続けて今回発売の第73巻です (^_^;
◎ 第73巻 「ウエスト・ヴァージニア」
シリーズ第73巻は米戦艦としては2隻目である 「コロラド」 型3番艦の 「ウェスト・ヴァージニア」 で、1941年に太平洋戦争開戦劈頭の真珠湾で沈められた当時の姿の設定となっています。


いつもどおり、モデラーさんとしてモニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。
細かな点はいろいろ指摘されているものの、総合評価としては本シリーズにおける外国艦の例に漏れず、日本艦艇に比べれば見栄えも出来も良好な部類ということでしょうか。
確かに、後檣の塗装の誤りなどを除けば、こうしてケースに入れて飾っても1/1100スケールとはいえそれなりの見栄えがします。

それだけに、細部の考証が中途半端なままなのは惜しいと思います。 おまみ氏もいろいろ指摘されている以外にも、水中魚雷発射管口の欠落、舵の位置のズレなどなど、例によっていくつも見られます。
そして、 「コロラド」 は船体線図1枚のみは米海軍から公式図が公表されているにも関わらず、モデル・デザイナーはどうもこれも見ていないように思われます。 したがって、舷側装甲を考えても、断面形状が少しおかしい。

結論として、本シリーズでは見栄えと出来の良いモデルが続く外国艦のなかにあっても、それほど悪くはないレベル、と言うのがせいぜいでしょうか。
もっとも、艦橋構造物などはスケール上のデフォルメを含めたモデル・デザインとして考えた場合、この造形でどこまで購読者に受け入れられるのかと、いうことになります。


そして私の手元に届いたサンプルでも、その象徴たる前後のパゴダ・マストが傾いて「ハ」の字になってたり、上の写真のように塗り分けがちょっと酷い等々があり、折角の見栄えを大きく損ねています。
そもそも、このモデルはなぜ当初予定の 「コロラド」 から急に 「ウェスト・ヴァージニア」 に変更となり、しかも同艦として最も見栄えのする就役後でもなく、真珠湾後の近代化改装が施された姿でもなく、わざわざ1941年の設定となったのでしょう?
おまみ氏は日本人受けをするように真珠湾で日本海軍が沈めた艦の当時の姿として、という理由を挙げておられますが ・・・・
私として最も考えられるのは、まず 「コロラド」 ではモデル化するに足る良い資料が集まらなかったところへ、米海軍が公開している 「ウェスト・ヴァージニア」 の公式図 (13葉綴) を見つけたことではないかと。


そしてその公式図のままの1939年ではなく、わざわざ上記の理由を考慮して1941年にしたのではないか ・・・・ と ?
結果として、やはり1939年から1941年当時までの変化についてはその考証が中途半端になってしまいました。
なぜ素直に公式図のまま1939年にしかなったのでしょう。 折角 「ビッグ7」 の一隻であるこの艦をモデル化するのに、それで何の問題も無いはずなのに、です。
ちょっと勿体ないと思わずにはおられません。