既に書店店頭に並んでいるかと思いますが、月刊誌 『丸』 3月号の見本誌が届きました。
今月号の特集の2つ目が『海自最新鋭ステルス艦 「もがみ」型護衛艦』 です。
私もこの中で1稿を書かせていただきました。
『 海自護衛艦の変遷を追う 』保安庁・警備隊になって米海軍からの貸・供与に始まり、その後国産の護衛艦が建造されましたが、その変遷を主として艦全体のデザイン形状、即ち“艦形”をメインとして簡単にお話ししたものです。
しかしながら、紙幅の関係もあって現在空自の F-35B 搭載用に改修中のDDH及び最新のFFMと言う 「もがみ」 型については省略せざるを得ず、これらについてはそれぞれ他の方の記事に譲らざるをえませんでした。
ただし、これは 「丸」 編集部さんの意向もあるのでしょうが、初心者向けの読者の方々向けの解説記事となり、著者の方々もいわゆる “船に乗ったことのない” “武器・システムなどを扱ったことのない” ライターさんのものとなってしまいました。
「 結局、「もがみ」護衛艦は有事の戦力として期待されるというよりも、平時の洋上監視で有力な戦力と言えるのではないか。」
とされる方もおられますが、本当にそれでOKなのでしょうか?
その様なことは海上保安庁が追求すべきことであって、いわゆる “軍艦” としては有事のため、かつ多用途、多目的な使用とそのための能力を有するべきでは?
しかも、現在の 「もがみ」 型は基準排水量が3900トンもある大型護衛艦でもあるにも関わらず、兵装は少なく、かつ乗員は約90名に過ぎないのです。 つまり、長期行動での哨戒直なら1直僅か30名弱です。
これでは平時において “艦体・機関・装備の全てが正常に作動する完全にノーマルな状態において” その限られた能力が発揮できるに過ぎないのです。
つまり、装備などのどこかにトラブル・不具合箇所が生起した場合にはシステムの表示にしたがってそのユニットごとまるまる交換する方式とせざるを得ず、これまでのような乗員による故障探求・修理などは行動中にはまず不可能と言えるでしょう。
したがって、トラブル・不具合箇所がそれなりのものである場合には、即母港などへ帰港して後方支援部門がこれに当たる必要が出てきます。
そして、これまでのような船体・機関・装備の乗員による計画整備・メインテナンスなどは僅か約90名の乗員ではほぼ不可能であり、しかもクルー制などを採用すると、日本人の性格からしてもいわゆる自艦に責任を持たない “帳面消し” となる可能性が大です。
ましてや、平時任務においてさえ、立入検査、臨検・拿捕や陸戦隊編成は言うに及ばず、派遣防火隊の派出さえ出来ないのでは ?
FFM 「もがみ」 型の原型である米海軍における “ストリートファイター構想”、つまり 「LCS計画」 は既に完全な失敗であることが証明されており、次期水上艦の建造計画は在来型であるDDGXとされ、かつこのLCSは艦齢僅か数年にして退役が始まっている、にも関わらずです。
これを22隻もの大量建造を推進しようとする海上自衛隊、よほど隊員の確保が困難となってきた結果なのでしょうね。
私としては、FFMではとてもではありませんが、有効な 「海上防衛力」 を構築できるとは考えられません。 海上保安庁に毛の生えたレベルが精々かと。
ましてや、次に予定されている 「哨戒艦」 構想などは ・・・・ (^_^;