2024年05月28日

海空会編纂 『海軍航空史年表』


「海空会」 が昭和32年に旧海軍の海軍航空史を編纂するに先立ってその内容の基準・基本を統一することを企図して纏めた史料です。

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( 元々は藁半紙にガリ版印刷したものでハードカバーではありませんので、どこかでいつか製本し直されたものと思われます。 )

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( 本史料の元々の表紙 )

明治42年から昭和20年まで日付順に、中央機構、組織編制、教育、技術・造修、作戦・訓練、国内外情勢・陸軍・民間航空の6つの項目に分類して記述したものとなっています。

この史料は当時海空会会員の他に関係する人・組織などに結構幅広く配布されたものと考えられ、私の現役時代にも防衛省・海上自衛隊の複数のところに残されている (眠っている) のを確認しております。

勿論、海自部内において本史料の存在やその活用状況などの話は全く聞いたことがありませんし、現在ではどこに残っているのか ・・・・ ?


そして市販品ではありませんでしたので、一般の方々でこの史料をご存じの方、あるいはお読みになられた方はどれくらいおられるのでしょう?


この史料に基づく海軍航空史の方は、その後昭和44年に日本海軍航空史編纂委員会編で 『海軍航空史』 全4巻が時事通信社から、更には昭和57年に 『荒鷲の航跡 日本海軍航空外史』 及び同別冊として 『海軍航空年表』 が海空会編で原書房から出されていますので、これらについてはお持ちの方やご覧になった方々も多いことでしょう。

そして旧海軍航空史の年表は、上記の昭和57年のものや、海空会のメンバーであった永石正孝氏の手になる 『海軍航空隊年誌』 などがありますが、内容的にはこの史料の方が良く出来ており、かつ見易いと思います。 なぜこの史料をそのまま出版しなかったのか不思議でなりません。

この方面に興味がある、あるいは研究者の方なら手許に置いておくと便利で重宝すると思います。 もし、まだ入手されていない、あるいは未読の方でしたら、図書館などで見かける機会があった時には、是非コピーを取っておかれることをお勧めします。 古書店などで時々出回っているようですが、結構な値がついているようですので。


ところでこの 「海空会」 についてですが、旧海軍の航空関係の士官や下士官兵などの集まりで、1988年までの名簿が存在することは知られていますが、実際の活動内容やその後の現状などについては良く判りません。

本史料は刊行物では無くその海空会の内部文書ですし、部内外の関係者に広く配布することを目的にしておりますので、私としては著作権の所在がどうなっているのかはちょっと気になるところです。


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2024年05月26日

「射撃要務」 などの公開


本家サイトの今週の更新として、『現代戦講堂』 の 『資料展示室』 コーナーにて開設しております 『海上自衛隊の砲術・艦砲射撃』 において 『2.射撃指揮法と射撃要務』 の頁に2つ目の 「射撃要務」 の項を追加 しました。

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/24_JMSDF_Shageki_Shiki_youmu.html#sec_02

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また併せて既にご案内しました 『史料展示室』 の 『海上護衛戦史料集』 コーナーで、その第2段として 昭和54年の新倉幸雄氏の『海上交通保護作戦に関する一考察』の海自複製版の全文を追加公開 しました。

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/tenji/73_Goei_Niikura.html

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いずれも本邦初公開となるもので、海上自衛隊ではこの種のものを一般向けに説明・公開しようとする動きが全く見られませんので、私ならではのものと自負しております。

今後とも海自自身からは出てこないであろうと思われるものを公開していきたいと思います。 もちろん秘密保全にかかわるものではなく、OBとしての守秘義務に該当するものでもありませんから。

posted by 桜と錨 at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 海自のこと

2024年05月23日

海上護衛戦史料の紹介 ・2


大井篤氏著 『海上護衛参考書』 に続いて、以前ご紹介した新倉幸雄氏著の 『海上交通保護作戦に関する一考察』 を本家サイトの次の更新で全文を公開したいと考えています。

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昭和54年に防衛研究所が出して、これを海上自衛隊が複製したもので、第1次及び第2次大戦期におけるものを簡潔に纏めたものです。

しかしながら、同書は元々の防衛研究所には残されているのでしょうが、この防研版も海自の複製版もどれだけの数が印刷され、どこにどの様に配布されたのかなどについては判りません。

私が保有する海自複製版のコピーも、いつどこにあったものものであったのか記憶にありませんし、現役中にこういうものがあると言うことを聞いたことはありません。

当然ながら海上自衛隊からこの史料について一般向けに公開や説明がなされたことが無いのは勿論ですし、今後ともそれがなされるとはとても考えられないと言わざるを得ないでしょう。

posted by 桜と錨 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2024年05月19日

海上自衛隊の 「射撃指揮法」


今週の本家サイトの更新として、『現代戦講堂』 の 『資料展示室』 コーナーで、「海上自衛隊の砲術・艦砲射撃について」 の項に 「2.射撃指揮法と射撃要務」 の頁を追加し、「射撃指揮法」 についてお話しすると共に、昭和44年と56年のスタディガイド (SG) の全文を公開 しました。

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「射撃指揮法」 と言いますのは、早い話がその艦に装備された砲熕武器システムをどのように運用するのか、ということです。

先にお話ししたように、現在では 「艦砲射撃教範」 は砲とミサイルの両方のシステムを合わせた 「艦艇射撃教範」 となっているように、「射撃指揮法」 そのものもかなり変わってきていますが、ここでお話しするのは砲熕武器そのものに限定した、いわゆる 「古典鉄砲」 で、砲熕武器の本来の射撃指揮法を示したものと言えます。

自己の過去の経緯たる公式の25年史や50年史さえ公開したことの無い海上自衛隊ですから、この射撃指揮法については、海上自衛隊自身から一般向けに説明されたことはこれまで一切ありません。

少々古いものですが昭和44年と56年の1術校幹部学生用のSGの全文を公開しますので、もちろんこの程度の内容でさえ一般の方々向けに公開されるのは初めてのことでしょう。

内容はマニアニックなものですが、この方面に関心のある研究家の方々にとっては興味のあるものと思いますし、私がやらなければ今後とも海自自身がやることもそのつもりもおそらく無いものでしょう。

posted by 桜と錨 at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 海自のこと

2024年05月13日

GWが終って街へ


またまた家内のアッシーで街に降りる用件がありましたので、昼食は最近家内共々お気に入りの焼肉定食の 「さんなな」 さんへ。

家内はランチ定番の3種のお肉の焼肉定食、私は1つ多い4種の定食です。

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いつもどおり、お肉は丁寧な下ごしらえと味付け、野菜たっぷりのサラダと自家製のニンジン・ドレッシング、お釜で炊いているご飯、手作りのお味噌汁、これも自家製のお漬物に、お肉用の付けタレのセットです。 付けタレはそれぞれのお肉の種類によって味が付いていますので、タレを漬けなくとも十分です。

う〜ん、大変に美味しいです。 この辺のお店の一般的な味付けとはちょっと異なる上品なもので、大都会に出た気分になれます。

昼食の後は例によって近くのコメダ珈琲店で時間調整。 ここでもいつもどおりのタップリ・アメリカンです。 こちらの方では、安くてそれなりの味のコーヒーが飲めるというのもここかコンビニのセブン・イレブンか、というのも ・・・・ (^_^;

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GW、そしてこちらではこの土・日に “ゆるキャラ祭” とかいうのがあって、雨にも関わらずそれなりの集客にはなったようですが、今日はまたいつもどおりの閑散とした街中に戻っていました。

posted by 桜と錨 at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2024年05月12日

海上自衛隊の 「砲戦教範」 について


今週の本家サイトの更新として、「海上自衛隊の砲術・射撃について」の「1.海上自衛隊の砲術・射撃の3大教範について」 のページにて、3つ目の最上位教範である 「砲戦教範」 のお話を追加しました。

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/23_JMSDF_Shageki_Kyouhan.html#sec_03

この海上自衛隊における 「砲戦教範」 は、当初は旧海軍のものの色が強く残っていたものですが、昭和56・57年頃になると流石に水上艦艇の対空・水上戦闘としては古めかしくなってきましたので、これを 「砲戦・ミサイル戦教範」 とするべく検討が開始されたようです。

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実際にはその後 「砲戦教範」 を破棄して全面的に新たなものとなった別のものが制定されたと聞いておりますが、これについては私は具体的な内容について言及する立場にはありません。

そこで、そのミサイル戦を含めた改訂の一検討案である昭和58年の1術校幹部課程における 「砲戦・ミサイル戦」 のSGの目次体系をご紹介しました。

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当時の検討案の一私案であり、かつ学生に配布されたSGですので全文をご紹介しても問題ないでしょうが、内容はほとんどが米海軍のものの引用、丸写しですので、これについては項を別にして改めてお話ししたいと思っています。

まあ、それくらい当時から海上自衛隊については、水上艦艇の戦闘様相については基本的に単艦が中心であり水上部隊としてのものではなく、米海軍に比べると遥かに劣るものである、ということです。

posted by 桜と錨 at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 海自のこと

2024年05月08日

豚の丸焼き マルタ


facebook でFBFの方が養豚が一匹町に逃げ出したのに出会ったとの話題が出ましたので、私はつい 「丸焼きにしたら」 とレスしてしまいました。

実は、この豚の丸焼きには思い出があります。 もう時効でしょうからお話ししても良いかと (^_^)


昔、NHKの 「坂の上の雲」 のロケで地中海のマルタに約1か月滞在した時、スケジュールはほぼ順調に消化できて、予備日にとってあった2日間は使わずに済んで最後の撮影日となりました。

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/tokusetu/NHK_Sakanouenokumo/NHK_saka_17.html

当日のロケは、この日の午後から撮影所内に作られたロシア艦セットにて日本海海戦における 「スワロフ」 の炎上シーンでしたが、これは撮影所側と日本側のスタッフの準備よろしく、淡々と進められました。

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( 入念な事前準備と確認を )

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( 初めは少しずつ )

そして、撮影が進んできてから大々的な迫力あるシーンが欲しいということになり、結局セットを本格的に燃やしてしまうことになりました。

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これはちょっと凄かったです。 監督の加藤拓氏もここまでよく燃えるとは思っていなかったようで。 「いや〜、見事に全部燃えちゃったね〜」 と (^_^)

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( 後ろ姿は加藤拓監督 )

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( ほとんど燃えたセットを浅水槽越しに )

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( 完全に燃え尽きて消火も終わった後の残骸 )

で、セットが燃え尽きて全てが終わってから、日本側と撮影所側のスタッフ・関係者の総員が食堂コーナーに集まってマルタ・ロケの打ち上げです。

この打ち上げ、撮影所でのロケの期間、朝となく昼となく、時には夜中でも撮影がある時はいつも食べ物と飲み物を提供してくれた撮影所出入りの業者さんが全て準備してくれました。

で、この時のメインが豚の丸焼きでした。 業者さんのマスターが食堂コーナーの一角に専用の丸焼き器を運び込んで何時間もかけてクルン、クルンと焼き上げてくれ、打ち上げが始まると焼けたところから次々に切り取って各自のお皿に。

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勿論、豚の他にも鳥やソーセージ、野菜類なども色々ふんだんに。 これらを好きなだけ何度も自分のお皿に乗せて、冷えたビールやワインなどを持って、あちこちに思い思いに集まって立ちながらや座ったりでワイワイ。

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約2時間、皆んなと約1か月のロケを振り返りつつ楽しいおしゃべりをしながら、存分に食べたり飲んだりで。

そして何と言っても、この時の豚の丸焼き、何度もお皿を持って貰いに行きましたが、その味は忘れられません。 美味しかったです。

posted by 桜と錨 at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2024年05月05日

ニャンコ 5歳の誕生日


我が家のニャンコの小春は生後約5ヶ月で保護センターから譲渡された元野良猫ですから、正確な誕生日は判りませんので、我が家で勝手に今日にしている誕生日です。

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考えたらまだ満5歳。 でももう昔からずっと一緒にいるような ・・・・ 娘達は全て出てしまいましたので、私達老夫婦二人にとってはいつも一緒にいる家族の一員になっています。

いまだに成猫用のカリカリはほとんど食べず、子猫のように練りタイプのチュールばかり。 そのためか一日中よく食べますので、随分と大きくなった上にちょっとおデブさんです (^_^)

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( ケーキを準備している間から 「それ、あたしんだよね」 とそわそわ )

外に出せない完全な家猫ですので、昼も夜もいつも家内や私の “近くのどこか” にいるのですが、お腹が空くと自分から寄ってきて 「ニャ〜ン (チュール)」 と催促。

しかしながら、三毛猫だからなのか元野良だからなのか、それとも小春の個性なのでしょうか、膝の上に乗って来るとかスリスリしてくるとかもう少し飼い猫らしい愛嬌があればと思いますし、顔つきも愛想がありません。

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( お澄ましをすると一層愛想がありません (^_^; )

ただ、家中のありとあらゆるところをガリガリやったり、ところ構わずウンチやオシッコをするわけではありません。 その意味では大人しくて良いニャンコですし、しかも昼間は窓の桟に上がって外を眺めていたり私の仕事部屋のスキャナーの蓋の上で寝ていたり、夜は暖かくなったこの時期は毎晩私の布団の上に上がってきて足の間で寝ています。

まあ、今では老夫婦二人にとって手のかからない立派な家族の一員ではありますね (^_^)

posted by 桜と錨 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

海上自衛隊の 『艦砲射撃教範』


今週の本家サイトの更新として、『現代戦講堂』 の 『資料展示室』 コーナーにて開設しました 「海上自衛隊の砲術・射撃について」 の 「1.海上自衛隊の砲術・射撃の3大教範について」のページにて、「艦砲射撃教範」 のお話を追加すると共に、昭和48年度版の同教範の全文を公開 しました。

https://navgunschl2.sakura.ne.jp/Modern_Warfare/Shiryo/23_JMSDF_Shageki_Kyouhan.html#sec_02

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同教範についての全文の公開は、先の昭和51年度版 「艦砲操法教範」 に続いて、ネット上も含めて初めてのことと思います。


なお、この昭和48年版の 「艦砲射撃教範」 は、その後平成10年にミサイル射撃と一緒になった 「艦艇射撃教範」 となって、これとは異なったものに変わってしまっており、また後者は 「秘」 文書でもありますので、残念ながらそれ以降の内容は私がお話しする立場にはありません。

昭和48年版 「艦砲射撃教範」 は旧海軍からの艦砲射撃を色濃く残す、いわゆる “古典鉄砲” と言われるものです。 旧海軍が作り上げてきた艦砲射撃の真髄というものの基礎・基本をお楽しみいただけたらと存じます。

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2024年05月02日

街へ焼肉定食を食べに


GWも中日になり老夫婦二人で家ごもりしていますが、家内から 「お父〜さん、あの焼肉定食が食べたいよね〜」 っと強い要望 (要求) がありましたので、カレンダーでは平日でもあり、“みなと祭り” なるものも終わったので、まあいいかなと。

お邪魔したのは昼は焼肉定食のみで有名な 「さんなな」 さんへ。

一応昼ちょっと過ぎに行ったのですが、最近ますます人気が出てきたせいかカウンター席8つのみのお店ですので満席。 外で10分位待って入れました。

家内は定番の焼肉定食、私は今回はこれよりお肉が1種多く牛ハツが入った定食を。

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いつもどおり、お肉は丁寧な下ごしらえと味付けで、それに好みにより漬けるタレも。 牛ハツにはタレも別に付いてきます。

野菜たっぷりのサラダに手作りのニンジン・ドレッシング。 ご飯とお味噌汁、漬物もキチンと。

う〜ん、毎度ですが、大変に美味しいです。 この味付けはこの辺での一般的なものではありませんで、都会へ出て食べたような気になります。 家内の強い要望が出るのも無理なからんと (^_^)

ただ、街中はGW最中とは言えみなと祭りが終わったためかやはりいつものように閑散としていました。 何かイベントでも無い限り人が集まらなくなったのでしょうね。

posted by 桜と錨 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに