2016年01月21日

オールド・セイラーの眼 (44)


◎ 第79巻 「ガングート」

シリーズ第79巻はロシア海軍初のド級戦艦である 「ガングート」 型のネームシップ 「ガングート」 で、就役時の姿である1914年の設定となっています。

079_Gangut_model_01.jpg

079_Gangut_cover_s.jpg

ご存じのとおり 「ガングート」 は今回設定の就役時よりは近代化改装後の特異な艦橋・煙突構造の姿の方が有名で、今回もこちらの方を期待された向きも多かったと思いますが ・・・・

Gangut_photo_05.jpg

モデラーさんとしてモニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLにアップされています。


いろいろ指摘されていますが、総合としては、

“ ディテール不足で手抜き感が目立ちました ”
“ 出来の良いのが多い外国艦枠の一端としてはやや物足りなさを感じました ”

と言うもので、私としても全くの同感、同意見です。

確かに資料が少ないと言えばそうなのですが、写真などもそれなりに残されていますので、きちんとしたリサーチさえしていればスケール的にはそれなりのものを作ることは可能であったはずです。

いつも言っていますように、資料の多い艦も少ない艦も考証とデザインにかける手間暇は同じ、という本シリーズの欠点が如実に出ており、残念ながら、外国艦のみならず日本艦も含めた本シリーズ中の出来としては “並以下” と評価せざるを得ません。

ディテール不足というのは全くそのとおりですが、それに加えてこのスケールにおいても表現すべきこの艦の特徴が出ていません。

おまみ氏の指摘に加えて、私としては次の点は指摘しておかなければならないでしょう。

艦首形状が違います。

079_Gangut_model_02.jpg

Gangut_photo_01b.jpg  Gangut_photo_01a.jpg

艦尾形状もまったく “らしさ” がありません。

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Gangut_photo_02.jpg  Gangut_photo_02a.jpg

そして前部艦橋の形状が違います。

079_Gangut_model_04.jpg

Gangut_photo_03.jpg  Gangut_photo_07.jpg

Gangut_photo_06.jpg  Gangut_photo_08.jpg

写真のとおり、就役直後の艦橋前部は司令塔のみで、すぐに航海艦橋が前面に追加になり、さらにこれに改良が加えられます。

モデルの設定はこの時のものと思われますが、デザインとしての “らしさ” がありませんし、なによりも司令塔下部の構造が違います。

後部艦橋もデザインとして不良です。

079_Gangut_model_05.jpg  Gangut_photo_04.jpg

その他、独特な木甲板の表現の省略はもちろん、中部上甲板に数多くある吸気筒などはもう少し何とかならなかったものかと。

結論としては、この 「ガングート」 をシリーズ中の一つとして選択したことは評価できますが、それ以外には見るべきところがありません。 それにこの期に及んで艦橋、煙突、マストなどは傾いていますし ・・・・

外国艦の最後としてもう少し力を入れて欲しかったですね、イーグルモス社さん。

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