2018年07月30日

海自島根OB会の会誌

週末は台風12号の来襲で先日の被害が広がるのではとヤキモキしましたが、何とか無事に過ぎ去ったようです。

まだあちこちの道路は何とか通れるようになっただけで、その肝心な斜面などはほとんど手が着いていませんから、これでまた大雨など降られると大変なことになりますので。


ところで、FBFでもある海自OBの濱村氏より海自島根OB会会誌の最新号をいただきました。

島根海自OB会誌_01_s.jpg

A4版の10頁のものですが、会の活動の様子が端的に纏められており、また会員の近況欄なども掲載されています。

まさにOB会らしい会誌です。 これなら会員として気軽に楽しめるのではないでしょうか。


そして会誌を見ても、海自OB会として色々な活動も活発に行われているようで、羨ましい限りです。

島根各地の港に広報などで自衛艦が入港する時には、積極的に支援を行っているようですが、同じ激励を受けるならば乗員側としても自分達と同じ海自隊員であったOB会を名乗るところからの方が嬉しいでしょうね。

私も現役の時に経験がありますが、水交会が “激励” といって来艦しても、要は元ベタ金だった役員を “接遇しろ” ということですので (^_^;


聞くところによると、水交会は年会費5千円ですが、地方支部の会員にとっては本部主催の行事などにはなかなか参加する機会もない上に、年4回送られてくる会誌 「水交」 もほとんど読むところがない、という声が強いようです。

このため水交会呉支部では、年会費3千円で支部のみの活動と年1回の独自の会誌という 「支部会員制度」 を設けたそうです。 そしてこの独自の会誌もなかなか面白い記事が多く揃っています。 (ただ広告頁が全体の1/3近くあるのですが (^_^; )

う〜ん、でもこれならOB会ではない水交会は水交会としておいておいて、島根海自OB会のようにあっさりと 「海自OB会」 を再興した方がOB達の活動は活発になるのではと思います。

posted by 桜と錨 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2018年07月29日

樺太所在の旧陸海軍航空基地一覧


台風12号に伴う雨は今のところ大したことはありません。 夕方までこのままならば危惧された更なる被害はそれほど出ないかも ・・・・ ?


今週の本家サイトの更新は、『旧海軍の基地』 コーナーに樺太の 「敷香」 及び 「大泊」 の2つの航空基地を追加しました。 併せて 「北緯50度以南の旧陸海軍航空基地一覧」 の頁を作成し公開しました。

Karafuto_Island_AB_sat_h30_mod_s.JPG

   http://navgunschl2.sakura.ne.jp/bangai/IJN_Nav_Base/Nav_Air_Base_list.html
   http://navgunschl2.sakura.ne.jp/bangai/IJN_Nav_Base/000A_05_Karafuto_AB.html

先にもお話ししましたように、千島列島と樺太所在の旧陸海軍の航空基地一覧は、ちょっと所用があって終戦から現在までの旧ソ連及びロシアの極東地域 (一応バイカル湖以東) に所在する (した) 航空基地 (民間飛行場を含む) を調べていた副産物です。

現在まで確認が終わった樺太所在の旧ソ連及びロシアの航空基地はこのように ↓ なります。

USSR_Sakhalin_AB_list_sat_h30_mod_s.jpg

そして現在までに確認が終わった極東所在の旧ソ連及びロシアの航空基地はこのように ↓ なります。

USSR_Far-East_AB_list_sat_h30_mod_s.jpg

( えっ、小さすぎて判らない、ですか? これの詳細はちょっと公開するチャンスは無いかもしれません (^_^; )

もちろんここには、今では既に無くなった基地も含まれております。 また舗装された滑走路がないプロペラ機時代の飛行場、いわゆる離着陸場 (Landing Ground) や不時着陸場 (Emergency Landing Ground) など、そして陸上設備がほとんど無かった水上機基地などは、今となっては概略の場所だけで正確な位置が特定できないものも多くあります。


それにしてもつくづく思うのは、偵察衛星などまだ無かった時代の米軍情報が驚くほど正確だったことです。 これは本当に凄いことです。

そして、私などが現役の頃さんざん苦労して集めたデータが、今では Google Earth でいとも簡単に誰でもその詳細を見ることができます。 良い時代になりましたね。

posted by 桜と錨 at 13:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2018年07月28日

1/700 音響測定艦 「ひびき」


シールズ・モデルさんから出ている海自の音響測定艦 「ひびき」 の1/700 レジンキットをいただきました。

700_Hibiki_01.JPG

護衛艦などは他のメーカーなどから沢山出ておりますが、こういう艦のスケールモデルは珍しいかと。

船体、艦橋構造物、飛行甲板と煙突が主要なレジン部品で、あとはメタルの小物類やデカールなどで構成されています。

700_Hibiki_02.JPG

レジン部品は細かいところまでキッチリと抜けており、湯口なども大変小さくて修正に手間取ることはありません。

700_Hibiki_03.JPG

全体の造形は素組でも十分と思いますが、腕に覚えのあるモデラーさんなら好きなだけ手を入れれば更に見栄えが良くなるでしょう。 それがスケールモデル・キットの良いところですから。

それに組立説明書の他に、デカールの貼り方も別の1枚でキチンと説明されている点は好感が持てます。

私などから見ても、これ、ちょっと良いんじゃないですかねえ。
艦船スケールモデラーさんなら食指が動くのでは (^_^)

posted by 桜と錨 at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 気ままに

2018年07月22日

艦砲における照準発射法


暑いですね〜

本家サイトの今週の更新として、ここでの先の記事 『艦砲射撃の基礎中の基本 − 「照準」 について』 に関連して、『旧海軍の砲術』 コーナーに 『照準発射法概説』 を追加しました。

『旧海軍の砲術』目次 :
   http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/ijn/ijn_frame.html
『照準発射法概説』 :
   http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/ijn/shoujun/gaisetsu/shoujun_gaisetsu.html

この照準発射法というのは、やはり艦の上で実際に触って、やってみないとなかなか文章だけでは一般の方々にはピンとこないところの一つであろうかと思いますが ・・・・

今回はその照準発射法についての概説で、それがどの様なものであるかを簡単に説明するとともに、旧海軍における関係データもご紹介しました。

おそらく 「砲口秒時」 や射手が発射の決意をしてから実際に引金を引くまでの秒時などの実験データは初出のものであろうかと思います。


旧海軍における照準発射法の具体的な詳細については、後日項を改めて解説することにしています。

旧海軍ではこの照準発射について、射弾精度の向上と散布界の縮小、そして発射速度の維持のために “こんな事にまで気を遣っていたんだ” という、よく言えば日本人の気質らしい大変にきめ細かい事項を含むものです。

ただしその反面で、やはり欧米に比べると技術力、中でも動力や自動制御と言った基礎的なところが劣っていた故に仕方なく、ということが多分に含まれることもまた事実です。

posted by 桜と錨 at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 砲術の話し

2018年07月20日

艦砲射撃の基本中の基本 − 「照準」 について (補)


先日この記事の (2) について次のようなお尋ねをいただいたところです。

十字の照準線が海面に対して傾いていますが、このナナメの照準線は海面に対して水平になるように補正されるのでしょうか?

望遠鏡が斜めになっていても補正する必要は無いと云う事でしょうか?

ponter_sight_01_s.jpg

艦砲射撃の基本中の基本 − 「照準」 について(1) :
     http://navgunschl.sblo.jp/article/31394377.html
艦砲射撃の基本中の基本 − 「照準」 について(2) :
     http://navgunschl.sblo.jp/article/31444732.html
艦砲射撃の基本中の基本 − 「照準」 について(3) :
     http://navgunschl.sblo.jp/article/31463342.html
艦砲射撃の基本中の基本 − 「照準」 について(4) :
     http://navgunschl.sblo.jp/article/31479877.html

回答は既に当該頁に付けておりますが ・・・・ ひょっとしてもしかしたら他にも同じような疑問を持っておられる方がおられるのではないか、とハタッと思いましたので、少し補足説明をしたいと思います。


既に (1) 〜 (4) でも、そして本家サイトの他の項のところでも書いておりますが、再度申し上げますと、

砲台も方位盤も艦の甲板面を基準にして据え付けられております。

そして、大重量物である砲台はともかく、大戦期までは有人の方位盤でも方位盤そのものが動揺修正装置の上に乗っているものはありませんでした。

これが開発されたのは大戦後になってからで、例えば海自の射撃指揮装置1型や米海軍のGFCS Mk68などです。 ただしその後はすぐに無人方位盤の時代となっていますが。

したがって、方位盤射撃にしても砲側射撃にしても、射撃のための照準はこの揺れる甲板面を基準にして行われることになります。

とすると、正確な射撃計算をするためにはどこかで照準又は測的のデータに動揺修正を加えて水平面基準に変換し、そしてそこでの計算結果を再度甲板面に換算し直して砲に送る必要があります。

この動揺データの計測は、これを人的に行うか又はジャイロを利用するかのどちらかとことになります。

ここまではご理解いただけていると思います。


さて、問題はここからです。

砲台 (小口径の単装砲などを除く) でも方位盤 (小型の簡易型を除く) でも、照準は上下を担当する射手 (俯仰手) と左右を担当する旋回手の二人によって行われます。

なぜ俯仰は射手が担当するかは既にほかのところでも説明してあるとおり、通常は照準線の縦の動きの方が横の動きよりはるかに大きく、かつ射撃上も左右よりは俯仰の方が高い照準精度を求められるからです。

そして水上目標を照準する場合には目標は水の上に浮いていますので、この (照準線に対する) 縦動揺は、射手による俯仰の照準操作の中に自動的にこの動揺データが含まれることになりますから、これを人的に計出する別個の縦動揺手は設けなくても構いません。

もしあれば射手の照準操作は楽にはなりますが、しかし旧海軍では射弾精度のために射手が上下動の上限と下限のタイミングを見計らって引金を引くことがやかましく言われましたので、照準器の視野を安定させてしまうとそれが判り難くなります。


もう一つが横動揺ですが、これは射手と旋回手による照準操作のデータには含まれませんので、別個の横動揺手が必要になります。

そこでお尋ねいただいた件ですが、もし射手や旋回手の照準望遠鏡にこの横動揺手による動揺データが入力され、その視野が水平を保つようにしたとしたらどうなるでしょう?

確かに一見すると安定して照準しやすくなるように思われるかもしれません。 そして射撃指揮官にとってはこれの方が射撃指揮や弾着観測のために見やすくなることは確かです。

ところが、射手や旋回手の照準操作そのものは甲板面を基準 (=動揺によって揺れ動く) として傾いている方位盤を動かすものです。

つまり先の図を水平面が水平になるように直すと、方位盤は動揺によって傾いていますので、射手や旋回手の操作は下図の赤線の方向に方位盤を動かすことになります。

ponter_sight_01_s_mod.JPG

したがって、照準器の視野のみを横動揺に対して水平安定させると、射手や旋回手の照準操作はその視野の垂直、水平方向とは異なる動きになってしまい、射手や旋回手は見ている視野と自己の操作による動きとで感覚的に差を生じる不具合となります。

ではそれなら、ついでに方位盤の俯仰と旋回の機構にもこの横動揺を組み込んだらという意見もあるかもしれませんが、そのためには方位盤が複雑なものとなることは明らかです。

このことから、照準望遠鏡の視野は横動揺に対して安定させずに、方位盤の動きそのものとなっているのです。

以上のことは砲側の照準器についても同じことですので省略します。

そして、対空目標の場合は空を飛ぶ航空機の動きそのものは当然動揺とは無関係ですから、射手や旋回手の照準データには目標の動きと動揺とが一緒になっていますので、横動揺手の他に縦動揺手によって照準線に対する垂直方向の動揺データの計測が必要になるわけです。


以上ですが、後ほどこの項の (1) 〜 (4) と本頁を纏め直して、本家サイトの 『砲術の話題あれこれ』 に加えたいと思っています。

また、旧海軍における照準発射法の概説について新たなコンテンツを作り 『旧海軍の砲術』 コーナーに追加するように準備しています。


この旧海軍の照準発射法、まあ日本人気質らしく大変に細かいことをやっていると言えばそうなのですが、逆に動力や自動制御の技術が劣っていたためにやむを得ず、というところがあることもまた確かです。

posted by 桜と錨 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 砲術の話し

2018年07月15日

旧海軍の航空基地管理


暑いですね〜

豪雨が過ぎ去ったと思ったとたんに一挙に真夏です。 被災された方々や現場で復旧に当たっておられる方々は大変でしょうね。 皆さん頑張って乗り切っていただきたいと思います。


本家サイトの今週の更新は、『旧海軍の基地』 コーナーでのコンテンツの追加・更新に関連して、その中で出てきました旧海軍の航空基地管理について関連する昭和17年10月31日から同20年7月25日までの内令の全てを1つのPDFファイルに纏めたものを公開しました。

kichikanri_p1_s.JPG

   http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/IJN_houki_main.html
   http://navgunschl2.sakura.ne.jp/IJN_houki/PDF/Koukuukichi_kanri_nairei_all.pdf

旧海軍の各航空基地の頁を作成するために以前に作っておいたものですが、この機会に皆さんにもご紹介することにしました。

ご存じのとおり、開戦から1年が経つと特設航空隊がどんどん増設され、また常設航空隊も作戦のために本来の原駐基地を離れることが多くなってきました。

これまでは本隊が不在となった航空基地は 「海軍航空隊残留隊令」 によって元々の航空隊の一部が残留隊として残って管理していましたが、これでは本隊の業務管理も面倒ですし、他の航空隊が使う場合などでも不便です。

そこで、常設航空隊も作戦に応じた展開・移動がし易いように、航空隊名も練習航空隊を除いて原駐基地名ではなく特設航空隊と同じナンバー隊名に変更するとともに、これまでの 「残留隊令」 を廃止し、航空基地の管理は専門の基地管理隊又は所属上級部隊の隷下にある陸上部隊に任せることにしたのです。

また、元々が原駐航空隊が置かれていない航空基地も、航空部隊の増設により使用する頻度が多くなってきますと、その維持管理が問題となって来ました。

これが広い意味での 「空地分離」 の始まりとも言えるものであり、今回公開する航空基地管理に関する一連の内令となりました。


しかしながら、こういうものも意外とありそうでなかなか無いんですよね。 戦史叢書や『日本海軍航空史』などでも纏まった内容のものはありません。

各航空部隊と共にこういう基地管理についても旧海軍航空史を考える上では重要だと思うんですが ・・・・

posted by 桜と錨 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2018年07月08日

本家サイトの今週の更新


大雨での被害は我が家付近はほとんど無いのですが、ここの大団地群へ通じる道が全て通行止めとなって陸の孤島化しておりまして・・・・

という訳でも無いのですが、今週の本家サイトの更新は先日公開した 「関東地方所在の旧陸海軍航空基地一覧 (暫定頁) 」 で、場所と状況が特定できない 「千葉飛行場」 を除く旧陸軍の全41基地についてポップアップ表示ができるようにしただけです (^_^;


Kantou_AB_List_sat_h30_mod_s.jpg

旧陸軍の各飛行場についてはそれぞれの専用ページを作る予定はありませんが、一応これだけの情報があればまずは十分かなと。

それにこういう一覧データは出版物でもネット上でもほとんどありませんので、何かの時に参照するのに便利ではないかと思っております。

基地関係では、次は樺太を纏めてみる予定にしております。

実は、千島列島も樺太も別の用事があってちょっと調べ物をしていたのですが、そこでの副産物としてのものです。

posted by 桜と錨 at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2018年07月05日

方位と距離の呼称法 (補)


見張の場合の方位及び距離についての基本の呼称法については既にご説明したとおりですが、昔輸送艦の見張員をやっていたという方から次のようなコメントをいただきました。

見張り報告で80(やーまる)とか普通に使ってましたよ? 視界内に入ってきたフネを報告する際に100m1単位でやってました

根拠と言われても「当時そういう報告の仕方を教わって見張り員配置の時にそのままやっていた」としか言いようがありませんが。


先の説明ではあまり細かいことや例外的なことまで言及すると本題の主旨から離れますし、煩雑になりますので、方位や距離の呼称法について “艦橋内でも様々な種類、場合、状況がありますね” ということに止めました。

折角ですから、この海上自衛隊における場合について補足として少しお話しすることとします。


見張の報告における方位及び距離の呼称法については、報告を受ける者が即座かつ直感的に理解できるように、艦首を基準とする左右180度までの相対方位と、目測による大凡の距離をメートル単位で行うのが旧海軍からの基本です。

( ちなみに、いただいたコメントの中にある 「相対角」 というのは旧海軍・海上自衛隊の用語にはありません。 また “見張りの報告” を 「口語」 という言い方もしません。)

もちろん方位にしても距離にしても迅速に目標などの状況を報告するために、羅針儀や測距儀などによる正確な測定ではなく、目で見たところをそのまま伝えるわけです。

ですから、「(距離) 8千」 と言っても極めて “アバウト” なものであることは申し上げるまでもありません。 このため航海科員や見張に付く他科乗員も、出来るだけ正確に目測する練度が要求され、その訓練が重視されていました。

そしてこれには、測距・測的系統や砲戦などにおける正確な方位・距離と明確に区別するための呼称法が定められていたのです。

もちろん旧海軍時代には、伝達は直接の口頭又は専用の伝声管を使用し、測距・測的系統などのものとは区別されていたわけです。

これは戦後に海上警備隊・海上自衛隊になっても基本は同じでした。

ところが、艦橋内 (特に国産艦艇が揃い始めてから) での方位・距離の使用については既にお話ししたとおり、様々な用途や状況でのものがありますので、旧海軍からのものとは見張の報告要領なども多少変化を必要とするようになりました。

その大きな切っ掛けは主として次の2つです。

1.伝声管は補助用として装備されるだけとなり、米軍式の無電池電話 (SP) 系統の一つである JL (見張) 系が主用され、これに CIC も組み込まれており、この CIC の充実と共に見張員にもレーダーによる正確な方位・距離情報が入るようになったこと。

2.測距・測的用の専用の測距儀が装備されなくなり、これに替わって艦橋内に65式66測距儀(基線長66センチ)が常備され、航海科員により手軽に使用されるようになったこと。

これらによって、見張による距離の報告も艦橋内での煩雑さを避ける意味もあって、次第に百メートル単位での呼称法が使われることが多くなってきました。

私の記憶では、確か昭和50年代に入ってからの頃であったと思います。 この頃には当直士官教育でもこれによるところが出てきたはずです。

しかしながら、いずれにしても見張における本来の基本は変わることはありませんが、艦艇における装備の現状による実用上のこととして、艦橋内でのことも次第に変化していくことはあり得ることです。

つまり船乗りが一般的に言うところの “応用動作” の一つですね。

ただし、今現在の海自の 「見張教範」 の記述がこの方式に変更されたのかどうかは寡聞にして知りません。

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前記事 : 「 方位と距離の呼称法 」


posted by 桜と錨 at 19:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと

2018年07月04日

勝目純也氏 『護衛艦建造史 増補改訂版』


もう書店に並んでいると思います。 平成24年にイカロス出版から同氏の同名書がでましたが、今回はその増補改訂版です。

Ikaros_JDS_Rev_Katsume_cover_01_s.jpg

6年振りですが、この6年間にも海自の護衛艦は大きく様変わりしてきましたね。

この方面に興味のある方は、『世界の艦船』 誌とともに、ちょっとしたリファレンス用として横に置いておかれると便利でしょう。

今回は私の大先輩である平間洋一氏と並んでコラムを一つ載せて貰いました。 題して

『 「あさかぜ」 の思い出 』

ターターで米国留学、引き続いて長崎三菱での 「あさかぜ」 艤装から就役後の初代ミサイル士として、もう40年も前のことであり、その 「あさかぜ」 も既に退役して久しいですが、私にとっては忘れられない話しの一つです。


短いコラムですから掲載出来ませんでしたが、「あさかぜ」 就役後の SQT (装備認定試験) で米国派遣時にターター水上射撃において標的のマスト右アンテナヤードに直撃した時のものを。 もし実弾頭だったら確実に撃沈ですね。

Asakaze_SQT_01_s.JPG


日米官民合同のターター関係者による 「あさかぜ」 就役記念の打ち上げ。 もうどんちゃん騒ぎで ・・・・ あっ、コラムに載せて貰う写真はこっちの方が良かったかも (^_^) 

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2018年07月02日

方位と距離の呼称法


某所で次の様な質問が出ていました。

艦橋では方位や距離の数字を読み上げたりすると思いますが、その時の数字の読み方について教えて下さい。

その後に続く文章からはおそらく全くの初心者の方かと思いますので、それはそれで仕方が無いのでしょうが ・・・・

一言で “艦橋で” とはありますが、方位や距離の呼称法について “どこの国の” “いつの時代の” “どの様な状況で” “どの様に使う” 場合なのかという前提が全くありません。

旧海軍か海上自衛隊でのことなんでしょうが、それにしてもこの前提がなければ本来は答えられないことではあります。

回答を付けた方々も何故かこれには全く触れておりません。 (まあ某所は質問したい人、回答したいと思う人がそれぞれ自由に書き込むところですので、それでも全く構わないのでしょう。)


旧海軍でも海上自衛隊でも、艦上で “聞き間違いの無いように” 呼称法が決められており、数字などは一般的なものとしての読み方もあります。

よく知られている、一 (ひと)、二 (ふた)、三 (さん)、四 (よん) ・・・・ というのはその代表的な一つですね。

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( 旧海軍の水兵さんが航海術について最初に習う教科書 )


しかしながら、見張り、測距・測的、砲戦・水雷戦、操艦・操舵、艦位・位置、時刻やそして測深 (測鉛) 法などではそれぞれの教範類において異なった (独特な) 報告・号令が定められています。

これらはそれぞれその必要があってのことで、これらが随時艦橋内で報告や指示・命令とし飛び交うことになります。

例えば、最も頻度の多いのが見張についてで、これは報告を受けた者がわざわざ羅針儀を見なくとも即座にその場で直感的に分かるように 「潜望鏡、右 (左) 20 (ふたじゅう) 度、(距離) 3千 (さんぜん)、向かってくる」 などとと艦首を中心にして左右180度まで、距離は目測概略のメートル単位又は遠距離の場合はマイル単位 (その場合は○○マイルと言う) で報告します。

よく言われるような百メートル単位は見張では使いません。 これは測距・測的や砲戦などの場合です。

また、艦位・位置でしたら360度法の方位とマイル単位 (2マイル以内ならメートル≒ヤード単位) での報告になりますし、操艦・操舵での方位も360度法で、例えば 「235 (ふたひゃくさんじゅうご) 度、宜候〜」 のようにです。

もちろん、旧海軍でも磁気羅針儀しかなかった古い時代と、転輪羅針儀 (ジャイロ・コンパス) を使い出してからとでは大きく異なってきたことは言うまでもありません。

また特に測深 (測鉛) は呼称法の中でも最も独特なものの一つでしょう。

そして戦後の海上自衛隊ではレーダーやソーナーの装備が当たり前になりましたが、レーダーは360度法で距離はマイル単位 (2マイル以内はヤード単位)、ソーナーはヤード単位 (TASS等の長距離の場合はマイル単位) です。 

これらのように、艦橋における方位や距離は全て一つの呼称法しかないのではなく、それぞれの場合などで異なることを説明する必要があるでしょうね。

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次記事 : 「 方位と距離の呼称法 (補) 」

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2018年07月01日

幌筵島以南の千島列島所在旧陸海軍航空基地


なんか相変わらずバタバタしておりますので、本家サイトの更新も3週間開いてしまいました。

先ほど 『旧海軍の基地』 コーナーにて 「松輪」 「天寧」 「年萌」 の3基地を追加し、併せて 「幌筵島以南の千島列島所在旧陸海軍航空基地一覧」 を公開しました。


千島列島の旧陸海軍基地につきましては、出版物はもちろんネットでもあまり纏まったものが見あたりませんので、先の占守島及び幌筵島の分と併せてお楽しみいただけるのではないかと思っています。


Army_AB_Shibetoro_data_01_ss.JPG
(旧陸軍の 「蘂取第一飛行場」 のポップアップ画像例 (縮小))

この基地一覧は、現在更新中の関東地区所在一覧暫定頁が一段落しましたら、次は樺太をやってみたいと考えております。

なお、関東地区所在一覧は現在旧陸軍の26基地までポップアップ表示するようにしました。 残りあと西側の15基地です。

posted by 桜と錨 at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 海軍のこと