM 11-4) というのが1977年に出ています。

FM101-31-1_cover_1977_s.jpg

これは本体が秘密事項を含まない普通文書として、そして秘密部分だけを纏めた補足文書の2つに別れたものです。 当然ながら後者は日本には渡っていないわけですが (^_^;

しかしながら、本体の普通文書のものの内容だけでも、使う側の視点に立った大変に興味のあるもので、日本人としてはちょっとギョッとしますし、また 「被害推定法」 「核兵器の効果」 「核兵器の効果に対する対応」 などの項目は前述の国防省編の 『核兵器の効果』 と合わせて読んでみるとそれぞれが良く理解できると思います。

ただし、こちらの方は残念ながら40年前の普通文書であるにも関わらず、何故かいまだにネット上では米軍サイトでも公開されていないようです。

そして私が見た原本も自衛隊が保有していたものではありませんので、今となっては残っているのかどうか ・・・・ ?

posted by 桜と錨 at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
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