NHK総合の44分版の 「坂の上の雲」 ですが、明後日の3月9日(日)はその第26回目で、第13話(最終回) 「日本海海戦」 の後編 が放送されます。
https://navgunschl2.sakura.ne.jp/tokusetu/NHK_Sakanouenokumo/NHK_saka_25.html
この第26回は、いよいよこのNHKスペシャルドラマ 「坂の上の雲」 の完結編です。
前回の第25回でのように、明治38年5月27日に敵前大回頭による丁字戦法に持ち込み連合艦隊参謀長加藤友三郎主導による鎮海湾での内筒砲射撃などの猛訓練の成果を遺憾無く発揮してロシアの第2太平洋艦隊をほぼ殲滅させ、翌28日には第3太平洋艦隊の大分を捕獲するなど、連合艦隊は日本海海戦において完勝を成し遂げます。
そして本第26回は、上の私の制作参画所見にあるように、その後の真之と好古の二人を中心とした本ドラマの総纏めとなります。
ただし、連合艦隊は残敵警戒もあって一旦佐世保に寄港しますが、この佐世保で待機中に連合艦隊旗艦たる 「三笠」 が事故により (正確な原因については現在に至るも不詳です) 佐世保港内で爆沈すると言う大事件が生起するのですが、これについてはドラマでは出てきません。
そして10月23日横浜沖で行われた凱旋観艦式についても画面上は出てきません。 恐らく余りにも大規模過ぎて流石のVFXさん達でも描き切れなかったのではと。
そして何と言っても問題なのは 「連合艦隊解散式」 です。
史実としては、明治38年12月20日に戦時編成である連合艦隊が解散となり、ドラマに出てくる解散式はその翌日で、この21日の行事は解散式であると同時に連合艦隊司令長官たる東郷がその職を辞しての退隊式でもありました。
何度も申し上げますが、もしこの解散式関連のシーンだけでも 「記念艦三笠」でロケが出来ていれば (特に加賀元気劇場の 「三笠セット」 には無い後部艦橋構造物から艦尾にかけて) 素晴らしいものになっていたはずですが、残念ながら海上幕僚監部や 「(財)三笠保存会」 は全面協力とは全く言い難い姿勢でしたので ・・・・

( 記念艦三笠の広い後甲板 )

( 日本海海戦当時の 「三笠」 の高甲板 )
このため、連合艦隊元首席参謀だった有馬良橘がこの解散式を 「朝日」 の後部艦橋ウィングから見守るシーンは、加賀元気劇場 「三笠セット」 でのロケで、第19回で出てきた現地陸海軍合同作戦会議で陸軍側が 「三笠」 の舷梯を上がってくるシーンの撮影前の段階で撮り終わっており、そして有馬役の加藤雅也氏はこの時 (平成22年5月16日) 早々に撮了でした。

そして最後の場面で、真之は僅か満49歳の生涯でしたがドラマ上は臨終時ではなく、海軍省の廊下を歩く後ろ姿で、これは江田島の旧海軍兵学校赤レンガの2階でのロケです。 好古が71歳で病床で家族に見守られながらの最期のシーンからするとちょっと寂しかったかと。
ということで、44分版のNHKドラマ 「坂の上の雲」 の全13話、26回の再々放送の完了です。