2015年07月09日

オールド・セイラーの眼 (30)


色々書かなければならないことが溜まってしまいましたが、なにはともあれまずはこれを消化しないと (^_^;


◎ 第65巻 「磯風」

シリーズ第65巻は旧海軍の 「陽炎」 型駆逐艦の一隻 「磯風」 で、1945年の天一号作戦時の設定とされています。

065_Isokaze_model_01.jpg

065_Isokaze_cover_s.jpg

モデラーさんとしてモニターをされているHN 「おまみ」 氏の評価記事は次のURLです。


“わずか11cm弱の駆逐艦模型と考えると解釈の誤差の範囲” ということで “ディテールはシリーズ平均。駆逐艦と思うとそこそこ出来てる。” と評価されています。

ただし、

シリーズ3隻目の旧海軍駆逐艦ですが、おまみ氏も当然指摘しているように、またしてもなぜ菊花紋章が?

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最初の第39巻 「吹雪」 で私やおまみ氏はもちろんのこと購読者の方々からも散々言われているにも関わらず、第51巻 「朝潮」 で同じことを繰り返し、更にこの第65巻の 「磯風」 に至っても。

もう何をかいわんやで、ここまで来るとデザイナーはもちろんイーグルモス社の企画担当部門さんの姿勢に疑問を投げかけずにはおられません。

モニターや購読者の声が全く活かされておらず、全てをデザイナーと製造メーカーに丸投げしているままになっているのか? と。

イーグルモス社さんにしてみれば “たかだか塗装のミスくらいで” ということなのかもしれませんが、旧海軍艦艇に関するこんな肝心なことさえ出来ていないと言うことは、シリーズとして “キチンとした” スケール・モデルを出すという姿勢に欠けていると評価されてしまいます。

そしてこれは何もこの菊花紋章の件だけに限らず、“軍艦” としての基本についても多々見られることは度々書いてきました。

イーグルモス社さん、日本の艦船モデルのモデラーさんやコレクターさん、そして購読者さんのレベルを見誤っていませんか?


今回はこのことだけで評価は十分なので、これに比べれば艦橋前の機銃座の形状が異なるとか厨房用煙突の取り付け方がおかしい、等々多くのことは小さい問題ということになりますが ・・・・ サンプルをいただいている者としてもう少し付け加えます。


1.何故1945年設定の 「磯風」 なのか?

おまみ氏も言われているように、確かに 「陽炎」 型で最も有名な 「雪風」 ではなく 、これまであまり大きな話題とならなかった 「磯風」 を選択したことは、 ある意味評価できるかもしれません。

しかしながら、それは1945年の「磯風」の確たる資料があってのことでしょうか? 例えば、艦尾の爆雷投下軌条などは1945年の 「磯風」 は本当にこの状態だったという根拠は何でしょうか?

「雪風」 ならその1945年の詳細な考証がなされており、また1/700や1/400の詳細な図面集も出ており、これらから1/1100にスケールダウンすることは容易です。

今回のモデルを見る限りでは、「雪風」 をそのままモデル化して名前だけ 「磯風」 としているとして、一体どこが違うと主張できるのでしょうか?


2.何故 「吹雪」 「朝潮」 「磯風」 の選択なのか?

本シリーズではこの後 「秋月」 が予定されていますが、これを除けばこれまでの3隻を飾るのに、特型以降の旧海軍駆逐艦の1/1100スケールのフルハル・モデルとして一体どれだけの見かけに差が出るというのでしょうか?

065_Isokaze_model_02.jpg

本シリーズの対象が艦船及び艦船モデルの初心者がメインであることを考えるなら尚更のことです。

特に 「磯風」 と 「朝潮」 では、電探や機銃の増設といった年代設定を別にすれば、このスケールではほとんど判らなくなると言えるでしょう。

それならば、なぜどちらか (私としては 「朝潮」 ) を止めて、太平洋戦争でも活躍した 「神風」 「睦月」 型など特型以前のものを選択しなかったのか。 あるいは何故丁型駆逐艦をラインナップしなかったのか。

シリーズ構成上のバラエティさからすれば、あまりにも中途半端であると言えるでしょう。


3.シリーズ共通の問題点はそのまま

多分モデルごとにデザイナーが異なり、またデザイン発注の仕様からなんでしょう、全て一からデザインし直すために、姉妹艦であっても形状が異なり、また共通装備品でも毎回出来が異なるという点。

そして逆にそれにも関わらず、ダイキャストの船体とプラ材の甲板との接合部に大きな段差や隙間が生じ、また艦橋構造物などの部品分割法の不良により大きく見かけを損ねる形状になる、等々の欠点は毎回同じであるという点。

全体の塗装や細部の塗り分けに毎回出来不出来が生じる点。

相変わらず傾きや隙間などなどの組立不良が生じる点。

これらの問題点は相変わらずほとんど改善されないため、見栄えを大きく損ねており、シリーズとしての質の向上が見られません。


う〜ん、イーグルモス社さん、残りあと15巻、せめてもう少し何とか頑張りませんか?

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