明後日11月16日 (日) の 「坂の上の雲」 再放送第7回は、元々の第4話 「日清開戦」 の前半です。 あらすじについてはNHK松山放送局の次の記事をご覧下さい。
さて、この第7回は前回第6回の最後、「高陞号事件」 の続きで、東郷艦長の 「浪速」 が 「高陞号」 を撃沈するに至るまでのシーンから始まります。
既にお話ししましたように、「浪速」 艦上は平成20年11月の第1回川口ロケでの撮影です。
( 6インチ速射砲 尾栓開閉や旋回・俯仰などは可動、これはなかなかのデキです )
そして、「高陞号」 船上での場面は、これに先立つ10月6〜7日の北京ロケでのものになります。
ロケ場所は市内から車で1時間程の郊外にある 「飛騰制作有限公司」 という大変に大きな撮影所。(現在は 「星美今晟影視制作中心」 となっているようです。)
( 元画像 : Google Earth より )
( スタジオの東ブロックの正面 )
ここの敷地一角にある (当時あった) トウモロコシ畑の中に 「高陞号」 のセットが作られました。 海など周りは後で合成しますので、これで十分です。
そして撮影の途中で清国兵を演じた中国側出演者の皆さんの集合写真を。
当時はこれを中国側出演者さん達への記念写真のサービスなのかな、と思っていましたが、実はこの写真、ドラマの 「高陞号事件」 シーンの最後で効果的に使われています。 柴田監督、さすがですね (^_^)
続いて 「高陞号事件」 を受けて首相官邸において総理大臣伊藤博文 (加藤剛氏) に山本権兵衛 (石坂浩二氏) が外相陸奥宗光 (大杉漣氏) と共にこれを報告するシーンですが、これには残念ながら私は参加しませんでしたので ・・・・
続くシーンは、紫禁城でのパーティへ代理公使小村寿太郎が袁世凱と李鴻章に会いに乗り込む場面。 北京ロケ2日目の夜に、同じ 「飛騰制作有限公司」 内にある紫禁城のオープンセットで撮影したものです。
私は 「高陞号」 関係がこの日の午後で終わり、後は翌日の帰りのフライトまでフリー。 スタッフから “人見大尉役の大木聡さん達と一緒に車でホテルへ送りますのでどうぞ” と言われたのですが ・・・・
別にホテルに帰ってもすることは特にありませんし (ホテル周辺の夜の散歩は前日既に済ませていますので)、折角の機会ですからそのまま居残って撮影を “見学” することに。
撮影には全く関わりませんので、皆さんの邪魔をしないように見て回ります。 これはなかなか面白かったですね。 小村寿太郎役の竹中直人氏の撮影合間合間の思わぬ素顔が見れたり (^_^)
( セット片隅のベースにて 手前が記録の野田さん、奥が柴田監督、真剣です )
続いて、 「高陞号事件」 について東郷が海軍省の山本権兵衛に呼び出されるシーンです。 これは平成20年12月18、19日横浜の緑山スタジオ・シティで。 (う〜ん、このロケの写真が出てこない ・・・・ )
再放送第7回の海軍関係はここまでです。
この後は遼東半島での好古関係が続きますが、ここでの戦闘シーンは北京ロケに続く10日間の内蒙古ロケで撮影されました。
ロケ隊は北京からそのまま移動しますので、冗談半分 (いえ 半分は本気で) で “内蒙古、行ってみたいな〜。 エキストラで参加するので一緒に” と言いましたら、真顔で “いいですけど、桜と錨さん、防寒の用意がないでしょ。 凍えて死にますよ” とのことで諦めました。
実際、ロケ隊が現地滞在中は猛烈な寒さだったそうです。 あるカットでリテイクの要求が出たところ、あまりの寒さに阿部寛氏が馬上から思わずボソッと “ヤダ” と呟いたとか呟かなかったとか ・・・・ (^_^;
(続く)
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前 : NHK 『坂の上の雲』 の思い出 (3・続)
次 : NHK 『坂の上の雲』 の思い出 (4・続)
「坂の上の雲」 はスケールの大きい物語だけに、このNHKのドラマでも世界中のあちこちでロケをしております。 といっても、私はこの中国ロケとマルタ島ロケだけなんですが (^_^;
当該撮影所には紫禁城の他に色々な街並みなどのオープンセットがあります。 撮影所入口に警備員がおりますが、特に何も言われること無しに結構自由に見学できるようです。
ただ、当時とは企業名が替わってしまっておりますので現在ではどうなのかはちょっと判りませんが ・・・・
これからマルタのお話とかも出てくるんですね。楽しみです。ロシアのところも現地にいかれなくてもかかわられておられるでしょうし。
制作の現場というか、その裏側のことを含め、直接の制作者たる監督やスタッフさん達とはまた違った、第三者的立場でお話ししていきたいと思っています。 マルタ・ロケなどのことも、どうかお楽しみに。
このドラマが放送された時に普通の学生だった息子が、再放送されている2024年に商船高専を卒業して今は就職して船の仕事を始めた所です
卒業前に赤道近くまで行く乗船実習があり、シンガポールに行っていました
今は平和で、シンガポールへの船路で学生達は真剣に勉強していました、少し旅行気分も味わいながら
でももしこれが戦争の時代で自分達の子供が戦地に向かうのであれは、これほどつらいことはないと強く思いました
ましてや戦地に赴いて帰ってこない場合があると想像するだけで心が千切れそうに感じました
坂の上の雲を見るたびに平和は大事であると本当に強く思います
ドラマの裏側が詳細に書いてあり、本当に楽しく読ませていただきました
ありがとうございました