2015年12月03日

オールド・セイラーの眼 (41)


遅れを取り戻さなければ (^_^;

◎ 第76巻 「リシュリュー」

シリーズ第76巻は フランス戦艦の 「リシュリュー」 で、1945年の第2次大戦終戦直後の設定となっています。

076_Richelieu_model_01.jpg

076_Richelieu_cover_s.jpg

モデラーさんとしてモニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


おまみ氏の総合評価としては

“ 他国にはない奇異なスタイリングでコレクションの中でも映えますし、戦艦だから大きいので価格的にもお得感高い ”

で、私としても、細かいことを気にしないならば全くの同感です。

ただ、確かに迷彩塗装の見栄えからはというのは判りますが、でもやはり何故1945年のモデル設定なんでしょう?

「リシュリュー」 は就役時も改装後も共に公式図が残されており公開されています。 これに基づけば特にモデル設定の1945年にこだわる理由は無いはずですが ・・・・

Richeliue_draw_plan_01_s.jpg

私の知る限りではモデルの迷彩塗装は第2次大戦終結後にダーバンで修理された以降のはずで、知られている写真では1945〜46年のものです。

Richeliue_photo_1946_01_s.jpg

Richeliue_photo_1946_02_s.jpg

穿った見方をするならば、手っ取り早く手に入ったこの本によりそのままモデル化してしまったと言われても、とも (^_^;

Richelieu_Kagero_3D_cover_s.jpg


本モデルの考証そのものについては、それ程大きな誤りは無いように見受けられます。

ただしモデル・デザインについては、何点か指摘を。

まず、艦首形状です。 確かに1/1100スケールでどこまで表現するかになりますが、ここはもう少しきちんと表現して欲しかったですね。 それにラインも少々違いますし ・・・・

076_Richelieu_model_02a.jpg  076_Richelieu_model_02b.jpg

Richeliue_draw_plan_01_bow_s.jpg  Richeliue_model_bow_01_s.jpg

高角砲及び機銃については、本シリーズ共通であまり出来が良いとは言いがたいものがあります。

この辺はいつも書いていますように、デザイナーは艦船については素人さんであることが判ります。 スケール的に如何に小さいとはいえ、軍艦としての武装に関心がないというか、こだわりがないというか ・・・・

上部構造物最下段の甲板にあるブルワークが、本シリーズとしては意欲的とも言えるほど極めて薄くできているのですが、残念ながら製造工程で (左右両舷とも) こうなってしまっては逆効果かと(^_^;

076_Richelieu_model_03.jpg

そして本シリーズに要求するのは無理なのかもしれませんが、船底の形状には全く関心が無いように思われます。 特にビルジキールより内方が正しく表現されていたのは本シリーズではほとんどありませんで、この 「リシュリュー」 もご多分に漏れずです。

折角のフルハル・モデルですので、もう少し細部までこだわっても良かったのではと思っています。

ただし、上に書きましたようにモデルの全体的な見栄えは確かに良いです。 迷彩塗装がなされた本シリーズの外国艦の中でも上位に入るのではないでしょうか?

それだけに、おまみ氏も指摘されているように、せめて前部艦橋構造物は全面明るい灰色にならなかったものかと。

076_Richelieu_model_04.jpg

トップと司令塔上部ができるならそれほど難しい話しではないでしょうし、もしこれが正しく表現されていたならもっと高い評価を与えても良いでしょう。

( そう言えば ・・・・ 公式サイトの見本写真では前部艦橋構造物は正しく全面明るい灰色になっているのに、生産販売品では違ったものになっていますね。 なぜ変更になったのでしょう? これってクレーム対象にならないのでしょうかねえ ・・・・ )

この記事へのコメント
レビューお待ちしてました。

やはりあの本そのまま?というのはお気づきになりますよね。

また、見本写真と製品が違うことについては、以前扶桑で搭載水偵の数が見本写真と製品で違うことについて質問したこともありますが、『写真の方が間違いです。プロトタイプをそのまま使用していました』との返答が来たことがあります。
加賀で艦尾航空機搬入口ががら空きで模型のフレームが見えていたり(龍驤のようにシャッターパーツを付けるとか、普通はそれなりの処理をするものですが)しても『全部そうなってますから仕様です』とか返答があったこともありますし、品質管理がそういうものだということでしょう。

今回のリシュリューも艦底部に舷側塗料が擦った跡もありましたし、本当に品質には疑問点を禁じ得ませんね。
どうしてこうなってしまったのでしょうか…?あなたが監修されていたころの初期はまだ多少はマシだったと記憶しているのですけれど。本当に残念です。
Posted by さうりう at 2015年12月06日 00:10
さうりうさん、こん**は。

先にも申し上げましたとおり、イーグルモス社さんにしても商業出版ですから利益がでなければなりませんし、1巻2千円程度に収めるとするとどうしても中国に頼らざるを得ないのが実状でしょう。

それを踏まえて、購読者の方々がどこで妥協し納得するかですね。

もちろんイーグルモス社さんとしても要改善点が沢山あることは事実です。

それでも、本シリーズの基本コンセプトとして気軽に飾って楽しむものとしては、見栄えは悪くはないとは思いますけどね。

まあ私が監修を降ろさせていただいたのは、やむを得ない事情がありましたので ・・・・

Posted by 桜と錨 at 2015年12月06日 21:48
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