2016年04月04日

弾道弾の飛翔技術の基礎 (6)


(2) 再突入弾道の決定 (続)

次ぎに、再突入段階における弾着までの速度の変化との飛翔秒時についてです。

当然ながら空気密度が高くなるにつれて再突入体の速度は空気抵抗のために低下していきますが、再突入第2段階の減速段階途中の高度10万フィート (3万m) まではまだそれ程急激に低下するわけではありません。

再突入からこの高度10万フィートまでは、平均で 再突入速度 (V) の 95% であると見なして大差がないことが実証されています。

しかしながら、この高度10万フィート以下になりますと、再突入体の形状や有効面積などによって大変複雑な関数となります。

とはいっても、一般的に用いられる弾道弾の形状において、再突入速度が 10000 〜 25000 フィート/秒の範囲である場合には、その平均速度は 60 X √V フィート/秒 としてそれ程大きな誤差とならないことも知られています。

もちろんより正確な値を求めようとすると、だんだん複雑な計算式になりますが ・・・・

BM_re-entry_flight_04.jpg

これにより、再突入高度(h)から高度1万フィートまでの水平飛翔距離は

BM_re-entry_form_06a.jpg

となり、その間に要する飛翔秒時は平均速度95%を用いて、

BM_re-entry_form_06b.jpg

となります。

そして、高度1万フィートから弾着点までの飛翔秒時の計算には、水平飛翔距離として

BM_re-entry_form_07a.jpg

を使用します。 もちろん前述のようにこれでは大きな誤差となりますが、秒時誤差としてはそれ程大きなものとはならないことに注意して下さい。

この水平飛翔距離を用いての飛行秒時は

BM_re-entry_form_07b.jpg

となります。

したがって、再突入から弾着までの飛翔秒時は次の式で得られることになります。

BM_re-entry_form_08.jpg


なお、実際の代表的な弾道弾におけるものとして、射程500マイル (約900km) の SRBM の場合の例と、射程5500マイル (約10200km) の ICBM の場合の例を示しますと、次のようになります。

BM_re-entry_flight_05.jpg

BM_re-entry_flight_06jpg

この程度のデータでも、刊行物やネットなどにはまず見当たりませんので、十分ご参考になるものと思います。

-------------------------------------------------------------

前 : 弾道弾の飛翔技術の基礎 (5)

次 : 弾道弾の飛翔技術の基礎 (7)

posted by 桜と錨 at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 現代戦のこと
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/174754994
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック